Friday, June 8, 2012

第95回 看護師国家試験 過去問題(午前)


問題 1

 平成14年の男性の悪性新生物死亡数で最も多い部位はどれか。

①. 肺

2. 胃

3. 肝

4. 大腸

問題 2

 サーカディアンリズムの周期はどれか。

1. 90分

2. 12時間

③. 24時間

4. 28日

問題 3

 医療保険制度で正しいのはどれか。

①. 健康診断は給付対象外である。

2. 高額療養費は医療給付に含まれない。

3. 国民健康保険の保険者は国である。

4. 医療給付は現金給付が原則である。

問題 4

 保健師助産師看護師法に定められている看護師の義務はどれか。

1. 関係機関との連携

2. 記録の保存

3. 結果発生の予見

④. 秘密の保持

問題 5

 自分の可能性を最高に発揮したいと願う社会的欲求はどれか。

1. 承認

2. 愛と帰属

3. 自尊

④. 自己実現

問題 6

 キューブラ・ロスによる死にゆく人の心理過程で第1段階はどれか。

1. 死なねばならないことへの怒り

2. 延命のための取り引き

③. 死を認めようとしない否認

4. 死の恐怖や不安による抑うつ

問題 7

 日本版デンバー式発達スクリーニング検査で90%の乳児の首がすわる月齢基準はどれか。

1. 2か月

②. 4か月

3. 6か月

4. 8か月

問題 8

 乳歯がはえそろう時期はどれか。

1. 1歳6か月

②. 2歳6か月

3. 3歳6か月

4. 4歳6か月

問題 9

 地域保健法に基づく保健所の事業で誤っているのはどれか。

1. 環境衛生

2. 保健増進

3. 疾病予防

④. 要介護認定

問題 10

 交感神経の緊張状態はどれか。

1. 瞳孔の収縮

2. 気管支の収縮

3. 心拍数の減少

④. 末梢血管の収縮

問題 11

 部位と流れる血液との組合せで正しいのはどれか。

1. 肺動脈―動脈血

2. 肺静脈―静脈血

3. 右心房―動脈血

④. 左心房―動脈血

問題 12

 水欠乏性脱水で低下するのはどれか。

①. 尿量

2. 尿比重

3. 血漿浸透圧

4. 血清ナトリウム値

問題 13

 黄疸を最も認めやすい部位はどれか。

①. 眼球結膜

2. 爪床

3. 口唇

4. 耳朶

問題 14

 電気的除細動の適応となる不整脈はどれか。

1. 期外収縮

②. 心室細動

3. 脚ブロック

4. 房室ブロック

問題 15

 成人の1日の尿量で乏尿と判断する基準はどれか。

1. 100ml以下

2. 200ml以下

③. 400ml以下

4. 600ml

問題 16

 動脈硬化に最も関連のある危険因子はどれか。

1. 胆石症

2. 尿管結石

③. 高脂血症

4. 高尿酸血症

問題 17

 開放骨折で正しいのはどれか。

1. 複数の骨が同時に折れている。

2. 複雑な折れ方をしている。

③. 骨折部が外界と交通している。

4. 骨片の転位を起こしていない。

問題 18

 抑うつ状態でみられるのはどれか。

①. 無気力

2. せん妄

3. 徘徊

4. 幻覚

問題 19

 副腎皮質ステロイド薬の長期投与による有害作用はどれか。

①. 骨粗鬆症

2. 血圧低下

3. 聴力障害

4. 低血糖

問題 20

 ワルファリンカリウム服用時に避けた方がよい食品はどれか。

1. 緑茶

②. 納豆

3. チーズ

4. グレープフルーツ

問題 21

 成人で高血圧と判断するのはどれか。

1. 136/84mmHg

2. 134/86mmHg

3. 124/88mmHg

④. 122/92mmHg

問題 22

 浣腸施行に適しているのはどれか。

1. 腹臥位

2. 右側臥位

③. 左側臥位

4. ファウラー位

問題 23

 右片麻酔患者の寝衣交換で正しいのはどれか。

1. 右から脱がせ、右から着せる。

2. 右から脱がせ、左から着せる。

③.  左から脱がせ、右から着せる。

4. 左から脱がせ、左から着せる。

問題 24

 仙骨部にある褥瘡のケアで適切なのはどれか。

1. 仙骨部への円座使用

2. 褥瘡部のマッサージ

3. 45度半坐位の保持

④. 体圧分散寝具の使用

問題 25

 インスリン製剤の投与量を表すのはどれか。

①. 単位(U)

