Friday, June 8, 2012

第97回 看護師国家試験 過去問題(午後)




問題 1

 エリスロポエチンの生産が高まるのはどれか。

1.  血圧の低下

2. 血糖値の低下

3. 腎機能の低下

④. 動脈血酸素分圧の低下

問題 2

 皮膚・粘膜と防御機構の組合わせで正しいのはどれか。

1. 皮膚表面 ――――――――― アルカリ性の皮脂

②. 気道 ――――――――――― 線毛上皮細胞

3. 腸管内 ―――――――――― デーデルライン桿菌

4. 尿路 ――――――――――― リゾチーム

問題 3

 ウイルス感染後の長期の獲得免疫に関わるのはどれか。

1.  好中球

2.  好酸球

3. 肥満細胞

④. メモリー(記憶)T細胞

問題 4

 正常心拍の歩調とり(ペースメーカー)はどれか。

1. ヒス束

2. 房室結節

③. 洞房結節

4. プルキンエ繊維

問題 5

 動脈で正しいのはどれか。

1. 骨格筋の収縮は動脈の血流を助けている。

②. 内膜・中膜および外膜のうち中膜が最も厚い。

3. 逆流を防ぐ弁が備わっている。

4. 大動脈は弾性線維が乏しい。

問題 6

 脊髄で正しいのはどれか。

1. 小脳に連なる。

②. 脊柱管内にある。

3. 2層の膜で保護される。

4. 第10胸椎の高さで終わる。

問題 7

 末梢神経とその作用の組合わせで正しいのはどれか。

1. 橈骨神経 ―――――――― 母指の屈曲

2. 尺骨神経 ―――――――― 手関節の背屈

3. 坐骨神経 ―――――――― 大腿の伸展

④. 腓骨神経 ―――――――― 足の背屈

問題 8

 近くの物を見るときの反応で正しいのはどれか。

1. 両眼球の外転

②.  瞳孔の収縮

3. 水晶体の厚さの減少

4. 眼圧の上昇

問題 9

 抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を抑制するのはどれか。

1.  血圧低下

2. 循環血漿量減少

③. 血漿浸透圧低下

4. 血中カルシウム値低下

問題 10

 副腎髄質ホルモンの作用で正しいのはどれか。

1. 抗炎症作用がある。

②.  気管支を拡張する。

3.  血糖値を低下させる。

4.  血中カリウム値を低下させる。

問題 11

 呼吸で正しいのはどれか。

①. 横隔膜は吸気時に収縮する。

2. 睡眠時の呼吸は随意運動である。

3.  最大呼気時の機能的残気量は0になる。

4.  動脈血酸素分圧は肺胞内酸素分圧に等しい。

問題 12

 咀嚼で正しいのはどれか。

①.  唾液にはムチンが含まれる。

2. 咀嚼筋の不随意的収縮で行われる。

3.  舌の運動は三叉神経によって支配される。

4. 顎関節を形成するのは下顎関節と頬骨である。

問題 13

 排便のメカニズムで正しいのはどれか。

1. 横隔膜の挙上

2. 直腸内圧の低下

③.  内肛門括約筋の弛緩

4. 外肛門括約筋の収縮

問題 14

 精子形成を促進するのはどれか。

1. プロラクチン

2. プロゲステロン

③. 卵胞刺激ホルモン

4. ヒト絨毛性ゴナドトロピン

問題 15

 平成17年(2005年)国民生活基礎調査における高齢者世帯の所得構造で最も多いのはどれか。

1. 財産所得

2. 稼働所得

③.  公的年金・恩給

4.  仕送り・個人年金

問題 16

 後期高齢者で正しいのはどれか。

1. 外来受療率は前期高齢者よりも低い。

2. 高齢者のうち80歳以上をいう。

3.  通院者の傷病で最も多いのは骨粗鬆症である。

④.  老年人口に占める割合は前期高齢者よりも少ない。

問題 17

 高齢者の身体機能の変化で正しいのはどれか。

1. 視力低下によって触覚が敏感になりやすい。

②.  筋肉量の低下によって脱水症を起こしやすい。

3.  大腸の吸収能力の低下によって下痢を起こしやすい。

4. 聴覚中枢の機能低下によって伝音性難聴を起こしやすい。

問題 18

 老年期の精神機能で低下しやすいのはどれか。

1. 理解力

2. 判断力

3.  洞察力

④.  記銘力

問題 19

 高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。

1. 症状が定期的に出現する。

②.  薬物副作用が発生しやすい。

3. 慢性化すると急激な変化は起こりにくい。

4. 環境の変化があっても症状の変化は起こりにくい。

問題 20

 高齢者が受ける家庭内虐待で正しいのはどれか。

1. 虐待が顕在化しやすい。

②. 被虐待者には認知症高齢者が多い。

3.  介護者による介護拒否は虐待に含まれない。

4. 虐待する家族の7割が経済的に困窮している。

問題 21

 76歳の男性。検査入院したが不眠のため睡眠薬の内服を開始した。
最も注意すべき状態はどれか。


1.  口渇

2. 排尿困難

3. 食欲不振

④.  転倒・転落

問題 22

 70歳の女性。歩行時に膝関節の疼痛と熱感とが出現したため受診し、膝関節症と診断された。
疼痛緩和に対する外来看護師の指導で適切なのはどれか。


1. 「膝に温湿布をしましょう」

2.  「積極的に膝を動かしましょう」

③.  「痛みを我慢しないで早めに薬を飲みましょう」

4.  「痛みがとれるまで横になっていましょう」

問題 23

 72歳の女性。数日前から猛暑日が続き、蒸し暑い部屋で1日中扇風機をかけて過ごしていた。活気がなくなり、倦怠感が強く食欲が低下、会話も少なくなってきた。
最も考えられるのはどれか。


