Friday, June 8, 2012

第98回 看護師国家試験 過去問題(午前)


問題 1

 平成18年における我が国の合計特殊生産率に最も近いのはどれか。

1. 0.9

②. 1.3

3. 1.7

4. 2.1

問題 2

 アスベストが原因となる職業性疾病はどれか。

1. 皮膚炎

2. 腰痛症

③. 中皮腫

4. 胃潰瘍

問題 3

 「障害の程度や特質に関わらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有すること」を示すものであり「障害者や高齢者を特別視せず、可能な限り通常の市民生活を送ることができるようにする」という考え方はどれか。

1. アドボカシー

2. パターナリズム

3. ヘルスプロモーション

④. ノーマライゼーション

問題 4

 QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を評価する上で最も重要なのはどれか。

1. 家族の意向

②. 本人の満足感

3. 生存期間の延長

4. 在院日数の短縮

問題 5

 入院中の乳児のバイタルサインで最初に測定するのはどれか。

1. 体温

②. 呼吸

3. 脈拍

4. 血圧

問題 6

 ホルモンを分泌するのはどれか。

1. 前立腺

2. 子宮

③. 膵臓

4. 肝臓

問題 7

 脳死の判定基準に含まれないのはどれか。

1. 深昏睡

②. 心停止

3. 瞳孔散大

4. 自発呼吸の消失

問題 8

 胆汁が混入していることを示す吐物の色はどれか。

1. 白

2. 黒

3. 赤

④. 緑

問題 9

 心停止の危険性が最も高い心電図はどれか。


1. (1)

②. (2)

3. (3)

4. (4)

問題 10

 ニトログリセリンの作用はどれか。

1. 昇圧

2. 造血

③. 血管拡張

4. 免疫抑制

問題 11

 緑内障で禁忌なのはどれか。

①. アトロピン

2. インスリン

3. フロセミド

4. ジゴキシン

問題 12

 誤嚥で発症するのはどれか。

①. 肺炎

2. 胃炎

3. 肝炎

4. 膵炎

問題 13

 ストレッチャーによる患者の移動の写真(別冊No.1①~④)を別に示す。適切なのはどれか。


1. (1)

②. (2)

3. (3)

4. (4)