2. モル(mol)

3. マイクログラム(μg)

4. ミリグラム当量(mEg)

問題 26

 滅菌手袋を使用しなければならないのはどれか。

1. 口腔ケア

2. 陰部洗浄

3. ストーマ装具の交換

④. 導尿

問題 27

 鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。

1. 肺炎

②. 気胸

3. 嘔吐

4. 無気肺

問題 28

 下図の三方活栓で、薬液の流れはどれか。


1. A液のみ注入

2. B液のみ注入

③. A液、B液ともに注入

4. A液、B液ともに中断

問題 29

 酸素ボンベ内の残量を確認する方法はどれか。

1. バルブを開けた時の噴出音

②. 圧力計の示す値

3. 加湿ビン内の気泡の量

4. 酸素流量計の目盛

問題 30

 前腕の動脈性外出血で正しいのはどれか。

1. 出血部より末梢側を圧迫する。

②. 圧迫部位を心臓より高く保つ。

3. 直接圧迫は2~3分行う。

4. 止血帯は90分以上連続して使用する。

問題 31

 平成14年国民栄養調査で、他の年代と比べて60歳代の割合が最も高い生活習慣はどれか。

1. 喫煙

②. 運動

3. 飲酒

4. 朝食の欠食

問題 32

 セルフヘルプグループで適切なのはどれか。

1. 異なる問題を抱えている個人の集団である。

2. 家族はメンバーに含まれない。

3. リーダーは看護師が務める。

④. 治癒・回復者はメンバーに含まれる。

問題 33

 憲法第25条で国が努めなければならないと定めているのはどれか。

1. 義務教育の保証

②. 公衆衛生の向上

3. 環境の保全

4. 思想の自由

問題 34

 出産育児一時金で正しいのはどれか。

①. 健康保険に加入していることが条件である。

2. 被保険者が扶養している配偶者の出産には支給されない。

3. 支給額は分娩費用によって異なる。

4. 第3子の出産から支給される。

問題 35

 生活保護法の医療扶助を受けている入院患者で最も多いのはどれか。

1. 呼吸器系の疾患

2. 消化器系の疾患

③. 精神・行動の障害

4. 循環器系の疾患

問題 36

 ゴールドプラン21で新しく施設サービスの整備目標に加えられたのはどれか。

1. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

2. 介護老人保健施設(老人保健施設)

3. 介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス)

④. 認知症(痴呆)対応型共同生活介護(痴呆性老人グループホーム)