①.  脱水

2.  虫垂炎

3.  転換性障害

4.  頭蓋内圧亢進

問題 24

 高齢者の便失禁の原因で正しいのはどれか。

1.  排便反射の低下

2.  唾液分泌量の低下

3. 腸蠕動運動の低下

④. 肛門括約筋の収縮力低下

問題 25

 長期臥床していた高齢者が端坐位訓練を病棟で開始することになった。
初回の訓練の説明で適切なのはどれか。


1.  「ベッドに浅く腰かけてください」

2.  「顎を上げて座ってください」

③.  「両足の裏をしっかり床につけてください」

4.  「30分は座っていてください」

問題 26

 腹痛を訴えて入院した認知症高齢者。消灯後に自分の荷物を持ってナースステーションに来た。看護師に「出口はどこ」と聞いてくる。
対応で適切なのはどれか。


1.  「ここは病院ですよ」

2. 「部屋に戻って寝ましょう」

3. 「今日はここに泊るのですよ」

④.  「行きたいところがあるのですね」

問題 27

 家族と同居し日常生活は自立している高齢者への服薬指導で適切なのはどれか。

①. 「他の病院からお薬をもらう時は医師に相談しましょう」

2.  「お薬を飲む方法と時間の管理は家族に任せましょう」

3. 「お薬は大切なので引き出しの奥にしまっておきましょう」

4. 「お薬を飲んだかどうかわからない時は気付いた時に飲みましょう」

問題 28

 日常生活動作が自立している後期高齢者への入院当日の対応で最も適切なのはどれか。

①.  病棟内をともに歩き場所の確認をする。

2. 活動は必要最小限とし行動を制限する。

3.  寝衣や着替えは看護師が整理し収納する。

4.  預金通帳は患者と看護師で確認し病棟で預かる。

問題 29

 介護老人保健施設で正しいのはどれか。

1. 施設を終生利用する者を入所対象者とする。

2. 介護職員よりも看護職員の配置人数の割合が高い。

3.  理学療法士や作業療法士の配置は義務付けられていない。

④.  生活援助とリハビリテーションを中心に行う。

問題 30

 在宅療養中の高齢者支援として専門職チームが活躍する時に最も重要なのはどれか。

1. 近隣住民への活動状況の情報提供

②. 職種間での目標の統一

3. 各職種の独自の行動

4. 年1回の活動評価

問題 31

 74歳の男性。70歳の妻と2人暮らし。1か月前に脳梗塞を発症し入院した。右不全麻痺があるが病状が安定したため3日前に在宅療養となった。療養者は麻痺が受け入れられず、1人で食事を摂取する意欲が乏しく、退院後の食事はベッド上で坐位になり妻の介助で軟らかい物を経口摂取している。初回訪問時に妻から「食事に時間がかかって困ります」と訪問看護師に相談があった。食事の様子を観察すると、麻痺側の口腔内の食べ物は残りがちで、お茶はスプーンで摂取しているがむせることがある。

妻への食事介助の指導で適切なのはどれか。



1. 食物は細かく刻む。

②. 液体はとろみをつける。

3.  香辛料を用いる。

4.  一口量は多くする。

問題 32

 74歳の男性。70歳の妻と2人暮らし。1か月前に脳梗塞を発症し入院した。右不全麻痺があるが病状が安定したため3日前に在宅療養となった。療養者は麻痺が受け入れられず、1人で食事を摂取する意欲が乏しく、退院後の食事はベッド上で坐位になり妻の介助で軟らかい物を経口摂取している。初回訪問時に妻から「食事に時間がかかって困ります」と訪問看護師に相談があった。食事の様子を観察すると、麻痺側の口腔内の食べ物は残りがちで、お茶はスプーンで摂取しているがむせることがある。

嚥下障害の悪化を予防するために嚥下訓練を勧めた。
妻への指導で最も適切なのはどれか。


①.  食前にアイスマッサージをする。

2. 食事時の体位は頸部を後屈する。

3.  食後に肩の運動を促す。

4.  食後に深呼吸を促す。

問題 33

 74歳の男性。70歳の妻と2人暮らし。1か月前に脳梗塞を発症し入院した。右不全麻痺があるが病状が安定したため3日前に在宅療養となった。療養者は麻痺が受け入れられず、1人で食事を摂取する意欲が乏しく、退院後の食事はベッド上で坐位になり妻の介助で軟らかい物を経口摂取している。初回訪問時に妻から「食事に時間がかかって困ります」と訪問看護師に相談があった。食事の様子を観察すると、麻痺側の口腔内の食べ物は残りがちで、お茶はスプーンで摂取しているがむせることがある。

嚥下訓練を継続したことでむせることがなくなり、1人で食事を摂取することに意欲がみられ始めた。療養者は右利きであり「右手で自分で食べたい」と言う。妻も「少しでも自分で食事ができるようにしたい」と言う。
指導で適切なのはどれか。


1. 従来使用していた箸を使う。

②.  スプーンの握りを太くする。

3.  体の左側を枕などで固定する。

4. オーバーベッドテーブルの高さは胸の位置にする。

問題 34

 3歳の男児。脳性麻痺で四肢と体幹の著しい運動障害があり身体障害者障害程度1級の認定を受けている。姿勢保持および移動・移乗は全介助である。食事は母親が介助し経口摂取しているが、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している。今回は経鼻からの経管栄養法となり昨日退院した。父親は海外に単身赴任しており介護は母親に任されている。週1回の訪問看護サービスを利用している。

訪問看護師が実施する母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。



1. 粘稠度の低い栄養剤の選択

②. 注入時の体位の保持

3. 無菌的な注入操作

4. 注入前の排便

問題 35

 3歳の男児。脳性麻痺で四肢と体幹の著しい運動障害があり身体障害者障害程度1級の認定を受けている。姿勢保持および移動・移乗は全介助である。食事は母親が介助し経口摂取しているが、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している。今回は経鼻からの経管栄養法となり昨日退院した。父親は海外に単身赴任しており介護は母親に任されている。週1回の訪問看護サービスを利用している。

肺炎予防のための援助で最も適切なのはどれか。


1. 含嗽の練習

2.  腹部の熱布清拭

3.  上肢の他動運動

④.  歯のブラッシング

問題 36

 3歳の男児。脳性麻痺で四肢と体幹の著しい運動障害があり身体障害者障害程度1級の認定を受けている。姿勢保持および移動・移乗は全介助である。食事は母親が介助し経口摂取しているが、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している。今回は経鼻からの経管栄養法となり昨日退院した。父親は海外に単身赴任しており介護は母親に任されている。週1回の訪問看護サービスを利用している。