問題 14

 オートクレーブを使用するのはどれか。

1. 乾熱滅菌

2. ろ過滅菌

3. ガス滅菌

④. 高圧蒸気滅菌

問題 15

 輸液ポンプ使用の主目的はどれか。

1. 異物の除去

2. 感染の防止

③. 輸液速度の調整

4. 薬物の効果判定

問題 16

 脂肪の合成を促進するのはどれか。

①. インスリン

2. グルカゴン

3. アドレナリン

4. テストロゲン

問題 17

 オプソニン効果を生じるのはどれか。

①. 好中球

2. 好塩基球

3. Tリンパ球

4. Bリンパ球

問題 18

 胎児で酸素飽和度最も高い血液が流れているのはどれか。

1. 門脈

2. 臍動脈

③. 臍静脈

4. 下大静脈

問題 19

 神経伝達物質でカテコールアミンはどれか。

①. ドパミン

2. セロトニン

3. γ―アミノ酪酸

4. アセチルコリン

問題 20

 内耳とともに平衡覚に関与するのはどれか。

1. 聴覚

2. 嗅覚

③. 視覚

4. 味覚

問題 21

 血中濃度が増加したときに呼吸を促進するのはどれか。

①. 水素イオン

2. 塩化物イオン

3. 重炭酸イオン

4. ナトリウムイオン

問題 22

 アンジオテシンⅡの作用はどれか。

①. 細動脈を収縮させる。

2. 毛細血管を拡張させる。

3. レニン分泌を促進する。

4. アルドステロン分泌を抑制する。

問題 23

 創傷治癒遅延と関連が低いのはどれか。

1. 貧血

2. 高血糖

③. 高尿酸血症

4. 低アルブミン血症

問題 24

 転移性脳腫瘍の患者。脳の冠状断面の模式図を示す。意識はあるが、図の矢印の方向に圧がかかり始めている。この時点で、最も起こりやすいのはどれか。


1. 頻脈

②. 呼吸異常

3. 右片麻痺

4. 血圧下降

問題 25

 呼吸困難を訴える患者で呼吸音に左右差を認める場合、可能性が高いのはどれか。

1. 肺気腫

②. 自然気胸

3. 間質性肺炎

4. 気管支喘息

問題 26

 消化管の異常とその原因の組み合わせで正しいのはどれか。

1. 麻痺性イレウス ――――――――――― 腸捻転症

2. 絞扼性イレウス ――――――――――― 胆石発作

③. 弛緩性便秘   ――――――――――― 糖尿病自律神経障害

4. 痙攣性便秘   ――――――――――― 硫酸モルヒネの内服

問題 27

 糖尿病性ケトアシドーシスで血中濃度が低下するのはどれか。

1. 尿素窒素

2. ケトン体

3. 水素イオン

④. 重炭酸イオン

問題 28

 体重増加をきたしやすいのはどれか。

1. 褐色細胞腫

2. アジソン病

3. バセドウ病

④. インスリノーマ

問題 29

 平成18年(2006年)の我が国の65歳以上の高齢者で正しいのはどれか。

1. 全入院患者の約5割である。

2. 年少人口(0~14歳)よりも少ない。

3. 全人口に占める割合は15%である。

④. 65歳以上の者のいる世帯は全世帯の約4割である。

問題 30

 平成16年度の国民医療費で正しいのはどれか。

1. 総額は約20兆円である。

2. 財源の約半分は公費で賄われる。

3. 内訳は歯科診療が薬局調剤を上回っている。

④. 前年比で国民所得の増加率を上回っている。

問題 31

 健康問題と環境要因の組み合わせで正しいのはどれか。

①. 難聴 ―――――――――――― 130dB以上の音

2. 熱中症 ――――――――――― 低湿度

3. 皮膚障害 ―――――――――― 可視光線

4. シックハウス症候群 ――――― ダニ

問題 32

 ダイオキシンで正しいのはどれか。

1. 毒性は弱い。

2. 水に溶けやすい。

3. 規制する法律はない。

④. 廃棄物の焼却で発生する。

問題 33

 平成19年4月から施行された改正保健師助産師看護師法で看護師に追加されたのはどれか。

①. 名称独占

2. 業務独占

3. 欠格事由

4. 免許取得条件

問題 34

 国際生活機能分類(ICF)の構成要素の関連図を示す。
「イ」はどれか。



1. 個人

2. 健康

3. 環境

④. 活動

問題 35

 運動障害のある患者の看護計画で教育的指導に挙げられるのはどれか。

1. 排便時にトイレへ車椅子で移送し介助する。

2. 床上訓練開始前に間接可動域を測定する。

③. 床上運動の方法を介助しながら説明する。

4. 日常生活動作の主観的な改善度を聞く。

問題 36

 左目に光を当てた時の正常な対光反射はどれか。


1. (1)

2. (2)

3. (3)

④. (4)

問題 37

 呼吸パターンを模試図にて示す。
過呼吸はどれか。


1. (1)

2. (2)

③. (3)

4. (4)

問題 38

 クリニカルパスで誤っているのはどれか。

1. 典型的な経過を示す疾患に用いられる。

2. 医療者用と患者用との両方を作成する。

③. 個々の患者の状態に応じて作成する。

4. 標準的な治療・ケア計画を示す。

問題 39

 成人のディスポーザブル120mlグリセリン浣腸で適切なのはどれか。

1. 液の温度を50℃に温める。

②. カテーテルを6cm挿入する。

3. 液を10秒かけて注入する。

4. 注入後1分待ち排便を促す。

問題 40

 仙骨部の褥瘡の写真(別冊No.2)を別に示す。
深達度(米国褥瘡諮問委員会NPUAPの分類)はどれか。


1. Ⅰ度

②. Ⅱ度

3. Ⅲ度

4. Ⅳ度

問題 41

 採血法で適切なのはどれか。

1. 刺入部位の約2cm上に駆血帯を締める。

2. 刺入部位の外側から中心に向かって消毒する。

③. 駆血帯を締めてから2分以内に採血する。

4. 採血針を抜去後に駆血帯を外す。

問題 42

 穿刺と体位の組合せで正しいのはどれか。

1. 胸腔穿刺 ―――――――― 腹臥位

②. 腹腔穿刺 ―――――――― 半坐位

3. 腰椎穿刺 ―――――――― 仰臥位

4. 骨髄穿刺 ―――――――― 砕石位

問題 43

 病棟での医薬品の管理で正しいものはどれか。

1. 生ワクチンは常温で保存する。

2. 麻薬注射液の残液は直ちに廃棄する。

3. 用時溶解の薬液は溶解後冷凍保存する。

④. 向精神薬は施錠できる場所に保管する。

問題 44

 傷病者のトリアージで適切なのはどれか。

①. トリアージ担当者はトリアージのみに専念する。

2. トリアージタッグの判定を示す区分色に印をつける。

3. 治療を最優先するのは黒色のトリアージタッグである。

4. トリアージタッグは原則として傷病者の左手に装着する。

問題 45

 都道府県ナースセンターの業務はどれか。

1. 看護師籍の登録

2. 業務従事者届の受理

③. 看護師の無料職業紹介事業

4. 医療施設への看護職員配置の指導

問題 46

 在宅看護の原則で正しいのはどれか。

1. 画一的なケアを提供する。

2. ケアは看護師が中心に行う。

3. 最終的な意思決定は家族が行う。

④. 個々のライフスタイルを尊重する。

問題 47

 介護負担感を訴える家族に対する看護師の対応で適切なのはどれか。

1. 家族に受診を勧める。

2. 患者に家族の思いをそのまま伝える。

③. 家族が負担と思う介護状況を尋ねる。

4. 主治医に家族への病状説明を依頼する。

問題 48

 95歳の女性。長女夫婦と同居中。自力で寝返りが出来ず、認知症も進み便意を訴えることが出来ない。7日前におむつに少量排便したのみで、腸音は微弱で腹部膨満がみられ、直腸内に硬い便塊を触れた。
主治医に報告後、訪問看護師が行う対応で優先されるものはどれか。