問題 37

 政令市・中核市よりも小さな規模の市でも必置の組織はどれか。

①. 福祉事務所

2. 児童相談所

3. 保健所

4. 社会福祉協議会

問題 38

 40歳の統合失調症患者の社会復帰に関与しないのはどれか。

1. 保健師

②. 介護支援専門員

3. 介護福祉士

4. 精神保健福祉士

問題 39

 我が国の自殺の動向で正しいのはどれか。

1.  2000年以降の年間死亡者数は増加傾向にある。

2.  2002年の死因順位では、不慮の事故より多い。

③. 男性は壮年期で高率となる。

4. 死亡者数の男女比はほぼ1対1である。

問題 40

 D.E.オレムの看護の概念はどれか。

①. セルフケア獲得のための支援

2. 患者との対人相互作用の発展

3. 刺激の操作による適応の促進

4. ケアリングによる調和の促進

問題 41

 禁煙のための問題解決型のコーピング行動はどれか。

①. 病院の禁煙外来を受診する。

2. 喫煙できないイライラを飲酒で解消する。

3. 節煙でも効果は同じと考える。

4. 喫煙したくなったら一口吸って消す。

問題 42

 看護師の対応で適切なのはどれか。

1. 大部屋でポータブルトイレを使用中の患者からナースコールがあったので、インターホンを通して排便の確認をした。

2. 痛みを伴う検査を受ける患者から痛みの程度を聞かれたので、大した痛みではないと答えた。

③. 肝生検査終了直後の患者から全身清拭の依頼があったが、本日は実施できないことを説明した。

4. 入院後初めて失禁した患者におむつを使用することを提案した。

問題 43

 看護過程で適切なのはどれか。

1. 短期目標の評価は退院時に行う。

2. 看護計画は患者には開示しない。

③. 複数の看護問題には優先順位をつける。

4. 家族に対する指導は計画に含めない。

問題 44

 減量がうまくいかない肥満の患者への理解的な対応はどれか。

1. 「体重が減るようもっとがんばりましょう」

2. 「体重が減らないのは運動が足りないからですよ」

3. 「体重が増えるようなものを食べていませんか」

④. 「体重が減らなくて困っているのですね」

問題 45

 滅菌パックの開封の仕方で正しいのはどれか。


1. (1)

2. (2)

3. (3)

④. (4)

問題 46

 5%グルコン酸クロルヘキシジンを用いて0.2%希釈液1、000mlをつくるのに必要な薬液量はどれか。

1. 10ml

2. 20ml

③. 40ml

4. 50ml

問題 47

 気管挿管による人口呼吸器装着中の状態と対処との組合せで適切なのはどれか。

①. 気道内圧の上昇――――――喀痰を吸引する。

2. 胸郭の左右差のある動き――挿管チューブを奥に挿入する。

3. 喘鳴の聴取――――――――蛇管の水滴を除去する。

4. 呼吸音の減弱―――――――加湿器に蒸留水を追加する。

問題 48

 患者を端在から立位にするときの足の位置で適切なのはどれか。


1. (1)

2. (2)

3. (3)

④. (4)

