Friday, June 8, 2012

第99回 看護師国家試験 過去問題(午後)


問題 1

 日本人の体格指数(BMI)で「普通(正常)」はどれか。

1. 17

②. 22

3. 27

4. 32

問題 2

 男女雇用機会均等法の目的はどれか。

1. 子の看護休暇の取得促進

2. 女性の最低労働基準の設定

③. 雇用分野における男女差別の解消

4. 就業制限業務の規定による女性の保護

問題 3

 食中毒の原因となるのはどれか。

1. セラチア

2. レジオネラ

3. ヘリコバクター

④. カンピロバクター

問題 4

 看護師の行動で適切なのはどれか。

1. 看護計画を立案するために診療録を自宅へ持ち帰った。

2. 看護記録に誤りを見つけたので修正液を使って修正した。

③. 患者の友人から病状を聞かれたので答えられないと説明した。

4. 患者の氏名が記載された看護サマリーを院外の研修で配布した。

問題 5

 我が国の平成18年における看護職員の就業者数はどれか。

1. 約50万人

2. 約80万人

3. 約100万人

④. 約130万人

問題 6

 大泉門が閉鎖する時期はどれか。

1. 1か月

2. 6か月

③. 1歳6か月

4. 3歳

問題 7

 言語の発達で2歳ころに可能になるのはどれか。

1. 喃語を話す。

2. 音を真似る。

③. 二語文を話す。

4. 接続詞を使う。

問題 8

 二次性徴で正しいのはどれか。

①. ホルモン変化を伴う。

2. 男子にはみられない。

3. 特定の身長になると発現する。

4. 乳房の発育と初経の発来の順序は個人によって異なる。

問題 9

 法的に診療所に入院させることのできる患者数の上限はどれか。

1. 9人

②. 19人

3. 29人

4. 39人

問題 10

 斜線部が左肺の下葉を示すのはどれか。
(図あり)


1. (1)

2. (2)

③. (3)

4. (4)

問題 11

 胎児の頭部が子宮口に最も近い胎位はどれか。

①. 頭位

2. 斜位

3. 横位

4. 骨盤位

問題 12

 意識レベルを評価するのはどれか。

1. クレペリンテスト

2. フェイススケール

3. ロールシャッハテスト

④. グラスゴー・コーマ・スケール

問題 13

 弛緩性便秘の患者に対する食事指導で適切なのはどれか。

1. 水分摂取の制限

2. 脂肪の多い食品の摂取の制限

3. 塩分の多い食品の摂取の推奨

④. 食物残渣の多い食品の摂取の推奨

問題 14

 低血糖によって分泌が促進されるのはどれか。

1. アルドステロン

2. テストステロン

3. 甲状腺ホルモン

④. 副腎皮質刺激ホルモン

問題 15

 感冒の原因で最も多いのはどれか。

1. 真菌

2. 細菌

③. ウイルス

4. クラミジア

問題 16

 抗ウイルス薬はどれか。

1. ペニシリン

②. アシクロビル

3. エリスロマイシン

4. アンホテリシンB

問題 17

 鍵のかかる堅固な設備で保管しなければならないのはどれか。

1. ヘパリン

2. インスリン

3. 風疹ワクチン

④. モルヒネ塩酸塩

問題 18

 呼吸音の聴診で粗い断続性副雑音が聴取されたときに考えられるのはどれか。

1. 気道の狭窄

2. 胸膜での炎症

3. 肺胞の伸展性の低下

④. 気道での分泌物貯留

問題 19

 看護過程における看護上の問題で正しいのはどれか。

1. 問題の原因は1つにしぼる。

2. 原因が不明な事象は問題でない。

③. 危険性があることは問題になる。

4. 優先度は問題解決まで変更しない。

問題 20

 右片麻痺患者の着衣交換で正しいのはどれか。

1. 右から脱がせ、右から着せる。

2. 右から脱がせ、左から着せる。

③. 左から脱がせ、右から着せる。

4. 左から脱がせ、左から着せる。

問題 21

 インスリン製剤に使用される単位はどれか。

1. モル(mol)

②. 単位(U)

3. キロカロリー(kcal)

4. マイクログラム(μg)