①. 摘便を行う。

2. 自然排便を待つ。

3. 下剤の服用を家族に促す。

4. 四肢の他動運動を勧める。

問題 49

 40歳以上64歳以下の在宅療養者で介護保険のサービスを利用できるのはどれか。

1. 脊髄損傷

2. クローン病

③. パーキンソン病

4. ベーチェット病

問題 50

 青年期の発達課題で最も適切なものはどれか。

1. 社会的地位の確立

②. 将来の方向性の選択

3. 経済的な基盤の確立

4. これまでの生き方の見直し

問題 51

 35歳の男性。震度6強の地震発生36時間後、がれきの下から救出され、病院に搬入された。長時間両大腿部が圧迫されていた為、下肢に知覚・運動障害を認めたが、意識は清明で呼吸と循環動態とは安定していた。入院後、両下肢が著しく腫脹し、赤褐色尿を認め、全身状態が急速に悪化した。血液検査で血清クレアチンキナーゼ(CK)値と血清カリウム値とが急激に上昇した。
最も考えられるのはどれか。

1. PTSD

2. 深部静脈血栓症

3. ネフローゼ症候群

④. 挫滅症候群(クラッシュ症候群)

問題 52

 65歳の男性。急性心筋梗塞発症後1日。
急性期リハビリテーションで優先されるのはどれか。

①. 廃用症候群の予防

2. 運動習慣の形成

3. 職業復帰の促進

4. 食習慣の確立

問題 53

 気管支鏡検査で正しいのはどれか。

1. 検査の1時間前まで飲食できる。

2. 検査中、会話出来る。

3. 検査中、義歯は装着したままで良い。

④. 検査後、2時間は絶飲食とする。

問題 54

 ペースメーカーを装着中の患者に禁忌なのはどれか。

1. CT

②. MRI

3. 超音波検査

4. 骨シンチグラフィ

問題 55

 労作性狭心症の患者に対する生活指導で適切なのはどれか。

1. 低残渣の食事をとるよう心がける。

2. ニトログリセリンを定期的に使用する。

③. 動いたら休む習慣をつけるよう心がける。

4. 入浴は42℃くらいのお湯で肩までつかる。

問題 56

 右大腿動脈からの肝動脈塞栓術施行後の対応で適切なのはどれか。

①. 右足背動脈を触診し拍動を確認する。

2. 施術後24時間は絶対安静とする。

3. 施行当日の発熱には抗菌薬が投与される。

4. 鎮痛薬は肝臓への負担があるため使用できない。

問題 57

 糖尿病末梢神経障害のため感覚障害のある患者への足病変予防で適切なのはどれか。

1. 熱めの湯をかけて洗う。

2. なるべく素足で過ごす。

③. 靴ずれしない靴を選ぶ。

4. 爪は足趾の先端よりも短く切る。

問題 58

 甲状腺機能低下症の身体所見はどれか。

①. 眼瞼浮腫

2. 眼球突出

3. 心悸亢進

4. 発汗過多

問題 59

 同種骨髄移植で正しいのはどれか。

1. 提供者とのABO式血液型の一致が条件である。

2. 手術室にて全身麻酔下で移植される。

③. 免疫抑制薬を用いる。

4. 骨髄生着後は感染の危険性がなくなる。

問題 60

 スギ花粉によるアレルギー性鼻炎患者の花粉飛散時期前後の指導で適切なのはどれか。

1. 洗濯物は屋外で完全に乾燥させる。

2. ほこりを吸わないよう掃除は控える。

3. 化学繊維素材よりも毛織物の衣類を選ぶ。

④. 花粉飛散の前から抗アレルギー点鼻薬を使用する。

問題 61

 一側の下肢切断術後の幻肢痛で正しいのはどれか。


1. 断端面に生じる。

2. 切断の反対側肢に生じる。

③. 切断し喪失した部位に生じる。

4. 断端創部の治癒と同時に消失する。

問題 62

 膀胱鏡検査で適切なのはどれか。

1. ファウラー位で行う。

2. 全身麻酔下で行う。

③. 無菌操作で行う。

4. 検査後は水分摂取を控える。

問題 63

 思春期以降に罹患すると男性不妊の原因となることがあるのはどれか。

1. 髄膜炎

2. 副鼻腔炎

3. クローン病

④. 流行性耳下腺炎

問題 64

 勃起不全治療薬の併用禁忌はどれか。

1. ビタミンB6

2. 硫酸マグネシウム

③. ニトログリセリン

4. 炭酸水素ナトリウム

問題 65

 我が国における過去50年間の老人人口の変化はどれか。

①. 老年人口の増加率は上昇傾向にある。

2. 老年人口比率の変化には出生数の低下は関連しない。

3. 老年人口増加の速度はスウェーデンよりも日本の方が遅い。

4. 75歳以上に比べ65歳以上75歳未満の人口比率の伸びが著しい。

問題 66

 免疫機能の加齢変化で正しいのはどれですか。

①. T細胞は減少する。

2. 胸腺組織は肥大する。

3. ストレス耐性は変化しない。

4. 副腎皮質刺激ホルモンは低下する。

問題 67

 高齢者が罹患したときの特徴はどれか。

1. 薬物の代謝が早まる。

2. 症状が定型的に現れる。

③. 意識障害を起こしやすい。

4. 環境の影響を受けにくい。

問題 68

 老年期の加齢に伴う聴覚の変化に対するコミュニケーションの工夫で適切なのはどれか。


1. 高い声で話しかける。

②. 子音を特にはっきり発音する。

3. 居室には反響の強い部屋を選ぶ。

4. 少し離れて大きな声で話しかける。

問題 69

 65歳の男性。2日前脳梗塞を発症し言語障害をきたした。「生年月日はいつですか」と尋ねたところ「はい、そうです。何だか分かりませんが、何にもどうにもいました。何かそういうあります」と明瞭な口調で答えた。運動神経麻痺はなく、統合失調症の既往はない。この障害はどれか。