問題 49

 胸背部の観察方法で適切なのはどれか。

1. 視診は深吸気位で行う。

②. 脊柱の触診は前傾姿勢で行う。

3. ベル型聴診器は皮膚に押し付ける。

4. 打診は肘を支点にして打つ。

問題 50

 内臓脂肪型肥満の簡易指標はどれか。

1. BMI

②. 腹囲

3. 皮下脂肪厚

4. 体脂肪率

問題 51

 離床できる成人2人部屋の病床環境で適切でないのはどれか。

1. 部屋の広さが10㎡

2. 窓の面積が1.5㎡

3. ベッドの間隔が1.2m

④. ベッドの高さが75㎝

問題 52

 1日のエネルギー所要量が2,300kcalの標準体型の成人男性。1日の脂肪摂取量で適切なのはどれか。

1. 35g

②. 55g

3. 80g

4. 100g

問題 53

 女性の床上排泄の援助行為とその目的との組合せで適切なのはどれか。

1. 便器内にちり紙を敷く――――殿部への冷感を軽減する。

②. 上体を軽度挙上する―――――腹圧をかけやすくする。

3.  陰部にちり紙をあてる――――臭気を防止する。

4. 便器を乾燥させる――――――殿部を安定させる。

問題 54

 清潔援助の洗浄剤や薬剤の用い方で適切なのはどれか。

1. 義歯の歯垢は生理食塩水に浸けて除去する。

2. 皮膚の汚れは速乾性アルコールで取り除く。

3. ドライシャンプーには50%メタノールを用いる。

④. 口臭予防には重曹水で含嗽する。

問題 55

 仰臥位から立位になった直後に起こる変化はどれか。

1. 横隔膜の運動制限

2. 中心静脈圧の上昇

③. 収縮期血圧の低下

4. 脈拍数の減少

問題 56

 気管支鏡検査で正しいのはどれか。

1. 検査前禁食の必要はない。

2. 体位は左側臥位にする。

3. 挿入時に息を止めるよう指示する。

④. 苦痛時の合図を決めておく。

問題 57

 中心静脈ラインで正しいのはどれか。

①. 循環血液量の評価法として活用できる。

2. 挿入中は入浴できない。

3. ウイルスはフィルターを通過しない。

4. 刺入部の滅菌フィルムは毎日交換する。

問題 58

 薬剤の取り扱いで正しいのはどれか。

1. 用時溶解の薬剤は溶解後冷凍保存する。

2. シロップ剤は常温で保存する。

③. 向精神薬は鍵のかかる所に保管する。

4. 麻薬使用後の残った薬液は冷所保存する。

問題 59

 注射の準備で適切なのはどれか。

1. 注射針の刃面は注射器の目盛り面と反対側にする。

2. ガラスのアンプルはカット後にカット面を消毒する。

③. バイアルはゴム栓を下にして薬液を吸う。

4. 針についた薬液はアルコール綿で拭き取る。

問題 60

 被災者のトリアージで治療の優先度が最も高いのはどれか。

1. 救助活動に参加しているが額部に擦過傷がある。

2. 歩行は可能だが上肢と方に激痛があり骨折の可能性がある。

③. 意識消失、顔面蒼白、骨盤から下腿に挫滅創がある。

4. 意識消失、瞳孔散大、自発呼吸はなく心音は聴取できない。

問題 61

 クリティカルパス(クリニカルパス)で正しいのはどれか。

1. 医療者と患者とは別々の目標を設定する。

2. バリアンスの判定は退院日に行う。

③. 必須項目は退院時達成目標である。

4. 複数の疾患を持つ患者に有用である。

問題 62

 看護師免許の登録変更の申請が必要なのはどれか。

①. 本籍地の変更

2. 居住都道府県の変更

3. 勤務施設の変更

4. 長期間の海外留学

問題 63

 頸髄損傷が疑われる場合の気道確保の方法で最も適切なのはどれか。


1. 頭部後屈と項部挙上

2. 手指による下顎挙上

3. 頭部後屈とオトガイ部挙上

④. 両手による下顎挙上

問題 64

 健康保険制度における訪問看護の機能で適切でないのはどれか。

1. 療養生活に必要な知識の提供

2. 家族への介護技術の指導

③. 社会資源利用の決定

4. 主治医との連絡調整

問題 65

 訪問介護サービスの開始で必要なのはどれか。

1. 診断書

2. 治療計画書

3. 診療情報提供書

④. 訪問看護指示書

問題 66

 片麻酔の85歳の男性。82歳の妻と自宅で2人暮らし。尿意は伝えられるが、腰を上げることも寝返りもできない。排尿に適切なのはどれか。

1. 紙おむつ

②. 安楽尿器

3. 差し込み便器

4. ポータブルトイレ

問題 67

 83歳の男性。左半身麻酔で要介護3。妻と2人暮らし。訪問看護時に、「このごろ食事がおいしくない」と訴えがあり、口腔内に舌苔が観察された。妻への指導で適切なのはどれか。