問題 22

 消毒薬に最も抵抗性が強いのはどれか。

①. 細菌芽胞

2. 栄養型細菌

3. DNAウイルス

4. RNAウイルス

問題 23

 湯たんぽによる温罨法で適切なのはどれか。

1. 湯の温度は90℃以上とする。

2. 湯を湯たんぽの口まで入れる。

3. ビニール製のカバーを用いる。

④. 皮膚面から10cm程度離して使用する。

問題 24

 酸素投与時の加湿に用いるのはどれか。

①. 滅菌精製水

2. 生理食塩水

3. ポビドンヨード

4. 5%ブドウ糖液

問題 25

 災害現場でのトリアージはどれか。

1. 医療物資の調達

2. 避難方法の決定

3. 行方不明者の安否確認

④. 負傷者の治療順位の決定

問題 26

 心拍出量が増加しているにもかかわらず心不全に至るのはどれか。

1. 高血圧

2. 心筋梗塞

3. 拡張型心筋症

④. 甲状腺機能亢進症

問題 27

 栄養素と消化酵素の組合せで正しいのはどれか。

1. 炭水化物 -------------- リパーゼ

②. 蛋白質 ----------------- トリプシン

3. 脂肪 -------------------- マルターゼ

4. ビタミン -------------- アミノペプチダーゼ

問題 28

 肺癌で正しいのはどれか。

1. 我が国では扁平上皮癌が最も多い。

②. 小細胞癌は抗癌薬の感受性が高い。

3. 喫煙との関連が最も強いのは腺癌である。

4. 喫煙指数が300以下では発生の危険性が高い。

問題 29

 関節リウマチで正しいのはどれか。

①. 膠原病の中で最も頻度の高い疾患である。

2. 夕方の関節の痛みとこわばりが特徴的である。

3. 関節炎が3か所以上に多発することはまれである。

4. 関節リウマチに癌を合併したものが悪性関節リウマチである。

問題 30

 中心性肥満を生じるのはどれか。

1. 褐色細胞腫

2. 1型糖尿病

3. 甲状腺機能亢進症

④. クッシング症候群

問題 31

 法律と交付される手帳の組合せで正しいのはどれか。

1. 障害者自立支援法 ------------------------------------------------ 療育手帳

2. 母子及び寡婦福祉法 --------------------------------------------- 母子健康手帳

3. 生活保護法 --------------------------------------------------------- 身体障害者手帳

④. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 --------------- 精神障害者保健福祉手帳

問題 32

 新障害者基本計画で新たに強調されているのはどれか。

1. 地域基盤

②. 共生社会

3. 国際協力

4. リハビリテーション

問題 33

 予防接種で正しいのはどれか。

1. 小学1年生ではツベルクリン反応検査が行われる。

2. インフルエンザに使用されるのは生ワクチンである。

③. 麻疹および風疹の予防接種には混合ワクチンが含まれる。

4. ポリオ(急性灰白髄炎)の予防接種は皮下注射で行われる。

問題 34

 救急医療体制の組合せで正しいのはどれか。

1. 在宅当番医制 -------------------------- 二次救急

2. 病院群輪番制度 ----------------------- 三次救急

3. 救命救急センター -------------------- 二次救急

④. 休日夜間急患センター -------------- 初期救急

問題 35

 健康の説明で適切なのはどれか。

1. 地域や文化の影響を受けない。

2. 時代を超えて普遍的なものである。

3. 健康と疾病との関係は不連続である。

④. 障害を持っていてもその人なりの健康がある。

問題 36

 クリティカルシンキングで適切でないのはどれか。

1. 看護過程のどの段階においても有効である。

②. 物事を否定的にみる思考過程である。

3. 問題解決的アプローチを可能にする。

4. 看護研究に応用できる。

問題 37

 身体の計測値とその評価目的の組合せで正しいのはどれか。

1. 身長 ----------- 脳の発育

②. 体重 ----------- 栄養状態

3. 腹囲 ----------- 内臓の発育

4. 座高 ----------- 筋肉の機能

問題 38

 医療事故発生時の対応で適切でないのはどれか。

1. 患者の安全の確保

2. 事故に関わる物品の保全

3. 発生状況の記録

④. 発生部署内での解決

問題 39

 50歳の男性。事務職。飲酒は缶ビールを350ml/日。特定健康診査でLDLコレステロール156mg/dl、HDLコレステロール35mg/dl、中性脂肪200mg/dl。他の検査項目に異常はない。
食事指導で適切なのはどれか。


1. 飲酒の禁止

②. 食物繊維摂取の推奨

3. 動物性脂肪摂取の推奨

4. 植物性蛋白質摂取の制限

問題 40

 成人の正常尿で正しいのはどれか。

①. 尿比重が1.025である。

2. 排尿直後は無色である。

3. 1日尿量は400mlである。

4. 排尿直後にアンモニア臭がある。

問題 41

 開胸手術後の胸腔ドレナージの管理で正しいのはどれか。

①. 水封室には滅菌精製水を入れる。

2. 吸引圧は20cmH2O以上とする。

3. 水封室水面が動かないことを確認する。

4. 排液ボトル内の水面はチューブ挿入部と同じ高さに保つ。

問題 42

 一定レベルの血中濃度が最も長時間持続するのはどれか。

1. 坐薬

2. 舌下錠

3. 吸入薬

④. 全身用経皮吸収剤

問題 43

 前脛骨動脈の外出血に対する用手間接圧迫法の止血点で適切なのはどれか。

1. 足背動脈

2. 外踝動脈

3. 後脛骨動脈

④. 大腿動脈

問題 44

 測定中に波形が変わった心電図を示す。
(図あり)
考えられるのはどれか。


1. 心臓ペースメーカーの作動不全

②. 交流波の混入

3. 体位変換

4. 心房細動

問題 45

 自力で動けない人の他動運動の目的で適切なのはどれか。

1. 心筋酸素消費量の抑制

2. 消化管運動の抑制

③. 関節の拘縮予防

4. 肥満の予防

問題 46

 胃癌で在宅中心静脈栄養法〈HPN〉が必要な70歳の男性。ADLは自立している。妻との2人暮らし。患者の退院調整を始めることを計画している。
HPN開始に際し優先度の高い情報はどれか。

1. 自宅環境

2. 在宅での必要物品

3. 退院後の緊急連絡先

④. 患者・家族の実施能力

問題 47

 脳梗塞の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者。
家族への食事介助の指導で適切なのはどれか。