1. 作話

2. 構音障害

3. ブローカ失語

④. ウェルニッケ失語

問題 70

 老人性皮膚瘙痒症で正しいのはどれか。

1. 夏季に増加する。

②. 胸部よりも下腿に発症しやすい。

3. かゆみは皮膚の湿潤時に増強する。

4. 植物や金属に過敏になるために生じる。

問題 71

 大腿骨頸部骨折のため人工骨頭置換術を行った。
術後の腓骨神経麻痺予防のための看護で適切なのはどれか。

1. 大腿四頭筋訓練を実施する。

2. 患側下肢を外施位に固定する。

3. 下肢を間欠的に圧迫する器具を装着する。

④. 患側下肢の母趾と第2趾間のしびれの有無を観察する。

問題 72

 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で正しいのはどれか。

1. 20名の生活単位を基本とする。

②. 家族・知人の来訪は自由である。

3. 市町村の措置によって入居する。

4. 介護保険制度における施設系サービスである。

問題 73

 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査を用いた12カ月児の発達評価で、標準よりも遅れているのはどれか。

1. 独り立ちをしない

2. 独り歩きをしない。

③. つたい歩きをしない。

4. 意味のある単語を言わない。

問題 74

 乳児が窒息を起こしやすい解剖学的特徴はどれか。

1. 鼻腔の間隙が広い。

②. 気道の直径が小さい。

3. 喉頭蓋の位置が低い。

4. 口腔内での舌の割合が小さい。

問題 75

 日本人の食事摂取基準(2005年版)で学童期の脂質エネルギー比較(%エネルギー)の目安量はどれか。

1. 15

②. 25

3. 35

4. 45

問題 76

 Aちゃん、4歳。妹のBが気管支炎のため母親が付き添って1週間入院している。自宅には母方の祖母が来て、Aの面倒を見ている。母親から「昨日保育所から、Aが友達を叩いて困ると連絡を受けました。Bはずいぶん元気になって安心していたのに」と担当看護師が相談を受けた。母親への助言で最も適切なのはどれか。

①. 母親の一時帰宅を勧める。

2. Aに保育所をしばらく休ませる。

3. 祖母にAの面倒をもっとよく見せてもらうように勧める。

4. Aの通う保育所の保育士にBの病状を話すように勧める。

問題 77

 喘息発作のため救急外来に来院した小学生。喘息が著明で、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は91%である。
 対応で適切なのはどれか。

1. 会話を促す。

②. 起坐位にする。

3. 水分摂取を促す。

4. 胸式呼吸を行わせる。

問題 78

 女性の性器クラミジア感染症で誤っているのはどれか。

①. 症状が顕在化しやすい。

2. 不妊の原因となることがある。

3. パートナーも治療が必要である。

4. 骨盤腹膜炎を発症することがある。

問題 79

 骨粗鬆症で正しいのはどれか。

1. 罹患率に男女差はない。

②. 喫煙習慣はリスク因子である。

3. アルコール摂取とは無関係である。

4. プロラクチン分泌の低下で骨形成が抑制される。

問題 80

 産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。

1. 胎盤娩出後プロゲステロンが血中に増加し乳汁分泌が始まる。

②. 初乳は成乳に比べ免疫グロプリンの濃度が高い。

3. 子宮が非妊時の大きさに戻るのは分娩後約2週である。

4. 月経の発来は授乳女性で分娩後平均8週である。

問題 81

 生後5日目の正常新生児。出生時体重3,200g。母乳のみを哺乳している。
哺乳量不足を疑う情報で重要なのはどれか。

1. 下肢に落屑がみられる。

2. 授乳間隔が2時間毎である。

3. 本日の体重が3,000gである。

④. 過去24時間の排尿回数が4回である。

問題 82

 正期産の低出生体重児に起こりやすいのはどれか。

1. 高血糖

2. 溶血性貧血

3. 新生児メレナ

④. 高ビリルビン血症

問題 83

 産褥5日目の褥婦。体温38.5℃。乳房は緊満しているが発赤はない。子宮底臍下2横指、赤色悪露中等量、下腹部痛がみられる。排尿6回/日。排尿しづらい感じがあるが残尿感はない。「体がだるく、赤ちゃんの世話が思うようにできません」という。褥婦の状況で推測されるのはどれか。

①. 産褥熱

2. 膀胱炎

3. うっ滞性乳腺炎

4. マタニティブルーズ

問題 84

 経験5年目の看護師。以前は仕事熱心で献身的にケアをしていた。仕事に忙殺される日々が続くにつれ、心身ともに疲れ果て、患者の訴えが煩わしくなり、やってもやっても報われない気持ちから仕事に行くのが嫌になっている。看護師の現在の状態はどれか。

1. リアリティショック

②. 燃え尽き症候群

3. 空の巣症候群

4. 悲嘆反応

問題 85

 患者の父親は、飲酒と暴力とで家族に苦労をかけ亡くなった。その父親に面影が似ている担当看護師に対して不自然なほど拒否的で攻撃的になっている。
 患者にみられるのはどれか。