1. 香辛料の多い食事にする。

2. 水分含有量の少ない食事にする。

3. 食間にオリーブオイルを下表面に塗布する。

④. やわらかい歯ブラシで舌苔を除去する。

問題 68

 独居の高齢者への服薬指導で最も適切なのはどれか。

①. 薬を曜日、時間別に薬ケースに仕分けする。

2. 冷所保存の薬は冷凍蔵庫に入れて保管する。

3. 飲み忘れた薬は次回にまとめて服用する。

4. 近所の民生委員に服薬確認を依頼する。

問題 69

 在宅酸素療法中の独居高齢者への生活指導で正しいのはどれか。

1. 同伴者がいなければ外出できない。

2. 酸素チューブの長さは2m以内とする。

③. 直火を使わない調理方法を選択する。

4. 動作時には浅い呼吸を頻回にする。

問題 70

 在宅人工呼吸療法中の患者の家族への指導内容で適切でないのはどれか。

①. 人工呼吸器の設定値変更の判断

2. アンビューバックの使用方法

3. 人工呼吸器の回路交換時期

4. 痰の吸引手技

問題 71

 在宅介護で介護保険給付の対象でないのはどれか。

①. 紙おむつの購入

2. 廊下や階段の手すりの設置

3. ポータブルトイレの購入

4. 電動ベッドの貸与

問題 72

 成人の身体的変化で正しいのはどれか。

1. 30歳代で身体的成長が完了する。

②. 40歳代で暗順応の低下が起こりやすい。

3. 50歳代で聴力の低下が起こりやすい。

4. 60歳代で味覚の低下が起こりやすい。

問題 73

 咽頭癌の危険因子はどれか。

1. 声帯ポリープ

2. 窒素酸化物

③. 喫煙

4. 炭酸飲料

問題 74

 慢性閉塞性肺疾患の生命予後を改善するのはどれか。

1. 体位ドレナージ

②. 在宅酸素療法

3. 去痰薬

4. 抗菌薬の予防投与

問題 75

 癌性疼痛への患者自身の対処で適切なのはどれか。

①. 痛みの部位や増強因子を把握する。

2. 鎮痛薬は痛みが出現してから内服する。

3. 鎮痛薬の緊急追加は最小限にする。

4. 筋緊張法によって痛みの軽減を図る。

問題 76

 健康増進のための食習慣で適切なのはどれか。

1. 食塩の摂取量は1日15gを目安にする。

2. 蛋白質の摂取は動物性を主体にする。

③. 食事は1日3回摂取する。

4. 間食は1日500kcalを目安にする。

問題 77

 身体の40%にⅡ度の熱傷を受けた患者で、受傷24時間以内に起こりにくいのはどれか。

1. 電解質の異常

2. ショック

3. 感染

④. 拘縮

問題 78

 全身麻酔後の気管チューブ抜管直後に注意するのはどれか。

1. 筋反射低下

2. 吃逆

③. 呼吸抑制

4. 肺塞栓

問題 79

 抗癌薬治療中の感染予防で重要な検査項目はどれか。

1. 好塩基球

②. 好中球

3. 赤血球

4. CRP(C反応性蛋白)

問題 80

 抗癌薬を末梢静脈から注入している患者が刺入部の痛みを訴えたため、看護師は直ちに注入を中止した。予期した危険性はどれか。

①. 血管外漏出

2. 感染

3. 血栓形成

4. アレルギー反応

問題 81

 1型糖尿病患者の自己モニタリングに該当するのはどれか。

1. 外来受診の頻度を患者が決める。

2. インスリンの投与間隔を患者が変更する。

3. 医療者の助言を実行する。

④. 冷汗が出たら低血糖を疑う。

問題 82

 胸水貯留時の胸腔ドレナージ法で正しいのはどれか。

1. ドレナージ中は輸液を行わない。

2. 呼吸困難が消失するまでドレナージをする。

③. 胸腔ドレーンは水封にして管理する。

4. 歩行時は胸腔ドレーンをクランプしない。

問題 83

 22歳の女性。四肢のしびれと胸部絞扼感とを訴えている。胸部聴診所見は正常、呼吸数35/分、脈拍数88/分、整、血圧118/72mmHgであった。この患者の動脈血ガス分析で最も考えられるのはどれか。