①. 嚥下食に寒天は用いない。

2. 食塊は左側の口腔内へ入れる。

3. 嚥下の際にむせがなければ誤嚥はない。

4. ベッドの頭側挙上の角度は20度とする。

問題 48

 成人女性の普通歩行(分速60~70m程度)20分程度と同等の身体活動量はどれか。

1. ストレッチングを10分

2. アイロンがけを15分

3. ジョギングを15分

④. 屋内の掃除を20分

問題 49

 呼吸停止した60歳代の男性に気管挿管を行うこととなった。
挿管時の介助方法で正しいのはどれか。


①. 挿管前に義歯がないことを確認する。

2. スタイレットは気管チューブの先端から1cm長めにする。

3. 気管チューブのカフには精製水を注入する。

4. 気管チューブの挿入位置は胃泡音で確認する。

問題 50

 手術体位の図を示す。
(図あり)
麻痺が最も起こりやすいのはどれか。


①. 上腕神経叢

2. 肋間神経

3. 坐骨神経

4. 三叉神経

問題 51

 58歳の男性。下腹部痛と下血とで来院した。Hb 4.8g/dlで緊急入院し輸血を行うこととなった。
輸血時の看護で正しいのはどれか。


1. 小児用点滴セットを用いる。

②. 交差試験の結果は医師や看護師が複数で確認する。

3. アレルギー反応を観察するために開始後3分間は側にいる。

4. 輸血後3日以内は輸血後移植片対宿主病発症に注意する。

問題 52

 気管支鏡検査で正しいのはどれか。

①. 検査の4時間前まで飲水は可能である。

2. 咽喉頭麻酔は上部消化管内視鏡と同様に行う。

3. 前投薬として鎮咳薬を投与する。

4. 検査中に問題がなければ合併症の発症はない。

問題 53

 初めてニトログリセリンを処方された患者への指導で適切なのはどれか。

1. 「便秘しやすくなります」

2. 「納豆は食べないでください」

③. 「血圧が低下することがあります」

4. 「薬は食前に水で服用してください」

問題 54

 2型糖尿病の患者に食事療法について指導した。
2か月後の外来受診日に食事療法の長期的な評価指標として最も適しているのはどれか。


1. 尿糖

2. 体重

③. HbA1c

4. 空腹時血糖

問題 55

 関節リウマチ患者への生活指導で適切なのはどれか。

1. 押す動作よりも引く動作で仕事をする。

2. 痛むときは冷罨法を行う。

3. 和式トイレを使用する。

④. かばんは肩にかける。

問題 56

 50歳の男性。出張の多い会社員。右真珠腫性中耳炎で鼓室形成術を受けた。術後経過は順調で耳痛はない。
退院に向けた生活指導で適切なのはどれか。


①. 洗髪時は耳栓を使用する。

2. 飛行機の利用は問題ない。

3. 耳垢はこまめに除去する。

4. 食事は流動食にする。

問題 57

 成人男性の直腸診で腹側に鶏卵大の臓器を触れた。
この臓器はどれか。


1. 副腎

2. 膀胱

3. 精巣

④. 前立腺

問題 58

 84歳の女性。高血圧で通院中。病院の看護師に「昨年夫に先立たれ、一人で家にいても何かをする気力が持てない。足腰が弱ってきたのでゲートボールにも参加できなくなった。自分が生きているのが無意味に感じる」と話す。
最も考えられるのはどれか。


1. 勤勉性の欠如

②. 生きがいの喪失

3. 認知機能の障害

4. 流動性知能の低下

問題 59

 75歳の女性。専業主婦。身体に障害はなく特に疾患はない。健康診査で生活状況を尋ねられ、「体調は良いけれど眠れないことだけが悩みです。夜、布団に入ってもなかなか眠れないし、明け方に目が覚めてそのまま眠れない日も多いです。眠る時間が年々短くなっているように感じます」と語った。
指導内容で適切なのはどれか。


①. 午前中に太陽の光を浴びる。

2. 熟眠感を得るため飲酒をする。

3. 就寝直前に熱めのお湯で入浴する。

4. 朝、起床が困難な場合そのまま寝ていてよい。

問題 60

 高齢者のうつ病の特徴はどれか。

1. 認知機能への影響はない。

2. 不安を訴えることはまれである。

3. 悲哀感を強く訴えることが多い。

④. 身体の不調を強く訴えることが多い。

問題 61

 介護保険制度によって指定されるグループホームについて正しいのはどれか。

1. 施設サービスの1つである。

2. 入所人数の制限はない。

③. 訪問看護を利用できる。

4. 夜間は職員が不在となる。

問題 62

 脳幹出血で四肢麻痺となった78歳の女性が退院し帰宅することとなった。長男の妻が「私が仕事をやめて介護すると家族に決められました」と沈んだ様子で看護師に話した。
最初の言葉かけとして適切なのはどれか。


①. 「あなた自身はどのようにお考えですか」

2. 「ご心配と思いますが、なんとかなりますよ」

3. 「在宅介護の方法はどのくらいご存知ですか」

4. 「介護サービス事業所の電話番号を教えましょうか」

問題 63

 成熟児で体重が出生時の約2倍になるのはどれか。

1. 生後1~2か月

②. 生後3~4か月

3. 生後6~7か月

4. 生後9~10か月

問題 64

 エリクソンの発達課題における思春期の特徴はどれか。

1. 「勤勉性」対「劣等感」

2. 「自律性」対「恥・疑惑」

3. 「基本的信頼感」対「不信感」

④. 「自我同一性の確立」対「自我同一性の拡散」

問題 65

 水痘罹患児で集団生活を休ませる期間はどれか。

1. 新たな水疱が生じなくなるまで

②. 発疹が痂皮になるまで

3. 咳嗽が消失するまで

4. 解熱するまで

問題 66

 先天性疾患で正しいのはどれか。

①. フェニルケトン尿症は遺伝病である。

2. 口唇口蓋裂は単一遺伝疾患である。

3. 近親婚はターナー症候群の発生頻度を高くする。

4. ダウン症候群は13番染色体のトリソミーである。

問題 67

 36歳の妊婦。妊娠33週5日、切迫早産で入院となった。ベッド上安静で子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩)の持続点滴静脈内注射が開始となった。入院時、血圧118/84mmHg、尿蛋白(±)、尿糖(-)。Hb 11.5g/dl、Ht 34%。
入院中、最も起こりやすいのはどれか。