母親は「最近腰痛がひどくなり、歩くのがつらくなりました」と訪問看護師に相談した。母親への援助で最も優先するのはどれか

1.  児の入所施設を探す。

2. 父親の帰国を勧める。

③.  訪問介護の導入を提案する。

4.  児童相談所への相談を勧める。

問題 37

 80歳の男性。身長165㎝、体重58㎏。要介護2で在宅療養中である。介護者は72歳の妻。療養者はベッド上坐位で食事を8割摂取している。お茶は好んで良く飲んでいる。排泄時は妻の介助でトイレまで歩行している。トイレ以外はほとんどベッドの頭側挙上45度でテレビを見て過ごしている。妻とのコミュニケーションは良好である。介護保険サービスは週1回の通所リハビリテーションを利用している。仙骨部に褥瘡ができ訪問看護が開始された。

仙骨部の褥瘡の要因として最も考えられるのはどれか。


①.  摩擦とずれ

2. 皮膚の湿潤

3. 栄養の不足

4. 知覚の低下

問題 38

 80歳の男性。身長165㎝、体重58㎏。要介護2で在宅療養中である。介護者は72歳の妻。療養者はベッド上坐位で食事を8割摂取している。お茶は好んで良く飲んでいる。排泄時は妻の介助でトイレまで歩行している。トイレ以外はほとんどベッドの頭側挙上45度でテレビを見て過ごしている。妻とのコミュニケーションは良好である。介護保険サービスは週1回の通所リハビリテーションを利用している。仙骨部に褥瘡ができ訪問看護が開始された。

療養者に尿失禁がみられたため紙おむつを使用するようになった。排便時は自室の隣にあるトイレまで妻の介助でゆっくり歩行している。
褥瘡を悪化させないための家族への指導で最も優先するのはどれか。


1.  お茶を飲む量を控える。

2. おむつカバーを使用する。

3.  シーツにバスタオルを敷く。

④. おむつ交換時に清拭する。

問題 39

 80歳の男性。身長165㎝、体重58㎏。要介護2で在宅療養中である。介護者は72歳の妻。療養者はベッド上坐位で食事を8割摂取している。お茶は好んで良く飲んでいる。排泄時は妻の介助でトイレまで歩行している。トイレ以外はほとんどベッドの頭側挙上45度でテレビを見て過ごしている。妻とのコミュニケーションは良好である。介護保険サービスは週1回の通所リハビリテーションを利用している。仙骨部に褥瘡ができ訪問看護が開始された。

2か月後、仙骨部の状態は軽快した。妻は1人で熱心に介護しており、訪問看護師に「またおしりが赤くならないか心配です。夜も気になって3度は起きているので昼間に眠くなります」と疲れた様子で話す。訪問看護師は妻の話を聞き介護をねぎらう言葉かけを行ったが、介護支援専門員(ケアマネジャー)と連携し調整する必要性を感じた。
調整内容で最も適切なのはどれか。


①.  通所リハビリテーションの利用回数を増やす。

2. 介護老人福祉施設への入所を勧める。

3.  配食サービスを利用する。

4. 妻に受診を勧める。

問題 40

 55歳の男性。会社員。自家用車で通勤し、仕事ではパーソナルコンピュータを常時使用している。突然、左眼の視野欠損を生じ、眼科を受診した。診察の結果、左眼裂孔原性網膜剥離のため手術が必要であり、3日後に入院するよう説明された。

入院までの生活指導で適切なのはどれか。


1. 車の運転は問題ない。

②.  転倒しないよう階段はゆっくり昇降する。

3. 仕事は通常どおり行ってよい。

4. 右側は見えにくいので注意する。

問題 41

 55歳の男性。会社員。自家用車で通勤し、仕事ではパーソナルコンピュータを常時使用している。突然、左眼の視野欠損を生じ、眼科を受診した。診察の結果、左眼裂孔原性網膜剥離のため手術が必要であり、3日後に入院するよう説明された。

予定どおり入院し、翌日に手術が行われた。手術後は患部の安静のため、うつむき体位がとられた。患者は「頸部に痛みがあり、どうしたらよいか」と苦痛を訴えた。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 鎮痛薬を使用する。

2. 2時間ごとに体位を交換する。

3.  頸部をネックカラーで固定する。

④. 安楽枕で腰部と頸部の負担を軽減する。

問題 42

 55歳の男性。会社員。自家用車で通勤し、仕事ではパーソナルコンピュータを常時使用している。突然、左眼の視野欠損を生じ、眼科を受診した。診察の結果、左眼裂孔原性網膜剥離のため手術が必要であり、3日後に入院するよう説明された。

手術後10日に軽快退院することになった。


1. 「再発の危険はありません」

2.  「夜はうつぶせで休みましょう」

3.  「日中はサングラスが必要です」

④.  「眼帯を装着する必要はありません」

問題 43

 45歳の女性。2か月前から咳嗽と喀痰とが出現した。最近、倦怠感も強くなったため受診した。胸部エックス線写真で左肺上葉に異常陰影を認め、精査と治療とを目的に入院した。

経気管支肺生検(TBLB)が予定された。
肺生検前の説明で適切なのはどれか。


1.  「検査前日の夜9時以降は飲水できません」

2.  「気管支鏡を入れるときには息を止めてください」

③.  「苦しいときは手を挙げて合図してください」

4.  「検査後には積極的に咳をして痰を出してください」

問題 44

 45歳の女性。2か月前から咳嗽と喀痰とが出現した。最近、倦怠感も強くなったため受診した。胸部エックス線写真で左肺上葉に異常陰影を認め、精査と治療とを目的に入院した。

検査の結果、左肺上葉の腺癌と診断され、開胸左肺上葉切除術が予定された。術前肺機能検査結果は%肺活量70%、1秒率85%であった。
手術前の呼吸練習で適切なのはどれか。


1.  短速呼吸

2. 胸式呼吸

3.  口すぼめ呼吸

④.  間欠的陽圧呼吸(IPPB)

問題 45

 45歳の女性。2か月前から咳嗽と喀痰とが出現した。最近、倦怠感も強くなったため受診した。胸部エックス線写真で左肺上葉に異常陰影を認め、精査と治療とを目的に入院した。