1. pH7.30、PaO2  66mmHg、PaCO2 49mmHg

2. pH7.37、PaO2  97mmHg、PaCO2 41mmHg

3. pH7.43、PaO2  75mmHg、PaCO2 37mmHg

④. pH7.53、PaO2  112mmHg、PaCO2 28mmHg

問題 84

 開心術後1日の成人患者。脈拍数116/分、整、血圧88/78mmHg。時間尿量は徐々に減少し、ぐったりとして反応は鈍い。考えられるのはどれか。

1. 心室性期外収縮

2. 皮下気腫値

③. 心タンポナーデ

4. 麻酔覚醒遅延

問題 85

 ループ系利尿薬とジギタリス製剤を服用している。最も注意すべき血液検査項目はどれか。

①. カリウム値

2. カルシウム値

3. ビリルビン値

4. クレアチニン値

問題 86

 胃瘻増設患者の看護で適切なのはどれか。

1. 栄養剤の注入時は仰臥位にする。

②. 下痢のときは栄養剤の注入速度を遅くする。

3. 術後2週間は瘻孔周囲を消毒する。

4. 入浴時には創傷被覆材で保護する。

問題 87

 大腸ポリープの内視鏡的切除を受けた患者がその日の夜、顔面蒼白で、激しい腹痛を訴えて救急外来を受診した。考えられるのはどれか。

1. 瘻孔形成

2. 腸管癒着

3. 裏急後重

④. 腸管穿孔

問題 88

 肝硬変患者の腹水貯留に関連するのはどれか。

1. 血中アンモニアの上昇

②. アルブミンの低下

3. γ‐GTPの上昇

4. プロトロンビン時間の延長

問題 89

 2型糖尿病患者への食事指導で正しいのはどれか。

①. 摂取カロリーは標準体重から算出する。

2. インスリン治療中はカロリー制限をしない。

3. 糖質による摂取カロリーは全体の30%以下にする。

4. 肥満がある場合には1,200kcal/日以下とする。

問題 90

 53歳の男性。身長175㎝、体重85㎏。検査値は総コレステロール280mg/dl、トリグリセライド160mg/dl、空腹時血糖110mg/dlであった。食事指導で正しいのはどれか。

1. 多価不飽和脂肪酸よりも飽和脂肪酸の摂取を多くする。

2. 水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維の摂取を多くする。

3. 糖質では単糖類の摂取を多くする。

④. 抗酸化ビタミンを含む食品の摂取を多くする。

問題 91

 慢性腎不全で透析導入を判断するときの指標となる腎機能検査はどれか。

1. PSP(フェノールスルホンフタレイン)15分値

②. 内因性クレアチニンクリアランス

3. 点滴静注腎盂造影(DIP)

4. 逆行性腎盂造影(RP)