1. 徐脈

2. 貧血

③. 便秘

4. 浮腫

問題 68

 在胎33週4日で出生した低出生体重児。
正産期の成熟児との比較で誤っているのはどれか。

1. 吐乳しやすい。

2. 皮下脂肪が少ない。

3. 多呼吸を起こしやすい。

④. 体重あたりの体表面積が小さい。

問題 69

 30歳の男性。近所の人に会ってもお辞儀はできるが会話ができない。「外出すると知り合いの人に会うので怖い。人と気の利いた話ができない自分はだめな人間」と繰り返し訴える。
この患者に行う療法として最も適切なのはどれか。


1. 作業療法

2. 家族療法

③. 認知行動療法

4. 集団精神療法

問題 70

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が規定する行動制限で、看護師の判断で行うことができるのはどれか。

1. 隔離の実施

2. 手紙発信の制限

3. 身体的拘束の実施

④. ケア時、隔離の一時的中断

問題 71

 心房細動で発症リスクが高まるのはどれか。

①. 脳梗塞

2. 脳出血

3. 心筋炎

4. 心外膜炎

5. 心内膜炎

問題 72

 運動神経の神経伝達物質はどれか。

1. ドパミン

2. ヒスタミン

3. セロトニン

4. アドレナリン

⑤. アセチルコリン

問題 73

 発がん因子でないのはどれか。

1. たばこ

2. エックス線

3. アスベスト

4. コールタール

⑤. A型肝炎ウイルス

問題 74

 皮膚が温かいショック患者で考えられるのはどれか。

1. 心原性ショック

2. 出血性ショック

3. 神経原性ショック

④. エンドトキシンショック

5. アナフィラキシーショック

問題 75

 長期間服用中、急に中止することによってショックをきたす可能性があるのはどれか。

1. 消炎鎮痛薬

2. 抗アレルギー薬

③. 副腎皮質ステロイド

4. ペニシリン系抗菌薬

5. マクロライド系抗菌薬

問題 76

 1週間前に廃材で深い刺傷を負った建築作業員。昨日から顔のゆがみと開口障害とがあり、今朝から発語障害、呼吸困難およびけいれんが出現したため搬入された。
最も考えられるのはどれか。


1. 梅毒

2. 百日咳

③. 破傷風

4. 流行性耳下腺炎

5. マイコプラズマ感染症

問題 77

 胆道閉鎖症の乳児の便の色はどれか。

1. 緑色

2. 黒色

3. 暗赤色

4. 黄土色

⑤. 灰白色

問題 78

 呼吸で正しいのはどれか。2つ選べ

1. 内呼吸は肺で行われる。

2. 呼気ではCO2濃度がO2濃度よりも高い。

③. 吸気時には外肋間筋と横隔膜筋とが収縮する。

④. 呼吸を調節する神経中枢は橋と延髄とにある。

5. 呼吸の中枢化学受容体は主に動脈血酸素分圧に反応する。

問題 79

 卵巣から分泌されるホルモンはどれか。2つ選べ

①. エストロゲン

2. プロラクチン

③. プロゲステロン

4. 黄体化ホルモン〈LH〉

5. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉

問題 80

 86歳の男性。一人暮らし。内科と整形外科とを受診している。記銘力低下のため、これまでに内服薬の飲み忘れ、飲み間違いがあった。居宅サービスは訪問看護のみを受けている。
内服をより確実にするのはどれか。2つ選べ

1. 2か月分ずつの処方

2. 診療科ごとの内服指導

③. 保険薬局の薬剤師の訪問

4. ケアマネジャーによる内服薬の管理

⑤. 内服1回量ごとの包装(ODP:one dose package)

問題 81

 在宅で療養中の93歳の女性。1日の大半をベッド上で過ごしている。神経因性膀胱による尿閉のため膀胱カテーテルを留置している。朝、家庭から訪問看護師に「いつもより夜間の尿量が少なく、お腹が張っている感じがする」と連絡があった。バイタルサインに異常はなく、おむつへの尿漏れもない。カテーテル内に少量の尿の流出が見られる。
訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ

①. 下腹部を触診する。

2. そのまま様子をみる。

3. 下腹部を強く圧迫する。

4. カテーテルの固定水を追加する。

⑤. カテーテルの屈曲の有無を確認する。

問題 82

 開心術後1日、心タンポナーデの徴候はどれか。2つ選べ

1. 脈圧増加

2. 血圧上昇

3. 尿量増加

④. 中心静脈圧上昇

⑤. 胸部エックス線写真での心拡大像

問題 83

 地域包括支援センターの機能はどれか。2つ選べ

1. 介護報酬の支給

2. 訪問介護の実施

3. 要介護認定審査

④. 高齢者虐待の相談

⑤. 介護予防ケアマネジメント

問題 84

 胆石で胆嚢摘出術後2日の78歳の女性。認知症はなかったが、昨夜から面会に来た家族の声かけに反応が鈍かったり、突然興奮して起き上がるなどの行動がみられる。
対応で適切なのはどれか。2つ選べ