左肺上葉切除術後2日目、右肺下葉で呼吸音が聴取されない。体温37.4℃。呼吸は浅表性で25/分、血圧164/96mmHg。鼻カニューレで3ℓ/分の酸素吸入を行い、経皮的動脈血酸素飽和度86%。胸腔ドレーンは-10㎝H2Oで低圧持続吸引している。痰がからんでいるため喀出を促したが「痛くてそれどころではない」と顔をしかめた。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 酸素投与量を増やす。

2.  去痰薬の吸入を行う。

③.  気管支鏡による気管内吸引の準備をする。

4.  胸腔ドレーン吸引圧を上げる。

問題 46

 63歳の男性。妻と2人暮らし。肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなく積極的な治療を受けていなかった。最近、倦怠感があり受診したところ肝機能データが悪化しており、腹腔鏡検査と肝生検のため入院することになった。慢性心房細動のためにβ遮断薬、血栓予防のために低用量アスピリンを内服している。

腹腔鏡検査についての説明で正しいのはどれか。


①. アスピリンの内服を中止する。

2. 検査当日の朝は流動食を摂取する。

3. 気管挿管し全身麻酔下で行う。

4. 穿刺針から生理食塩水を注入して腹部を膨らませる。

問題 47

 63歳の男性。妻と2人暮らし。肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなく積極的な治療を受けていなかった。最近、倦怠感があり受診したところ肝機能データが悪化しており、腹腔鏡検査と肝生検のため入院することになった。慢性心房細動のためにβ遮断薬、血栓予防のために低用量アスピリンを内服している。

精査の結果、肝硬変と食道静脈瘤が認められ、内視鏡的硬化塞栓療法が必要となった。医師から説明を受けた患者は「病気が悪くなっているようだ。これから必要な治療についてたくさん話されてもついていけない。何のためにこの治療が必要なのかもう一度教えて下さい」と看護師に尋ねた。
内視鏡的硬化塞栓療法の目的で正しいのはどれか。


1. 腹水貯留の予防

2. 食道狭窄部の拡張

③.  食道静脈瘤の出血予防

4.  肝硬変部への薬剤の注入

問題 48

 63歳の男性。妻と2人暮らし。肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなく積極的な治療を受けていなかった。最近、倦怠感があり受診したところ肝機能データが悪化しており、腹腔鏡検査と肝生検のため入院することになった。慢性心房細動のためにβ遮断薬、血栓予防のために低用量アスピリンを内服している。

内視鏡的硬化塞栓療法が実施されて帰室した。悪心と前胸部痛はなくバイタルサインは安定している。
帰室後24時間の対応で適切なのはどれか。


①. 終了直後から粘膜保護薬を内服する。

2.  安静度の制限はない。

3.  経鼻胃管から処置部に抗菌薬を注入する。

4.  翌朝から常食を開始する。

問題 49

 34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。

経皮的腎生検を行うことになった。
説明で適切なのはどれか。


1. 「左右交互に横向きになって両方の腎臓に針を刺します」

2. 「針を刺すときは深呼吸を繰り返して下さい」

3. 「検査2時間後に止血が確認できたら歩いてかまいません」

④. 「検査後2週間は重い物を運ぶ仕事は控えて下さい」

問題 50

 34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。

検査の結果、IgA腎症と診断された昼間だけの勤務に変更した。塩分1日7g以下の食事制限と3か月ごとの定期受診が指示された。塩辛いものが好物で外食の多い患者は「塩気がなくて食べた気がしない」と減塩食に物足りなさを感じている。
対応で適切なのはどれか。


①. 「酸味や香味を利用するとよいでしょう」

2. 「各食事で均等に食塩を摂取しましょう」

3. 「市販のレトルト食品は塩分が少ないので活用するとよいです」

4. 「料理は人肌程度の温度にすると塩味をよく感じることができます」

問題 51

 34歳の男性。運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90mmHg、尿蛋白(2+)、尿潜血(2+)を指摘されたが放置していた。1週前、風邪症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgAが高値のため精査が必要となり入院した。

仕事が忙しくなり、退院後は一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫が出現し、昨日から眠気と嘔気および嘔吐とがあり外来を受診した。体温36.5℃。脈拍数98/分。血圧238/112mmHg。血液検査で尿素窒素100mg/dl、クレアニチン12.0mg/dl、Hb7.1g/dl。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。
直ちに行われるのはどれか。


1. 輸血

②.  血液透析

3.  利尿薬の内服

4. 胸腔ドレナージ

問題 52

 58歳の男性。会社役員。妻と子どもとの3人暮らし。出勤途中の電車内で意識消失し、けいれん発作を起こして搬送された。検査の結果、脳腫瘍の疑いで入院した。

入院後、頭痛と嘔吐があり、頭蓋内圧亢進症状が認められた。
起こりやすいのはどれか。


①. 徐脈

2. 体温低下

3. 血圧低下

4. 呼吸数増加

問題 53

 58歳の男性。会社役員。妻と子どもとの3人暮らし。出勤途中の電車内で意識消失し、けいれん発作を起こして搬送された。検査の結果、脳腫瘍の疑いで入院した。

精査の結果、神経膠腫と診断された。腫瘍摘出術後、放射線療法が開始された。照射部位周辺の発赤がみられ「頭が痛痒い」と訴えている。
頭部の皮膚ケアで適切なのはどれか。


1. 冷湿布剤を貼用する。

②. ぬるま湯で洗い流す。

3. アルコール清拭をする。

4. ガーゼで保護してテープ固定する。

問題 54

 58歳の男性。会社役員。妻と子どもとの3人暮らし。出勤途中の電車内で意識消失し、けいれん発作を起こして搬送された。検査の結果、脳腫瘍の疑いで入院した。

半年後、残存腫瘍の増大により意識レベルが低下し、うとうとしていることが多くなった。医師から妻に、余命2、3週と説明された。妻は毎日面会に来ている。看護師に「話しかけても答えないし、何もしてあげられないのがつらい」と涙ぐんで話した。
看護師の対応で最も適切なのはどれか。