問題 92

 海外出張から帰国した会社員が、この1週間に39℃の発熱と解熱を繰り返すため受診した。
考えられるのはどれか。

①. マラリア

2. コレラ

3. 赤痢

4. 破傷風

問題 93

 非ステロイド性抗炎症薬で注意すべき有害作用はどれか。

1. 薬物依存

2. 無月経

③. 消化性潰瘍

4. 糖尿病

問題 94

 アトピー性皮膚炎で正しいのはどれか。

①. IgE抗体が関与する。

2. 抗核抗体が陽性になる。

3. 四肢の伸側に好発する。

4. 患部の発汗が増加する。

問題 95

 感音性難聴の特徴はどれか。

1. 高齢者では低音域が障害される。

2. 音叉検査では患耳の方が大きく聞こえる。

③. 気導聴力と骨導聴力の両方が低下する。

4. 聴覚の明瞭度は障害されない。

問題 96

 網膜剥離で正しいのはどれか。

1. 眼圧上昇

2. 硝子体混濁

③. 視野欠損

4. 瞳孔縮小

問題 97

 頭頂葉の障害で出現しやすい症状はどれか。

1. 言葉を流暢に話せなくなる。

2. 話せる錯語が多くなる。

3. 安定して立っていられない。

④. 手にした物品が閉眼では識別できない。

問題 98

 フォルクマン拘縮(阻血性拘縮)を起こしやすいにはどれか。

1. 外傷による皮膚の瘢痕

②. 長期間のギプス固定

3. 頸椎カラーの装着

4. 脳血管障害による麻痺

問題 99

 開腹術後患者の閉塞性(単純性)イレウスの微候はどれか。

1. 尿量の増加

②. 排ガスの停止

3. 胃管からの排液量の減少

4. 創部からの血性浸出液

問題 100

 広汎子宮全摘出術後の排尿障害時の看護で適切なのはどれか。

1. 残尿測定は自力排尿後毎回行う。

2. 尿意を感じるまで膀胱内にカテーテルを留置する。

3. 排尿時の用手膀胱圧迫は行わない。

④. 残尿量30~50mlが残尿測定中止の目安となる。

問題 101

 勃起障害を起こすのはどれか。

①. 糖尿病

2. 高血圧症

3. 甲状腺機能亢進症

4. 胆石症

問題 102

 平成14年患者調査における65歳以上の外来受診で最も多い傷病はどれか。

1. 虚血性心疾患

②. 高血圧性疾患

3. 糖尿病

4. 関節症

問題 103

 加齢に伴う生理的記憶障害はどれか。

①. 体験の一部を忘れる。

2. 物忘れの自覚がない。

3. 行動障害を伴うことがある。

4. 時間や判断が不確かとなる。

問題 104

 一人暮らしの高齢者。老人クラブの班長として活発に活動をしていたが、辞めたあと急に閉じこもりがちとなった。今後の観察で最も優先度が高いのはどれか。

1. 排泄機能

2. 言語機能

3. 感覚機能

④. 精神機能

問題 105

 82歳の女性。中等度認知症(痴呆)と診断され、失禁のためのおむつを使用している。夜間におむつを外し歩き回ることがある。適切なのはどれか。

1. つなぎ服を着用してもらう。

2. ベッドから降りられないように柵で囲む。

③. 排尿パターンを把握する。

4. 睡眠薬を服用させる。

問題 106

 褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。

1. バーセル・インデックス

②. ブレーデン・スケール

3. グラスゴー・コーマ・スケール

4. カッツ・インデックス

問題 107

 高齢者の栄養摂取の実態で正しいのはどれか。

1. 蛋白質の摂取量は年齢とともに増加する。

2. 総エネルギー摂取量は成人と変わらない。

③. 糖質に偏った摂取傾向にある。

4. 脂質の摂取量は成人よりも増加する。

問題 108

 全身の瘙痒感が強く夜間覚醒することが多い高齢者の援助で適切なのはどれか。

1. 清拭には薬用石けんを用いる。

2. 化学繊維のパジャマを着用する。

③. 就寝前に保湿クリームを塗布する。

4. 室内湿度は30~40%を保つ。

問題 109

 左片麻痺のある高齢者の転倒・転落の防止対策で適切なのはどれか。

1. オーバーテーブルにつかまって立ち上がるよう指導する。

2. ベッド柵は外れないように全柵を固定する。

3. ポータブルトイレは高齢者の左側に置く。

④. 車椅子を止めている時はフットレストから足を床に下ろす。

問題 110

 前立腺肥大症での尿失禁のタイプはどれか。

1. 機能性尿失禁

2. 切迫性尿失禁

3. 腹圧性尿失禁

④. 溢流性尿失禁

問題 111

 高齢者に多く見られる疾患とその症状との組合せで誤っているのはどれか。

①. 老人性膣炎――――――白色帯下

2. パーキンソン病――――起立性低血圧

3. 頸椎症――――――――上肢のしびれ

4. 白内障――――――――視力低下

問題 112

 80歳の男性。心不全で利尿薬を服用している。昨日から下痢が4回あり、傾眠状態である。
アセスメントで適切なのはどれか。