1. 投影

2. 逆転移

3. 同一化

④. 陰性転移

問題 86

 無為自閉の患者に作業療法が開始された。患者はプログラムに参加するがその場にいるだけという日が続いた。
 対応で最も適切なのはどれか。

1. 作業への参加を患者に何度も促す。

2. 参加の必要性を再度査定する。

③. 活動できない理由を患者に聞いてみる。

4. 患者の自主性が出てくるまで待つ。

問題 87

 脳波検査が診断・治療に有用な疾患はどれか。

1. うつ病

②. てんかん

3. 統合失調症

4. パーソナリティ障害

問題 88

 60歳の女性。関節リウマチで入院中。激しい関節痛が続き、夜も眠れず、1週間前から元気がなくなり、食欲も低下してきた。「病気がつらくて・・・。耐えられない。生きていてもいいことがない。いっそいなくなってしまいたい」と言い始めた。この患者の症状はどれか。


1. 恐怖

2. 行動抑制

③. 自殺念慮

4. 被害妄想

問題 89

 髄膜炎にみられる身体所見はどれか。

1. 除脳硬直

2. テタニー

3. 企図振戦

4. 羽ばたき振戦

⑤. ケルニッヒ徴候

問題 90

 「健やか親子21」の主要課題でないものはどれか。

1. 思春期の保健対策強化

②. 子育てと仕事の両立支援

3. 子どもの心のやすらかな発達の促進

4. 妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保

5. 小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備

問題 91

 76歳の女性。夜間勤務をしている51歳の長男と2人暮らし。認知症で、妄想と尿・便失禁とがみられる。長男から「トイレまで間に合わなくて便で部屋を汚して困る。お風呂も嫌がって入らない」と主治医に相談があった。主治医が要介護認定の申請を勧め、要介護1と認定された。周1回の訪問看護が開始された。

訪問すると、部屋には尿臭がし、廊下の壁には排泄物がところどころ付着していた。女性は歩行が可能で丁寧に挨拶をしたが、その看護師に食べ物を持っていないかと聞いてきた。長男は「便で家を汚すので、あまり食べさせてない。ここ数カ月入浴もしていない」と言う。
 この段階で疑われるのはどれか。


1. 身体的虐待

2. 心理的虐待

3. 経済的虐待

④. 介護の放棄

問題 92

 76歳の女性。夜間勤務をしている51歳の長男と2人暮らし。認知症で、妄想と尿・便失禁とがみられる。長男から「トイレまで間に合わなくて便で部屋を汚して困る。お風呂も嫌がって入らない」と主治医に相談があった。主治医が要介護認定の申請を勧め、要介護1と認定された。週1回の訪問看護が開始された。

2回目に訪問すると、部屋の中から女性の「痛い。ごめんなさい」という泣き声が聞こえた。女性の顔面を見ると腫れていた。長男は「思わずたたいてしまった」と言う。
 長男への最初の対応で適切なのはどれか。

1. 「病気だから我慢しましょう」

②. 「何があったのか話してくれますか」

3. 「たたくのは虐待で犯罪になりますよ」

4. 「二度とたたかないと約束してください」

問題 93

 76歳の女性。夜間勤務をしている51歳の長男と2人暮らし。認知症で、妄想と尿・便失禁とがみられる。長男から「トイレまで間に合わなくて便で部屋を汚して困る。お風呂も嫌がって入らない」と主治医に相談があった。主治医が要介護認定の申請を勧め、要介護1と認定された。周1回の訪問看護が開始された。

しばらく安定した生活をしていたが、認知症状が悪化し日中徘徊するため、その見守りと付き添いで長男は休息をとることができなくなった。この状況で優先して活用するのはどれか。

①. 通所介護

2. 歩行器の貸与

3. 配食サービス

4. 訪問リハビリテーション

問題 94

 7歳の男児。筋ジストロフィー。誤嚥性肺炎のため入院した。両親との3人家族。
車椅子介助で特別支援学校(養護学校)に通学している。父親は早朝から深夜まで仕事のため不在が多い。介護はほぼ母親が担っている。母親は軽度の高血圧症である。

肺炎は改善し、退院後も経鼻経管栄養法によって栄養補給を行うこととなった。退院後の症状変化時の対応について母親から不安の訴えがあったため、訪問介護ステーションからの訪問看護が開始されることとなった。経鼻経管栄養法の合併症予防のため、観察する項目で優先度が低いのはどれか。


1. 発熱の有無

②. 食欲の有無

3. 肺音の異常の有無

4. 経鼻チューブの固定状況

5. チューブ挿入部の皮膚の状態

問題 95

 7歳の男児。筋ジストロフィー。誤嚥性肺炎のため入院した。両親との3人家族。
車椅子介助で特別支援学校(養護学校)に通学している。父親は早朝から深夜まで仕事のため不在が多い。介護はほぼ母親が担っている。母親は軽度の高血圧症である。

在宅での経鼻経管栄養法の家族への指導で適切なのはどれか。

1. 栄養剤は50℃前後に温めて注入する。

2. 介護者の時間がないときは注入速度を速める。

3. 日中に発汗が多い場合は夜間に水分注入する。

④. 注入を始める時刻は男児・家族の生活パターンに合わせる。

問題 96

 7歳の男児。筋ジストロフィー。誤嚥性肺炎のため入院した。両親との3人家族。
車椅子介助で特別支援学校(養護学校)に通学している。父親は早朝から深夜まで仕事のため不在が多い。介護はほぼ母親が担っている。母親は軽度の高血圧症である。