1. 「面会は毎日でなくてもいいですよ」

②. 「そばにいてあげるだけでもいいんですよ」

3. 「お世話はすべて看護師がさせていただきますよ」

4. 「今の状態ではあまり声をかけないほうがいいですね」

問題 55

 76歳の男性。1人暮らし。妻とは死別し1人娘は結婚して遠方に住んでいる。高血圧症と糖尿病の既往がある。3週前から全身倦怠感と咳嗽とが出現し、受診の結果、肺炎と診断されて2週前に入院した。抗菌薬の投与によって症状は改善したが、血糖値が安定しないため退院が延期となった。そのころから看護師に繰り返し何度も同じことを言ったり、会話中に突然怒り出したりする言動がみられた。

最近は、入院していることがわからず院内をうろうろしたり、毎日カレンダーを見ているが月日や曜日がわからない。
この状況から最も考えられるのはどれか。


1.  難聴

2.  躁状態

3. 構音障害

④. 見当識障害

問題 56

 76歳の男性。1人暮らし。妻とは死別し1人娘は結婚して遠方に住んでいる。高血圧症と糖尿病の既往がある。3週前から全身倦怠感と咳嗽とが出現し、受診の結果、肺炎と診断されて2週前に入院した。抗菌薬の投与によって症状は改善したが、血糖値が安定しないため退院が延期となった。そのころから看護師に繰り返し何度も同じことを言ったり、会話中に突然怒り出したりする言動がみられた。

入院後、初めて入浴することになり、看護師がその旨を伝えると「やっと風呂に入れる。うれしい」と話していた。しかし、実際入る時になると「そんなのは聞いていない。自分にも都合があるので入らない」と拒否する。
この時の対応で適切なのはどれか。


1. 入浴を中止する。

2.  入浴準備を始める。

3. 手を引いて浴室に誘導する。

④. 時間をおいて再度声をかける。

問題 57

 76歳の男性。1人暮らし。妻とは死別し1人娘は結婚して遠方に住んでいる。高血圧症と糖尿病の既往がある。3週前から全身倦怠感と咳嗽とが出現し、受診の結果、肺炎と診断されて2週前に入院した。抗菌薬の投与によって症状は改善したが、血糖値が安定しないため退院が延期となった。そのころから看護師に繰り返し何度も同じことを言ったり、会話中に突然怒り出したりする言動がみられた。

空腹時血糖は130㎎/dl前後で推移したため退院が可能となった。本人は自宅に帰りたいと話している。病棟での生活は看護師の見守りや促しによって1人で行えているが、食事制限が守れず売店で購入したお菓子を食べている。看護師が声をかけると「間食はしていない。誰か別な人と間違えている」と怒ってしまう。
退院に向けた初期の対応で最も優先されるのはどれか。


1. 娘に連絡し同居を勧める。

2. 本人への食事指導を計画する。

③. 娘が行える支援の内容を確認する。

4. ソーシャルワーカーに入所施設の紹介を依頼する。

問題 58

 80歳の男性。78歳の妻と2人暮らし。共働きの長男夫婦が隣町に在住している。妻は軽度の認知症であるが日常生活は自立している。男性は1日30分程度の妻との散歩を日課にしている。商店街で買い物の途中、急いで帰宅しようとして急に胸が締めつけられるような痛みと冷汗とが出現し失神した。病院に搬送され急性心筋梗塞と診断された。

搬送時の意識は清明。緊急に経皮的冠状動脈形成術(PTCA)を受けることになり、駆けつけた長男とともに医師から治療の説明を受けた。
緊急手術に向けた援助で適切なのはどれか。


1. 水分摂取を促す。

2. トイレに誘導する。

③. 手術への理解を確認する。

4. シャワー浴を介助する。

問題 59

 80歳の男性。78歳の妻と2人暮らし。共働きの長男夫婦が隣町に在住している。妻は軽度の認知症であるが日常生活は自立している。男性は1日30分程度の妻との散歩を日課にしている。商店街で買い物の途中、急いで帰宅しようとして急に胸が締めつけられるような痛みと冷汗とが出現し失神した。病院に搬送され急性心筋梗塞と診断された。

手術後CCUに入室した。穿刺部の固定部位や点滴静脈内注射の輸液チューブを見ながら触っている。「ここはうるさいから家に帰る」と興奮し起きあがろうとしている。長男が面会に来ても誰なのか理解できない様子である。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 家族の面会を制限する。

2.  医療機器のアラームを切る

③. 手を握りながらそばに寄り添う。

4. カーテンを閉めて部屋を暗くする。

問題 60

 80歳の男性。78歳の妻と2人暮らし。共働きの長男夫婦が隣町に在住している。妻は軽度の認知症であるが日常生活は自立している。男性は1日30分程度の妻との散歩を日課にしている。商店街で買い物の途中、急いで帰宅しようとして急に胸が締めつけられるような痛みと冷汗とが出現し失神した。病院に搬送され急性心筋梗塞と診断された。

手術翌日、一般病棟へ転棟した。高血圧を指摘されたが経過は良好なため、手術後2週で退院が決定した。「病気の母さんが待っているから早く元気になりたい」と病室内を歩いている。
退院指導で適切なのはどれか。


1. 「水分を控えましょう」

②. 「散歩をする時はゆっくり歩きましょう」

3. 「階段の上り下りの訓練をしましょう」

4. 「血圧の薬は体調によって調整しましょう」

問題 61

 Aさん、68歳の女性。71歳の夫と長男夫婦、95歳の寝たきりの義母の5人暮らし。3か月前に脳出血を発症し、入院治療を経て自宅に退院した。嚥下障害のため胃瘻を造設し、頻回に口腔内吸引が必要である。排泄はおむつを使用している。Aさんの介護認定は申請中で、介護は主に夫が行う予定である。要介護5の義母の介護は長男の妻が行い、週1回の訪問介護と入浴サービスを利用している。

義母への訪問の際、夫から「介護する家族が増えてしまったのでどうしたらよいのだろうか」と看護師に相談があった。
家族の介護力を評価するための情報で最も重要なのはどれか。