1. 家族に面会を控えるよう話す。

2. 起き上がらないように拘束する。

③. ドレーン類は直接目にふれないようにする。

4. 意識レベルを把握できるよう鎮痛薬は使わない。

⑤. 手術のために入院していることを穏やかに説明する。

問題 85

 6か月の乳児に離乳食を開始する親への説明で適切なのはどれか。2つ選べ

1. 1日2回から始める。

②. つぶし粥から始める。

3. 開始時期が遅れている。

4. はちみつの使用を勧める。

⑤. 母乳は飲みたいだけ与える。

問題 86

 更年期女性の特徴はどれか。2つ選べ

1. 平均閉経年齢は55歳である。

2. 性腺刺激ホルモンの分泌は減少する。

3. プロゲステロンの低下によって骨量が減少する。

④. 閉経後は高脂血症(脂質異常症)の発症が増加する。

⑤. 更年期症状の出現には社会的・心理的要因が影響する。

問題 87

 28歳の初産婦。妊娠39週0日、午後8時15分に正常分娩した。分娩所要時間は12時間15分であった。
産褥1日における母親役割の獲得への援助で適切なのはどれか。2つ選べ


①. 身体の疲労回復を促す。

②. 分娩の振り返りを行う。

3. 児の沐浴について指導する。

4. 母乳不足の見分け方について説明する。

5. 育児分担について夫と話し合うことを促す。

問題 88

 躁状態でよくみられる症状はどれか。2つ選べ

①. 誇大妄想

2. 罪業妄想

③. 観念奔逸

4. 予期不安

5. 行動制止

問題 89

 リラクセーション法はどれか。2つ選べ

①. 自律訓練法

2. サイコドラマ

3. 認知再構成法

④. 漸進的筋弛緩法

5. アサーショントレーニング

問題 90

 せん妄を起こしやすいのはどれか。2つ選べ

①. 認知症

2. 躁うつ病

3. 摂食障害

④. 頭部外傷

5. 人格障害

問題 91

 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。

病院から訪問看護ステーションに訪問の依頼があり、夫と面接することになった。夫は「私が介護をするので、家に帰るという本人の希望をかなえたい」と相談した。
夫に確認する情報で優先度が高いのはどれか。

①. 家族の介護力

2. 化学療法の内容

3. 介護保険申請の有無

4. かかりつけ医の有無

問題 92

 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。

1週後、在宅療養を開始した。在宅療養支援診療所の医師が週1回、訪問看護師は日曜日以外毎日訪問することとなった。下腹部痛と膨満感に対して、フェンタニル貼付剤と臨時追加投薬の速効性オキシコドン塩酸塩水和物との内服で病状は安定している。
訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

①. 患者の主観的な訴えを尊重する。

2. フェンタニル貼付剤の交換は訪問看護師が行う。

3. 痛みの評価は直接主治医に伝えるよう説明する。

4. 臨時追加薬はなるべく使わず我慢するよう説明する。

問題 93

 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。

終末期が近づき医師から家族に病状が説明された。夫から「家で看取ってあげたいが、今後どうしたらいいかわからない」と相談があった。
夫への対応で適切なのはどれか。2つ選べ

1. 臨死期は救急車を呼ぶよう説明する。

2. 長男への病状の説明は控えるよう話す。

③. 家族にできるケアを行っていくことを勧める。

4. 妻と死について話すのは控えるように伝える。

⑤. 死に至るまでの予想される妻の様子を夫に伝えておく。

問題 94

 42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウィスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。

同僚と飲食した翌朝、腹痛と嘔気とで目が覚めた。通常の二日酔いとは異なる強い心窩部痛があったため受診した。意識は清明で呼吸困難はない。急性膵炎と診断され入院することとなった。
高値が予測される血液検査データはどれか。

1. カルシウム

2. アルブミン

③. アミラーゼ

4. α-フェトプロテイン

問題 95

 42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウィスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。

入院時の看護で適切なのはどれか。2つ選べ

1. 温罨法の実施

②. 水分出納の把握

③. 腸蠕動音の聴診

4. 仰臥位安静の保持

5. モルヒネによる鎮痛効果の観察

問題 96

 42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウィスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。

入院後10日、順調に回復し、薬物療法として蛋白分解酵素阻害薬が内服処方され退院することとなった。
退院後の生活指導で適切なのはどれか。

①. 低脂肪食とする。

2. 低蛋白食とする。

3. 体調によって服薬調整をする。

4. 週に1度は飲酒をしない日を設ける。

問題 97

 36歳の男性。妻と2歳の娘との3人暮らし。急性骨髄性白血病の診断で、中心静脈カテーテルが挿入され、寛解導入療法が開始された。妻は入院時に「娘が自分のそばを離れたがらず、夫の付き添いができない」と話した。

化学療法開始後10日。白血球500/μl、血小板30,000/μl。悪心が続き食事摂取がほとんどできず、高カロリー輸液が開始された。妻は「病気に負けてしまう」と涙ぐみ、患者は「妻は子どものことで大変なので、私は早く退院できるようにしないと」と食事摂取に意欲を示している。
この時期の食事の選択で適切なのはどれか。

1. 妻、子どもと一緒に病院のレストランでの食事

②. 栄養補助飲料を凍らせたシャーベット

3. 冷やしたイチゴ

4. 経管栄養

問題 98

 36歳の男性。妻と2歳の娘との3人暮らし。急性骨髄性白血病の診断で、中心静脈カテーテルが挿入され、寛解導入療法が開始された。妻は入院時に「娘が自分のそばを離れたがらず、夫の付き添いができない」と話した。

3歳年上の兄とヒト白血球抗原〈HLA〉が適合したため、血縁者間骨髄移植が検討された。
ドナーとなる兄への説明で適切なのはどれか。

1. 兄が免疫抑制薬を内服する。

②. 全身麻酔下で骨髄液を採取する。

3. 骨髄液採取部位は翌日までドレーンを挿入する。

4. 兄の退院の目安は患者に生着が確認されるころである。

問題 99

 36歳の男性。妻と2歳の娘との3人暮らし。急性骨髄性白血病の診断で、中心静脈カテーテルが挿入され、寛解導入療法が開始された。妻は入院時に「娘が自分のそばを離れたがらず、夫の付き添いができない」と話した。