退院3か月が経ち、母親の付き添いで再び通学が可能となった。しかし、毎日介護と家事とを行っている母親に疲労がみられるようになった。訪問介護師が訪問すると「今朝自分の血圧を測ったら160/100mmHgだったが、大丈夫だろうか」と母親から相談があった。受診を勧めた上で次に行う対応で適切なのはどれか。

1. 直ちに男児の入院を手配する。

②. ホームヘルプサービスの利用を勧める。

3. 母親に厳密な塩分制限を含む食事指導を行う。

4. 特別支援学校(養護学校)をしばらく休ませるよう勧める。

問題 97

 23歳男性。突然の胸痛と呼吸困難のため受診し、自然気胸と診断された。1週間安静にして様子をみていたが改善しないため入院した。胸腔ドレーンが挿入され、水封式装置につないでドレナージが開始された。

胸腔ドレナージ施行中の看護で適切なのはどれか。

①. 水封室の連続的気泡を観察する。

2. 吸引圧調節ボトル内の水は無菌的に取り扱う。

3. 排液ボトルは1日3回交換する。

4. 移動時は排液ボトルを挿入部よりも高く保つ。

問題 98

 23歳男性。突然の胸痛と呼吸困難のため受診し、自然気胸と診断された。1週間安静にして様子をみていたが改善しないため入院した。胸腔ドレーンが挿入され、水封式装置につないでドレナージが開始された。

患者は「しばらく風呂に入っていないので気持ちが悪い」と言った。対応で適切なのはどれか。

①. 全身清拭

②. 下半身はシャワー浴で上半身は清拭

3. 全身シャワー浴

4. 入浴

問題 99

 23歳男性。突然の胸痛と呼吸困難のため受診し、自然気胸と診断された。1週間安静にして様子をみていたが改善しないため入院した。胸腔ドレーンが挿入され、水封式装置につないでドレナージが開始された。

退院後、自然気胸の再発を繰り返したため、胸腔鏡下で手術を行うこととなった。この説明で適切なのはどれか。

①. 「手術による創は小さくてすみます」

2. 「今回は胸腔ドレーンは入れません」

3. 「翌朝までは人工呼吸器を装着して管理します」

4. 「手術後も再発する可能性が高いので注意が必要です」

問題 100

 34歳の男性。独身。身長178cm、体重70kg。仕事で疲労が重なり、性器ヘルペスが発症したため受診し、本人の希望でHIV検査を行った結果、HIV抗体陽性であり、1週間後にHIV血漿ウイルス量等の結果が出るので再受診するように説明された。性器ヘルペスには抗ウイルス薬が処方された。

1週間後の受診で、性器ヘルペス症状は改善していた。しかし、ほとんど食事がとれず体重は3kg減少し、不眠のため全身倦怠感が強く、気力がわかず、仕事は休んでいた。日和見感染性の発症は認められなかった。これらの症状から考えられるのはどれか。

1. 摂食障害

②. うつ状態

3. AIDS脳症

4. ヘルペス性髄膜脳炎

問題 101

 34歳の男性。独身。身長178cm、体重70kg。仕事で疲労が重なり、性器ヘルペスが発症したため受診し、本人の希望でHIV検査を行った結果、HIV抗体陽性であり、1週間後にHIV血漿ウイルス量等の結果が出るので再受診するように説明された。性器ヘルペスには抗ウイルス薬が処方された。

その後、全身倦怠感が改善し、多剤抗HIV薬の1日2回の内服が検討された。「仕事が不規則で1日2回、薬を飲めるか心配です」と看護師に話した。対応で適切なのはどれか。

1. 「つらいときは内服を休んでも良いです」

2. 「飲み忘れたときは翌日に3回内服しましょう」

3. 「時間を気にせず1日2回内服できれば良いでしょう」

④. 「確実に12時間おきに内服できる時間を考えましょう」

5. 「まず内服を開始してみて良い方法を考えてみましょう」

問題 102

 34歳の男性。独身。身長178cm、体重70kg。仕事で疲労が重なり、性器ヘルペスが発症したため受診し、本人の希望でHIV検査を行った結果、HIV抗体陽性であり、1週間後にHIV血漿ウイルス量等の結果が出るので再受診するように説明された。性器ヘルペスには抗ウイルス薬が処方された。

1年が経過し、多剤抗HIV薬の内服も順調で健康状態は良い。交際中のパートナーと結婚を考えていると看護師に相談があった。パートナーには患者からHIV陽性である事実は話しており、パートナーにHIVやその他の性感染症は認められない。パートナーの二次感染予防法について患者への説明で正しいのはどれか。

1. 「性交渉はできません」

②. 「性交渉のときはコンドームを正しく装着してください」

3. 「パートナーに予防的に抗HIV薬を内服してもらいましょう」

4. 「あなたのウイルス量が減ればパートナーへの感染の危険性はなくなります」

問題 103

 48歳の男性。職場の健康診断で大腸癌が疑われ来院した。検査の結果、下部直腸に腫瘍があり、低位前方切除術が施行された。術前に自覚症状はなく、入院や手術は初めての経験であった。

術後順調に経過し翌日には離床が可能となった。歩行練習を促したが、患者は創部の傷みを訴え拒否している。術後の痛みに対しては、硬膜外チューブから持続的に鎮痛薬が投与されている。対応で適切なのはどれか。