1. 夫婦の関係性

2. 義母の健康状態

3. 長男の介護意欲

④. 夫と長男の妻の健康状態

問題 62

 Aさん、68歳の女性。71歳の夫と長男夫婦、95歳の寝たきりの義母の5人暮らし。3か月前に脳出血を発症し、入院治療を経て自宅に退院した。嚥下障害のため胃瘻を造設し、頻回に口腔内吸引が必要である。排泄はおむつを使用している。Aさんの介護認定は申請中で、介護は主に夫が行う予定である。要介護5の義母の介護は長男の妻が行い、週1回の訪問介護と入浴サービスを利用している。

几帳面な夫は介護状況を細かく記録し、疑問点を長男の妻に繰り返し尋ねている。看護師が訪問すると長男の妻は「お義父さんが張り切りすぎて心配」と話し、夫は「嫁は大雑把な性格で取り合ってくれない」と言う。
夫に対する対応で最も適切なのはどれか。


1. 「息子さんに注意してもらいましょう」

②. 「介護を頑張りすぎていないか心配です」

3. 「お嫁さんは忙しいのでいろいろ聞くのはやめましょう」

4. 「介護記録は大変でしょうから書かなくてよいですよ」

問題 63

 Aさん、68歳の女性。71歳の夫と長男夫婦、95歳の寝たきりの義母の5人暮らし。3か月前に脳出血を発症し、入院治療を経て自宅に退院した。嚥下障害のため胃瘻を造設し、頻回に口腔内吸引が必要である。排泄はおむつを使用している。Aさんの介護認定は申請中で、介護は主に夫が行う予定である。要介護5の義母の介護は長男の妻が行い、週1回の訪問介護と入浴サービスを利用している。

その後、夫は介護に慣れてきたが、疲労を感じ始めている。長男の妻も家事と義母の介護で疲労が目立つようになった。訪問看護師は夫から「妻の看護で自分も疲れてきたが、嫁も体調が良くないようで心配だ。うちは二人も介護しているので大変だ。他に利用できるサービスはないか」と相談を受けた。
利用を勧めるサービスで優先度が高いのはどれか。


1. 住宅改修

2.  配食サービス

③. 義母のショートステイ利用

4. Aさんへの電動車椅子の貸与

問題 64

 1歳の男児。4日前から鼻汁、咳および発熱が続いている。本日、コプリック斑が認められ発疹も出現したため麻疹と診断された。児は細気管支炎を併発しており、付き添い入院した。1歳6か月のいとこが近所に住んでおり1週間前に児と遊んだが、現在は無症状である。

入院時、母親への説明で適切なのはどれか。


1.  面会は解熱するまで制限する。

2. 発疹が消失するまで清拭は控える。

3. 含嗽して口腔粘膜を保清する。

④. 個室に入室する。

問題 65

 1歳の男児。4日前から鼻汁、咳および発熱が続いている。本日、コプリック斑が認められ発疹も出現したため麻疹と診断された。児は細気管支炎を併発しており、付き添い入院した。1歳6か月のいとこが近所に住んでおり1週間前に児と遊んだが、現在は無症状である。

児の母親は「私が早く病院に連れてこなかったから、子どもの病気を悪くしてしまったんです」と泣きながら看護師に話した。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 「自宅で体を休めてください」

2. 「お父さんと話してください」

3. 「どうして受診が遅れたのですか」

④. 「お母さんのせいではありませんよ」

問題 66

 1歳の男児。4日前から鼻汁、咳および発熱が続いている。本日、コプリック斑が認められ発疹も出現したため麻疹と診断された。児は細気管支炎を併発しており、付き添い入院した。1歳6か月のいとこが近所に住んでおり1週間前に児と遊んだが、現在は無症状である。

「うちの子と遊んだいとこは、麻疹の予防接種をしていないのですが、大丈夫でしょうか」と児の母親から相談を受けた。
いとこの状況についてのアセスメントで最も適切なのはどれか。


①. 潜伏期にあたるので経過観察が必要である。

2. 直ちに麻疹ワクチンの接種が必要である。

3. ガンマグロブリンの筋肉注射が必要である。

4. 現在発症していないので感染していないと考えられる。

問題 67

 2か月の男児。2週間前から嘔吐があり頻回になった。昨日、噴水様嘔吐が5回あったため外来を受診し、緊急入院した。体重4.200g。体温35.5℃。眼球結膜に黄染は認めない。上腹部に腫瘤を触知する。血液検査の結果、赤血球540万/μl、白血球10,100/μl、血小板58.6万/μl。Ht45.0%、アルブミン4.4g/dl、Na140mEq/l、K3.5mEq/l、Cl92mEq/l、動脈血pH7.48であった。

入院時の観察で最も注意する症状はどれか。


①. 大泉門の陥没

2. 眼瞼結膜の蒼白

3. 哺乳力の低下

4. 胃蠕動の低下

問題 68

 2か月の男児。2週間前から嘔吐があり頻回になった。昨日、噴水様嘔吐が5回あったため外来を受診し、緊急入院した。体重4.200g。体温35.5℃。眼球結膜に黄染は認めない。上腹部に腫瘤を触知する。血液検査の結果、赤血球540万/μl、白血球10,100/μl、血小板58.6万/μl。Ht45.0%、アルブミン4.4g/dl、Na140mEq/l、K3.5mEq/l、Cl92mEq/l、動脈血pH7.48であった。

超音波検査および上部消化管造影検査の結果、幽門狭窄が確認された。腹腔鏡下で粘膜外幽門筋切開術を行うことになり胃管が挿入された。胃管は胃内に確実に挿入されているが胃部膨満が軽減しなかった。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 腹部温罨法

2. 腹部マッサージ

③. 胃内容物の吸引

4. 胃内の気泡音の確認

問題 69

 2か月の男児。2週間前から嘔吐があり頻回になった。昨日、噴水様嘔吐が5回あったため外来を受診し、緊急入院した。体重4.200g。体温35.5℃。眼球結膜に黄染は認めない。上腹部に腫瘤を触知する。血液検査の結果、赤血球540万/μl、白血球10,100/μl、血小板58.6万/μl。Ht45.0%、アルブミン4.4g/dl、Na140mEq/l、K3.5mEq/l、Cl92mEq/l、動脈血pH7.48であった。