移植後60日。患者は軽度の移植片対宿主病〈GVHD〉のため退院の見通しがたたずにいる。看護師が外出を促すと妻に付き添われて外出するが、すぐに病室に戻ってきてしまうことを繰り返している。ドナーの兄が面会に来て患者を励ますが、布団をかぶって顔を合わせずにいる。意思の疎通に問題はない。
この患者の状態で最も考えられるのはどれか。

1. 被害妄想

2. 情動失禁

3. 拘禁症状

④. 兄への申し訳なさ

問題 100

 80歳の女性。自宅で長男との2人暮らし。明け方にトイレに行こうとして廊下でつまずき転倒し、左大腿骨頸部骨折と診断され内固定術を受けた。術後は順調に経過し、杖を使った歩行が安全にできるようになり1週後の自宅退院が決定した。下肢の筋力および認知機能の低下はない。

再転倒予防のために確認すべき自宅の情報で優先度が高いのはどれか。

1. 延べ床面積

2. 調理台の高さ

③. 廊下の床の状態

4. 玄関の間口の広さ

問題 101

 80歳の女性。自宅で長男との2人暮らし。明け方にトイレに行こうとして廊下でつまずき転倒し、左大腿骨頸部骨折と診断され内固定術を受けた。術後は順調に経過し、杖を使った歩行が安全にできるようになり1週後の自宅退院が決定した。下肢の筋力および認知機能の低下はない。

杖歩行は順調に上達しているが、転倒したことを「息子に迷惑をかけた。転んだことを思い出すとおそろしくて胸がドキドキするし、また転ぶんじゃないかと思うと不安だ」と話す。
本人への言葉かけで適切なのはどれか。

1. 「絶対に転倒してはいけませんよ」

②. 「転びにくいような歩き方ができていますよ」

3. 「骨折は治ったのだからもう安心して大丈夫ですよ」

4. 「もうお年ですからなんでも息子さんに手伝って貰いましょう」

問題 102

 80歳の女性。自宅で長男との2人暮らし。明け方にトイレに行こうとして廊下でつまずき転倒し、左大腿骨頸部骨折と診断され内固定術を受けた。術後は順調に経過し、杖を使った歩行が安全にできるようになり1週後の自宅退院が決定した。下肢の筋力および認知機能の低下はない。

同居している息子は「もう一度転倒してしまったら大変なので、母が動くのは心配だ」と話す。
息子への対応で適切なのはどれか。

1. 必要なものをすべて母親の周りに置く。

2. 介護に慣れている息子がいつも歩行に付き添う。

③. 安全に歩行できていることを息子に見てもらう。

4. 夜間はおむつを使用して転倒誘発の機会を低減する。

問題 103

 88歳の男性。慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を長年患っている。他に慢性疾患の既往はなく日常生活動作はほぼ自立している。1週前から息苦しさが増強し、昨日から38.0℃の発熱があって受診した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉82%。動脈血ガス分析(room air):PaO2 45Torr、PaCO2 50Torr。胸部エックス線撮影の結果、右肺上葉に陰影を認め肺炎と診断された。

このときの所見でみられる可能性が高いのはどれか。

①. 胸部の打診での過共鳴音

2. 吸気と呼気との長さの比がほぼ2:1

3. 右胸の下肺野付近の皮膚に皮下気腫

4. 胸郭の前後径と左右径との比がほぼ1:2

問題 104

 88歳の男性。慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を長年患っている。他に慢性疾患の既往はなく日常生活動作はほぼ自立している。1週前から息苦しさが増強し、昨日から38.0℃の発熱があって受診した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉82%。動脈血ガス分析(room air):PaO2 45Torr、PaCO2 50Torr。胸部エックス線撮影の結果、右肺上葉に陰影を認め肺炎と診断された。

入院し、抗菌薬の点滴静脈内注射と酸素投与とが開始された。
今後の発生に最も注意が必要なのはどれか。

1. 腹水

2. 脱水症状

3. 高血糖症状

④. CO2ナルコーシス

問題 105

 88歳の男性。慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を長年患っている。他に慢性疾患の既往はなく日常生活動作はほぼ自立している。1週前から息苦しさが増強し、昨日から38.0℃の発熱があって受診した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉82%。動脈血ガス分析(room air):PaO2 45Torr、PaCO2 50Torr。胸部エックス線撮影の結果、右肺上葉に陰影を認め肺炎と診断された。

その後順調に回復したため退院が決まった。患者はエレベータのない公営住宅の4階に1人で暮らしており、近隣に家事を手伝ってくれる親戚や友人はいない。食事は不規則でインスタント食品ばかりである。
退院指導で入れるべき内容はどれか。2つ選べ

1. 嚥下訓練

2. 水分制限

3. 毎日の散歩

④. 外出後の手洗い

⑤. 配食サービスの紹介

問題 106

 3か月の乳児。意識障害のため搬入された。母親は「昨日30cmの高さのソファから転落したが普段と変わりない様子だった。今朝になって様子がおかしいので救急車を呼んだ」と看護師に話す。頭部CTを施行後、医師から「頭蓋内に出血箇所が複数あり、意識障害を起こしている。このまま出血が広がるようなら手術の必要がある」と病状説明がされた。