1. 痛みがある間は歩行できないと説明する。

2. 歩行練習を1日延期することを提案する。

3. 痛みを気にしないで歩くように説明する。

④. 鎮痛薬を追加使用して歩行を促す。

問題 104

 48歳の男性。職場の健康診断で大腸癌が疑われ来院した。検査の結果、下部直腸に腫瘍があり、低位前方切除術が施行された。術前に自覚症状はなく、入院や手術は初めての経験であった。

腹腔内に留置している閉鎖式ドレーンから褐色で悪臭のある排液が認められた。考えられる状態はどれか。

1. 腸炎

2. 腸閉塞

③. 縫合不全

4. 術後出血

問題 105

 48歳の男性。職場の健康診断で大腸癌が疑われ来院した。検査の結果、下部直腸に腫瘍があり、低位前方切除術が施行された。術前に自覚症状はなく、入院や手術は初めての経験であった。

その後状態は安定し退院が予定された。説明内容で適切なのはどれか。

1. 便秘は浣腸で対処する。

2. 退院後1年は低残渣食とする。

③. 腹部膨満が持続する場合は受診する。

4. 排便回数は術後1、2か月で落ち着く。

問題 106

 85歳の女性。6年前にアルツハイマー型痴呆症と診断され、自宅で生活していた。呼吸疾患の既往はない。4日前から発熱し、肺炎と診断され入院した。

入院時の所見で最も可能性が高いのはどれか。

1. 顔面に著明な浮腫

②. 粗い断続性副雑音(水泡音)

3. 高調整連続性副雑音(笛様音)

4. 胸郭の前後径と左右径とがほぼ等しい。

問題 107

 85歳の女性。6年前にアルツハイマー型痴呆症と診断され、自宅で生活していた。呼吸疾患の既往はない。4日前から発熱し、肺炎と診断され入院した。

入院後抗菌薬の点滴静脈内注射によって速やかに解熱した。その後、行動範囲も拡大したが、廊下で失禁していることが数回あった。トイレまで誘導すればスムーズに排尿があり尿量は確保されている。尿失禁のタイプで最も考えられるのはどれか。

1. 腹圧性尿失禁

2. 切迫性尿失禁

3. 溢流性尿失禁

④. 機能性尿失禁

問題 108

 85歳の女性。6年前にアルツハイマー型痴呆症と診断され、自宅で生活していた。呼吸疾患の既往はない。4日前から発熱し、肺炎と診断され入院した。

入院10日。夕方、患者はエレベーターの前に立っているところを発見された。どこに行きたいか尋ねると「帰らせていただきます。お世話になりました」という返事があった。対応で最も適切なのはどれか。

1. 「ベッドに戻りましょう」と説得する。

2. 「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。

③. 「しばらく散歩しましょう」と一緒に周囲を歩く。

4. 「肺炎のため入院中でまだ帰宅できません」と説明する。

問題 109

 11歳の男児・両親との3人家族。マラソン大会の2週間後から倦怠感と膝関節の痛みとを訴え来院した。血液検査の結果、白血球200,000/μl、Hb5.0g/dl、血小板3万/μlで、精査を目的として緊急入院した。

検査の結果、急性リンパ性白血病と診断された。入院後の児への説明で適切なのはどれか。

①. 便の観察のため排泄物を看護師に見せる。

2. プライバシー保護のため入浴は1人で行う。

3. 体力をつけるため好きなものは何を食べてもよい。

4. 入院生活に早く慣れるため病院内はどこに行ってもよい。

問題 110

 11歳の男児・両親との3人家族。マラソン大会の2週間後から倦怠感と膝関節の痛みとを訴え来院した。血液検査の結果、白血球200,000/μl、Hb5.0g/dl、血小板3万/μlで、精査を目的として緊急入院した。

児は膝関節の痛みを常に訴えている。膝関節の腫脹と発赤とは認められない。膝関節の痛みの原因で最も考えられるのはどれか。

1. 成長痛

2. 筋肉痛

3. 膝関節の炎症

④. 白血病細胞の増殖による骨の痛み

問題 111

  11歳の男児・両親との3人家族。マラソン大会の2週間後から倦怠感と膝関節の痛みとを訴え来院した。血液検査の結果、白血球200,000/μl、Hb5.0g/dl、血小板3万/μlで、精査を目的として緊急入院した。

入院予定期間が1年となることから、特別支援学校(養護学校)に転校し院内学級で授業を受けることとなった。寛解導入療法によって寛解に入り、順調に治療が行われていた。抗癌薬の髄腔内注射を行った30分後、授業開始の時間となった。嘔気と嘔吐とはなく、バイタルサインも安定している。児は授業を受けることを希望している。
 授業を受ける方法で適切なのはどれか。

1. 院内学級へ歩いて行く。

2. 院内学級へ車椅子で移動する。

3. ベッドに座って受ける。

④. ベッドに臥床したまま受ける。

問題 112

 4歳の男児。3、4日前から活気がなく、眼瞼と下腿の浮腫に母親が気付き来院した。血液検査の結果、総蛋白3.7g/dl、アルブミン2.1g/dl、総コレステロール365mg/dl、尿蛋白3.5g/日で、ネフローゼ症候群と診断され入院した。入院時、体重18.0kg。尿量300ml/日、尿素窒素12mg/dl。