手術後1日から授乳が開始され、経過が順調で手術後3日に退院予定となった。授乳後に嘔吐があったため母親は不安を訴えた。
退院時の説明で最も適切なのはどれか。


①. 「授乳中も排気させてください」

2. 「授乳の回数を少なくしてください」

3. 「粉ミルクを薄めて飲ませてください」

4. 「授乳後はあおむけで寝かせてください」

問題 70

 11歳の女児。2週前から夜尿が出現していた。本日登校中に倒れ搬送された。特記すべき既往歴はない。体温37.8℃。脈拍数100/分、呼吸数32/分。採血の結果、血糖値600mg/dl、代謝性アシドーシスが認められ、1型糖尿病の疑いで入院した。

患児に出現する可能性が低いのはどれか。


1. 倦怠感

②. 浮腫

3. 多飲

4. 多尿

問題 71

 11歳の女児。2週前から夜尿が出現していた。本日登校中に倒れ搬送された。特記すべき既往歴はない。体温37.8℃。脈拍数100/分、呼吸数32/分。採血の結果、血糖値600mg/dl、代謝性アシドーシスが認められ、1型糖尿病の疑いで入院した。

1型糖尿病と診断され、主治医がインスリン自己注射の必要性を児と母親に説明した。患児は「自分で注射するなんてできない」と泣き出した。
対応で最も適切なのはどれか。


1. 手にとって注射を促す。

2. できるようになるまで退院できないと話す。

3. 入院中は母親に注射をしてもらうことを提案する。

④. 自己注射をしている同年代の糖尿病患児と話す機会を作る。

問題 72

 11歳の女児。2週前から夜尿が出現していた。本日登校中に倒れ搬送された。特記すべき既往歴はない。体温37.8℃。脈拍数100/分、呼吸数32/分。採血の結果、血糖値600mg/dl、代謝性アシドーシスが認められ、1型糖尿病の疑いで入院した。

退院に向けて、医師、看護師、養護教諭と家族が話し合い、糖尿病外来での担当看護師を決めた。3週後、血糖値の自己測定とインスリンの自己注射ができるようになり退院した。学校に通い始めたが「4時間目の体育の前に血糖値を自己測定したところ、72mg/dlだった。体育の授業はどうしたらよいか」と養護教諭から担当看護師に電話で相談があった。
助言で最も適切なのはどれか。


1. そのまま参加する。

2. 見学する。

③. 単位補食後に参加する。

4. 早退し受診する。

問題 73

 36歳の初産婦。専業主婦。妊娠30週2日。身長160cm、非妊時体重55kg。健康診査時、体重60kg。子宮底長26cm、腹囲80cm。血圧120/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。浮腫(-)。Hb10.5g/dl、Ht30.0%。胎児心拍数150bpmであった。

健康状態のアセスメントで適切なのはどれか。


①. 貧血がみられる。

2. 胎児心拍が頻脈である。

3. 体重増加が過剰である。

4. 子宮底長が週数に比べて小さい。

問題 74

 36歳の初産婦。専業主婦。妊娠30週2日。身長160cm、非妊時体重55kg。健康診査時、体重60kg。子宮底長26cm、腹囲80cm。血圧120/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。浮腫(-)。Hb10.5g/dl、Ht30.0%。胎児心拍数150bpmであった。

健康診査後「週末にひとりで友人の家に遊びに行き、一泊する予定です。新幹線で2時間位かかるので指定席を取るつもりです」と言う。
保健指導で適切なのはどれか。


1. 「取りやめた方がいいでしょう」

2. 「重い荷物は背負って移動すると楽でしょう」

③. 「ゆとりのあるスケジュールを計画しましょう」

4. 「新幹線より高速バスを利用した方がいいでしょう」

問題 75

 36歳の初産婦。専業主婦。妊娠30週2日。身長160cm、非妊時体重55kg。健康診査時、体重60kg。子宮底長26cm、腹囲80cm。血圧120/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。浮腫(-)。Hb10.5g/dl、Ht30.0%。胎児心拍数150bpmであった。

妊娠34週2日。健康診査の結果は体重62kg。子宮底長30cm、腹囲84cm。血圧114/82mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。浮腫(-)。「食後、胸がムカムカすることがあります。以前より食欲が落ちた気もします」と言う。
保健指導で適切なのはどれか。


1. 食後は左側臥位で休息する。

2. 香辛料をきかせた料理を摂取する。

3. 食べたいものを食べたい時に摂取する。

④. 一回の食事量を減らし食事回数を増やす。

問題 76

 妊娠39週。体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃。心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)。顔面に点状出血が少量みられる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。

児のアセスメントで最も注目すべき情報はどれか。


1. 顔面の点状出血

②. 呼吸数

3. 呼吸の不規則性

4. おむつのレンガ色のしみ

問題 77

 妊娠39週。体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃。心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)。顔面に点状出血が少量みられる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。

日齢3日。体重2,950g。体温37.0℃。心拍数132/分、呼吸数50/分。血清ビリルビン値7mg/dl。排尿6回/日、排便2回/日。児の啼泣に合わせて母乳を与えている。母親から「昼も夜も2時間おきに泣くのでそのたび授乳していますが、これで良いのでしょうか」と相談を受けた。
対応で適切なのはどれか。


1. 「夜間は粉ミルクを足しましょう」

②. 「今のような授乳の仕方で良いですよ」

3. 「糖水を足して授乳回数を減らすとよいでしょう」

4. 「泣いたら授乳するのではなく3時間ごとにしましょう」

問題 78

 妊娠39週。体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃。心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(-)。顔面に点状出血が少量みられる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。

日齢4日。体重2,950g。体温37.2℃。心拍数136/分、呼吸数45/分。頭部から体幹にかけて皮膚の黄染がみられ、血清ビリルビン値10mg/dl。排尿8回/日、排便4回/日。大泉門は平坦である。臍輪部に発赤はないがやや湿潤している。
児のアセスメントで適切なのはどれか。


①. 正常経過である。

2. 体重増加不良である。

3. 臍部に感染兆候がみられる。

4. 病的黄疸の兆候がみられる。

問題 79

 30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm、血圧112/70mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。

この時に確認することで優先度が高いのはどれか。


1. 排尿時間

②. 胎児心拍数

3. 羊水の流出量

4. 陣痛発作時間

問題 80

 30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm、血圧112/70mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。