乳児はウトウトと眠っている状態である。
対応で適切なのはどれか。

1. 意識レベルは視線が合うかどうかによって評価する。

②. 経皮的動脈血酸素飽和度モニターを装着する。

3. 啼泣があればミルクを与える。

4. 体幹を抑制する。

問題 107

 3か月の乳児。意識障害のため搬入された。母親は「昨日30cmの高さのソファから転落したが普段と変わりない様子だった。今朝になって様子がおかしいので救急車を呼んだ」と看護師に話す。頭部CTを施行後、医師から「頭蓋内に出血箇所が複数あり、意識障害を起こしている。このまま出血が広がるようなら手術の必要がある」と病状説明がされた。

医師からの説明直後に、看護師が「ソファから落ちたのは昨日だったんですよね」と母親に確認すると、母親は「本当は3日前です。この子はよく動くので寝返りをうって落ちたんです。子どもが目を覚ましたらなるべく早く連れて帰りたいんだけど」と落ち着かない様子で話した。
この状況のアセスメントで最も適切なのはどれか。

①. 子どもの状態と母親の説明とに整合性がない。

2. 看護師が受傷日を聞き間違えている。

3. 母親は受傷した日を勘違いしている。

4. 母親は子どもの病状を理解している。

問題 108

 3か月の乳児。意識障害のため搬入された。母親は「昨日30cmの高さのソファから転落したが普段と変わりない様子だった。今朝になって様子がおかしいので救急車を呼んだ」と看護師に話す。頭部CTを施行後、医師から「頭蓋内に出血箇所が複数あり、意識障害を起こしている。このまま出血が広がるようなら手術の必要がある」と病状説明がされた。

小児病棟に入院すると、母親は携帯電話を気にしながら「早く家に帰らないと夫にしかられる」と話し、看護師が病室を離れた間に「明日また来ます」というメモを残して帰宅してしまった。
対応で適切なのはどれか。2つ選べ

①. 児への虐待の可能性があると児童相談所に通告する。

2. 母親に児への虐待を疑っていることを電話で伝える。

③. 母親が面会に来たら育児環境について話し合う。

4. 電話をかけて母親を病院に呼び戻す。

5. 母親にDVシェルターを紹介する。

問題 109

 32歳の初産婦。会社員。妊娠8週0日。身長160cm、体重50kg(非妊時53kg)。「食べると気持ちが悪くなるので、妊娠前のようには食事がとれない。3食をとるようにがんばっているが、よく食べられたと思ったときに限ってその後に吐いてしまう」と話す。

妊婦の訴えに対するアセスメントに必要な情報で優先度が高いのはどれか。

1. 腹囲

2. Hb値

3. 排尿状況

④. 尿ケトン体

問題 110

 32歳の初産婦。会社員。妊娠8週0日。身長160cm、体重50kg(非妊時53kg)。「食べると気持ちが悪くなるので、妊娠前のようには食事がとれない。3食をとるようにがんばっているが、よく食べられたと思ったときに限ってその後に吐いてしまう」と話す。

食事の摂取方法に関する説明で適切なのはどれか。

①. 少量ずつ食べる。

2. 糖分を多くとる。

3. 水分摂取は控える。

4. 時間を決めて食べる。

5. サプリメントをとる。

問題 111

 32歳の初産婦。会社員。妊娠8週0日。身長160cm、体重50kg(非妊時53kg)。「食べると気持ちが悪くなるので、妊娠前のようには食事がとれない。3食をとるようにがんばっているが、よく食べられたと思ったときに限ってその後に吐いてしまう」と話す。

妊娠20週0日。「気分はとても良いです。元気になったら、夫は家事をしてくれなくなって、私が妊娠しているのを忘れているかのようです。私もこのお腹に赤ちゃんがいるって、まだ信じられない感じがします」と話す。
対応で最も適切なのはどれか。

1. 男性が父親としての役割を意識するのは出産後であることを説明する。

②. 夫とともに出産準備教室に参加することを勧める。

3. 夫に家事を手伝うように看護師から伝える。

4. 夫の立会い分娩を提案する。

問題 112

 35歳の初産婦。妊娠38週0日。昨日午後8時に陣痛が開始し、本日の午前1時に入院した。午後1時に羊水流出感があり、診察で破水と子宮口全開大が確認された。午後3時30分に児娩出、午後3時45分に胎盤娩出となった。分娩時出血量は600mlであった。

分娩経過のアセスメントで正しいのはどれか。

1. 早産である。

2. 早期破水である。

3. 分娩所要時間は19時間30分である。

④. 分娩時出血量は正常範囲を逸脱している。

問題 113

 35歳の初産婦。妊娠38週0日。昨日午後8時に陣痛が開始し、本日の午前1時に入院した。午後1時に羊水流出感があり、診察で破水と子宮口全開大が確認された。午後3時30分に児娩出、午後3時45分に胎盤娩出となった。分娩時出血量は600mlであった。

産褥1日。体温37.1℃。脈拍66/分。血圧120/70mmHg。子宮底臍高、子宮収縮は輪状マッサージ後に良好、赤色悪露が中等量みられる。会陰縫合部痛があり、尿意ははっきりしない。乳房緊満はなく、乳腺開口は左右とも4本程度である。
褥婦への生活指導で適切なのはどれか。

1. 「授乳は休みましょう」

2. 「乳房を温罨法しましょう」

3. 「骨盤底筋体操をしましょう」

④. 「3、4時間ごとに排尿しましょう」

問題 114

 35歳の初産婦。妊娠38週0日。昨日午後8時に陣痛が開始し、本日の午前1時に入院した。午後1時に羊水流出感があり、診察で破水と子宮口全開大が確認された。午後3時30分に児娩出、午後3時45分に胎盤娩出となった。分娩時出血量は600mlであった。