入院時の食事で制限するのはどれか。

①. 塩分

2. 糖質

3. 脂質

4. 蛋白質

問題 113

 4歳の男児。3、4日前から活気がなく、眼瞼と下腿の浮腫に母親が気付き来院した。血液検査の結果、総蛋白3.7g/dl、アルブミン2.1g/dl、総コレステロール365mg/dl、尿蛋白3.5g/日で、ネフローゼ症候群と診断され入院した。入院時、体重18.0kg。尿量300ml/日、尿素窒素12mg/dl。

入院6時間が経過した。排尿がみられないため下腹部超音波検査を実施したところ、膀胱内に尿はほとんど認められない。この時点で注意すべき微候はどれか。

1. 除脈

②. 不穏状態

3. 顔面紅潮

4. 血圧上昇

問題 114

 4歳の男児。3、4日前から活気がなく、眼瞼と下腿の浮腫に母親が気付き来院した。血液検査の結果、総蛋白3.7g/dl、アルブミン2.1g/dl、総コレステロール365mg/dl、尿蛋白3.5g/日で、ネフローゼ症候群と診断され入院した。入院時、体重18.0kg。尿量300ml/日、尿素窒素12mg/dl。

男児は尿蛋白(-)となり、その後の経過は順調でプレドニゾロン15mg/日の退院時処方を受け、退院することとなった。退院に向けた説明で適切なのはどれか。

1. 内服中は再発しない。

②. 人ごみには行かない

3. 運動をしてはいけない。

4. 予防接種の制限はない。

問題 115

 在胎40週5日で出産した新生児。出生時体重2,900g。アプガースコア1分後9点、5分後10点であった。分娩所要時間12時間30分、分娩時出血量は280g。母親は母乳育児を希望している。

母親の希望で、出生直後に新生児を母親の胸に直接抱かせた。
このときの新生児への効果でないのはどれか。

①. 啼泣を増強させる。

2. 体温低下を防止する。

3. 母子の絆形成を促進する。

4. 母親由来の正常細菌叢の定着を促進する。

問題 116

 在胎40週5日で出産した新生児。出生時体重2,900g。アプガースコア1分後9点、5分後10点であった。分娩所要時間12時間30分、分娩時出血量は280g。母親は母乳育児を希望している。

出生後から母子同室となり、生後6時間から授乳を開始した。哺乳後、臥床させると淡黄色の水様性のものを少量嘔吐した。
新生児への処置で適切なのはどれか。

1. 腹臥位にする。

②. 排気を十分行う。

3. 糖水を追加する。

4. 人工乳を追加する。

問題 117

 在胎40週5日で出産した新生児。出生時体重2,900g。アプガースコア1分後9点、5分後10点であった。分娩所要時間12時間30分、分娩時出血量は280g。母親は母乳育児を希望している。

生後5日。体重2,850g。体温37.2℃、呼吸数38/分、心拍数126/分。皮膚はやや黄色を呈し、総ビリルビン15mg/dl。哺乳力は良好である。
 対応で適切なのはどれか。

1. 光線療法を行う。

2. 母子異室にする。

③. 母乳哺育を継続する。

4. バイタルサインの観察回数を増やす。

問題 118

 39歳の男性。統合失調症。発症から20年が経過している。単身生活をしているが、以前から言語化が苦手で対人関係に疲れ、不安焦燥感が強くなると過飲食となり、生活に困難をきたすほど飲食代がかさみ入退院を繰り返す傾向があった。今回も同様の状態となったため患者本人の希望で開放病棟に入院した。

入院後、昼夜に限らず不安に対する訴えが多い。なぜ不安なのかと聞いても「不安なんです」と言って、たびたび頓用の抗不安薬を希望し服用している。患者の表情や口調からは不安な感じは受けない。勤務している複数のスタッフに同じ訴えを繰り返している。
 対応で最も適切なのはどれか。

1. 積極的に頓用薬の服用を促す。

②. 不安の背景について患者と話し合う。

3. 何が不安なのか言語化するように求める。

4. 過剰な関わりを求めていると判断して関わらない。

問題 119

 39歳の男性。統合失調症。発症から20年が経過している。単身生活をしているが、以前から言語化が苦手で対人関係に疲れ、不安焦燥感が強くなると過飲食となり、生活に困難をきたすほど飲食代がかさみ入退院を繰り返す傾向があった。今回も同様の状態となったため患者本人の希望で開放病棟に入院した。

患者は、絶えずコップを持って洗面所にいることが多い。また、自動販売機の前で清涼飲料水を飲んでいるのも観察され飲水過多傾向にあると思われた。
 対応で優先されるのはどれか。

1. 飲水をやめるように促す。

2. 身体症状があれば経過を観察する。

③. 起床時と就寝時との尿比重を計測する。

4. 本人の飲水用コップをナースステーションで管理する。

問題 120

 39歳の男性。統合失調症。発症から20年が経過している。単身生活をしているが、以前から言語化が苦手で対人関係に疲れ、不安焦燥感が強くなると過飲食となり、生活に困難をきたすほど飲食代がかさみ入退院を繰り返す傾向があった。今回も同様の状態となったため患者本人の希望で開放病棟に入院した。

入院後2週が経過した。不安は軽減しないが夜間は良く眠れている。身体的な訴えもない。入院時身長165cm、体重80kgであったが、今朝の排泄後の体重は85kgであった。
 体重増加の原因はどれか。

1. 活動性低下

2. 慢性的な便秘

3. うっ血性心不全

④. 常同的な過飲食

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