午後2時、体重3,050gの児を分娩した。1分後のアプガースコアは6点で口鼻腔吸引が行われた。5分後のアプガースコアは9点であった。
児に最も起こり得るのはどれか。


1. 上気道閉塞

2. 低酸素性虚血性脳症

③. 胎便吸引症候群(MAS)

4. 呼吸窮迫症候群(RDS)

問題 81

 30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm、血圧112/70mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。分娩監視装置を装着した結果、4~5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。

生後2時間。腋窩温36.2℃。心拍数125/分、呼吸数56/分。陥没呼吸(-)、呻吟(-)。四肢末端にチアノーゼが軽度みられる。
児に優先して行うケアはどれか。


1. 沐浴

②.  保温

3. 授乳

4. 酸素投与

問題 82

 58歳の男性。統合失調症。17年前に入院し、現在は開放病棟に入院している。常に幻聴があるが、日常生活に支障はない。病棟では作業療法に参加している以外に活動はせず、決まった患者と決まった場所に座って過ごしている。退院後1人暮らしをする予定の自宅へ週1回の定期的な外泊を繰り返している。

患者は外泊を定期的に行っているが、今後の治療や新たな活動について話そうとすると「今テレビで私のことを放送しているから待って」と避ける様子がみられる。
患者への対応で最も適切なのはどれか。


1. 作業所の見学を計画する。

②. 外泊中の生活について尋ねる。

3. 幻聴があるので話しかけない。

4. 1日の活動の時間割を看護師が作成する。

問題 83

 58歳の男性。統合失調症。17年前に入院し、現在は開放病棟に入院している。常に幻聴があるが、日常生活に支障はない。病棟では作業療法に参加している以外に活動はせず、決まった患者と決まった場所に座って過ごしている。退院後1人暮らしをする予定の自宅へ週1回の定期的な外泊を繰り返している。

現在の患者は身長169cm、体重63kg。この2か月間で体重が5kg増加した。患者に体重が増えたことを注意しても「別にそんなことはないよ。大丈夫だよ。食べてないよ」と逃げてしまう。
患者の発言の解釈で適切なのはどれか。


①. 否認

2. 投影

3. 同一化

4. 昇華

問題 84

 58歳の男性。統合失調症。17年前に入院し、現在は開放病棟に入院している。常に幻聴があるが、日常生活に支障はない。病棟では作業療法に参加している以外に活動はせず、決まった患者と決まった場所に座って過ごしている。退院後1人暮らしをする予定の自宅へ週1回の定期的な外泊を繰り返している。

血液検査の結果、空腹時血糖120mg/dl、総コレステロール180mg/dl、トリグリセライド230mg/dlであった。患者は1か月前から非定型抗精神病薬の服用を開始している。
今後最も注意すべき観察項目はどれか。


1. 睡眠

2. 運動

③. 血糖値

4. 血中コレステロール値

問題 85

 35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分は、この5日間ほとんど摂っていない。

この時点の患者のアセスメントで正しいのはどれか。


①. 躁状態

2. 緘黙状態

3. せん妄状態

4. 幻覚妄想状態

問題 86

 35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分は、この5日間ほとんど摂っていない。

患者は服薬を勧める看護師に「おまえは俺を廃人にしようとしている。俺をだまそうとしてもそうはいかない」と激しく攻撃したため、患者に必要性を説明した上で抗精神病薬を点滴静脈内注射し、休息を確保することになった。
最も優先される観察項目はどれか。


1.  排泄

2. 体重

③. 発熱

4. 嘔気

問題 87

 35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分は、この5日間ほとんど摂っていない。

入院後5週が経過し、患者は規則的に気分安定(感情調整)薬の内服を行うようになり、穏やかにスタッフや患者と会話ができるようになった。現在、朝と就寝前の2回、合計4種類の錠剤を自己管理で内服している。ある朝、担当看護師に「薬を飲むと口がピリピリする」と相談があった。
この時の対応で適切なのはどれか。


1. 「薬をやめてみますか」

2. 「主治医に言ってください」

3. 「気にしない方がよいですよ」

④. 「どの薬を飲むとそうなりますか」

問題 88

 52歳の男性。会社員。9年前にアルコール依存症のために入院し、3か月のアルコール依存症リハビリテーションプログラムを受け退院した。退院後は自助グループに参加しながら順調に断酒を続けていたが、最近の半年間は参加していなかった。5日前から連続飲酒を始め、やめることができずに家族に付き添われて精神科病院を受診した。患者は、医師の説得に応じて2度目の入院をした。

入院形態はどれか。


1.  措置入院

2. 応急入院

3. 医療保護入院

④. 任意入院

問題 89

 52歳の男性。会社員。9年前にアルコール依存症のために入院し、3か月のアルコール依存症リハビリテーションプログラムを受け退院した。退院後は自助グループに参加しながら順調に断酒を続けていたが、最近の半年間は参加していなかった。5日前から連続飲酒を始め、やめることができずに家族に付き添われて精神科病院を受診した。患者は、医師の説得に応じて2度目の入院をした。

入院直後から粗大な全身の震え、不眠、多量発汗がみられた。眼振はなかった。前回の入院時には、入院3日に「壁中に虫がはい回っている」と訴え落ち着かない状況があった。
今後の状態で最も予測されるのはどれか。


1.  肝性脳症

②. 振戦せん妄

3. ウェルニッケ脳症

4. アルコール性認知(痴呆)症

問題 90

 52歳の男性。会社員。9年前にアルコール依存症のために入院し、3か月のアルコール依存症リハビリテーションプログラムを受け退院した。退院後は自助グループに参加しながら順調に断酒を続けていたが、最近の半年間は参加していなかった。5日前から連続飲酒を始め、やめることができずに家族に付き添われて精神科病院を受診した。患者は、医師の説得に応じて2度目の入院をした。

入院10日、患者は自信なさそうに「9年間もやめられたのに、どうしたんだろう。これからどうやってお酒をやめていけばいいのだろう」と看護師に相談した。
この時の対応で適切なのはどれか。


1. 「なぜ飲酒したのですか」

2. 「強い断酒の意志を持つとうまくいきます」

③. 「もう一度自助グループに参加しましょう」

4. 「退院後すぐ会社復帰すればやめられます」

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