産褥5日。体温36.8℃。脈拍70/分。血圧120/72mmHg。子宮底臍下4横指、子宮収縮良好、赤褐色悪露少量。母乳分泌は良好である。Hb 10.6g/dl、Ht 31%。
食事指導で適切なのはどれか。2つ選べ

1. 塩分摂取量は7g未満/日とする。

②. 鉄分を多く含む食品の摂取を勧める。

3. 緑茶や紅茶で十分な水分摂取を行う。

4. 脂肪エネルギー比率を20%未満にする。

⑤. エネルギーの付加は450kcal/日程度とする。

問題 115

 20歳の男性。両親は5年前に事故で他界し、73歳の祖母との2人暮らし。元来内気で友人も少ない。1年前から「心臓がとける」、「動くと心臓が変形して止まりそう」と言い、大学を中退し家に引きこもっている。家では1日中パソコンに向かい昼夜逆転となり、祖母が注意をするが聞き入れない。他県に住んでいた親戚がこのような状況に気付き、本人を連れて精神科病院を受診し、統合失調症と診断され任意入院となった。

みられる症状はどれか。

1. 解離

②. 体感幻覚

3. 心気妄想

4. 被害妄想

5. 思考奔逸

問題 116

 20歳の男性。両親は5年前に事故で他界し、73歳の祖母との2人暮らし。元来内気で友人も少ない。1年前から「心臓がとける」、「動くと心臓が変形して止まりそう」と言い、大学を中退し家に引きこもっている。家では1日中パソコンに向かい昼夜逆転となり、祖母が注意をするが聞き入れない。他県に住んでいた親戚がこのような状況に気付き、本人を連れて精神科病院を受診し、統合失調症と診断され任意入院となった。

入院2か月、心臓に対する不安は継続しているものの症状はかなり軽減し、短時間の散歩もできるようになった。薬は看護師からその都度手渡されると拒否することなく服用している。病棟では1人で過ごすことが多く、誘われれば将棋やトランプに参加する。患者は1か月以内に自宅に退院したいと希望している。
退院に向けて優先されるのはどれか。

1. 洗濯の指導

2. 料理教室の勧め

③. 服薬自己管理に向けた支援

4. スポーツを中心とした活動療法の勧め

問題 117

 20歳の男性。両親は5年前に事故で他界し、73歳の祖母との2人暮らし。元来内気で友人も少ない。1年前から「心臓がとける」、「動くと心臓が変形して止まりそう」と言い、大学を中退し家に引きこもっている。家では1日中パソコンに向かい昼夜逆転となり、祖母が注意をするが聞き入れない。他県に住んでいた親戚がこのような状況に気付き、本人を連れて精神科病院を受診し、統合失調症と診断され任意入院となった。

退院に際し、患者が健康管理について心配しているため訪問看護を利用することとなった。祖母は、入院前は患者の世話や家事一切を行っていたが、最近は変形性膝関節症のため患者の部屋がある2階への行き来や掃除が負担になっている。
訪問看護以外で適切な社会資源はどれか。2つ選べ

1. 就労継続支援

②. 精神科デイケア

3. グループホーム

4. 社会適応訓練事業

⑤. ホームヘルプサービス

問題 118

 62歳の男性。仕事柄、海外への出張が多い。元来責任感が強く、家庭や会社での信頼も厚かった。東南アジアから10日前に帰国してから全身の倦怠感を訴えていた。本日、午後9時ごろ突如手の震えが出現し「昨年死んだはずの友人が部屋に来ている」と大声で叫びだしたため、家族に伴われて救急外来を受診した。体温36.5℃。脈拍72/分。血圧124/76mmHg。眼球結膜に黄染が認められ、血液検査が実施された。

診察室ではうつろな表情で落ち着きがない様子であるが、興奮することはない。
外来での対応で最も優先度が高いのはどれか。

①. 頭部CT

2. 腰椎穿刺

3. 隔離室への保護

4. 抗精神病薬の投与

問題 119

 62歳の男性。仕事柄、海外への出張が多い。元来責任感が強く、家庭や会社での信頼も厚かった。東南アジアから10日前に帰国してから全身の倦怠感を訴えていた。本日、午後9時ごろ突如手の震えが出現し「昨年死んだはずの友人が部屋に来ている」と大声で叫びだしたため、家族に伴われて救急外来を受診した。体温36.5℃。脈拍72/分。血圧124/76mmHg。眼球結膜に黄染が認められ、血液検査が実施された。

患者は看護師に「自分は命を狙われている。助けてくれ」と話し始めた。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 「安静が必要なので、静かにしていて下さい」

2. 「あなたが命を狙われているはずがありません」

3. 「そうですね。窓の外に隠れている人がいるかもしれませんね」

④. 「もしそのようなことがあっても、私達がいますから安心して下さい」

問題 120

 62歳の男性。仕事柄、海外への出張が多い。元来責任感が強く、家庭や会社での信頼も厚かった。東南アジアから10日前に帰国してから全身の倦怠感を訴えていた。本日、午後9時ごろ突如手の震えが出現し「昨年死んだはずの友人が部屋に来ている」と大声で叫びだしたため、家族に伴われて救急外来を受診した。体温36.5℃。脈拍72/分。血圧124/76mmHg。眼球結膜に黄染が認められ、血液検査が実施された。

血液検査で、総ビリルビン3.6mg/dl、直接ビリルビン2.0mg/dl、AST〈GOT〉3,500IU/l、ALT〈GPT〉4,200IU/l、ALP 470IU/l、プロトロンビン活性〈PT %〉35%(基準80~120)が認められた。
最も考えられるのはどれか。

1. 統合失調症

②. 症状精神病

3. パニック障害

4. 身体表現性障害

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