1. 起立性低血圧

②. 脱水

3. 低アルブミン血症

4. 肝機能障害

問題 113

 死の恐怖を訴える終末期の高齢者へのケアで適切なのはどれか。

①. いつでも家族と会えるように配慮する。

2. 落ちこまないように励ます。

3. 睡眠薬の使用を検討する。

4. 楽しい話題で会話する。

問題 114

 指定介護療養型医療施設(療養病床)で正しいのはどれか。

1. 長期療養が必要と認められる要支援者を対象とする。

②. 看護職員数の基準は常勤換算方法で入院患者6人に1人以上である。

3. 介護支援専門員は入院患者100人に3人以上を配置する。

4. 病室の病床数は6床以下とする。

問題 115

 認知症(痴呆)対応型共同生活介護(グループホーム)で正しいのはどれか。

1. 介護老人保健施設を小規模化したものである。

2. 知人の来訪には時間の制限がある。

③. 入居者が中心となり掃除や洗濯などを行う。

4. 援助者は訓練的治療を計画する必要がある。

問題 116

 高齢者への訪問看護の目的で誤っているのはどれか。

1. 事故防止への援助

2. 家族介護負担の軽減

3. セルフケアへの支援

④. 居宅サービス計画の作成

問題 117

 男性介護者の現状で正しいのはどれか。

①. 配偶者を介護する者が最も多い。

2. 80歳以上の者が最も多い。

3. 5割の者が終日介護している。

4. 8割の者が3年以上介護している。

問題 118

 エリクソンによる幼児前期の発達課題はどれか。

1. 基本的信頼

②. 自律性

3. 自発性

4. 勤勉性

問題 119

 身体発育で正しいのはどれか。

①. カウプ指数15は正常範囲である。

2. 肥満度20%以上は高度肥満である。

3. 身長の発育速度は思春期に最大になる。

4. 骨端線の閉鎖が早いほど最終身長は高くなる。

問題 120

 早期新生児の看護で必要がないのはどれか。

1. 毎日の体重測定

2. 出生直後の抗菌薬の点眼

③. 沐浴時の胎脂の除去

4. 臍帯脱落までの臍部消毒

問題 121

 標準的な離乳開始の目安はどれか。

1. 生後3か月

②. 体重7kg

3. 舌の挺出反射の出現

4. 咬反射の出現

問題 122

 風疹罹患後の児童の登校開始可能時期はどれか。

1. 頸部リンパ節の腫脹消失後

2. 解熱後3日

③. 発疹消失後

4. 色素沈着消失後

問題 123

 ファロー四徴症で通院中の1歳児が入院した。
体重を把握する方法で最も適切なのはどれか。

1. 泣いている児を単独で体重計に乗せて測定する。

②. 母親が抱いて測定し、値から母親の体重を引く

3. 母親から児の体重を聞く。

4. 1か月前の受診時に測定した値を用いる。

問題 124

 採血を受ける5歳児への声掛けで適切なのはどれか。

1. 「動くと1回で終らないよ」

2. 「この検査は痛くないよ」

3. 「泣いちゃいけないよ」

④. 「終ったら何をしようか」

問題 125

 2歳児への散剤の与薬方法で正しいのはどれか。

1. 散剤と水とを口に含ませる。

2. ジュース100mlに溶く。

3. オブラートに包む。

④. 少量の白湯に溶く。

問題 126

 長期の隔離入院が子どもに及ぼす影響とその対策との組合せで誤っているのはどれか。

1. 孤独感 ――――――――――――― ビデオレターの活用

2. 感覚刺激の不足 ――――――――― テレビゲームの持込許可

3. 学校教育の中断 ――――――――― 養護学校への転籍

④. 医療従事者への恐怖心 ―――――― 医療従事者のマスク非着用

問題 127

 小児の外来看護で最も優先されるのはどれか。

①. 感染症症状の確認

2. 育児相談

3. 病棟との連携

4. 社会資源の紹介

問題 128

 幼児の心肺蘇生で正しいのはどれか。

1. 心臓マッサージ3回につき1回人工呼吸をする。

2. 心臓マッサージは60回/分を目安に行う。

③. 心臓マッサージは胸骨中央下部を圧迫する。

4. 心臓マッサージは実施者の示指と中指とで行う。

問題 129

 昭和50年(1975年)以降の推移で正しいのはどれか。

①. 雇用者全体に占める女性割合の上昇

2. 合計特殊出生率の上昇

3. 乳がん死亡率の低下

4. 未婚率の低下

問題 130

 妊娠の成立で正しいのはどれか。

1. 精子の受精能力は射精後12時間である。

2. 卵子の受精能力は排卵後48時間である。

③. 受精は卵管膨大部で起こる。

4. 受精後24時間で着床する。

問題 131

 思春期の月経で正しいのはどれか。

1. 基礎体温が二相性になると初経が発来する。

2. BMIが低いほど初経発来が早い。

③. 続発(性)無月経の原因は視床下部性が多い。

4. 月経周期は初経後2年で整順化する。

問題 132

 妊娠期のマイナートラブルと保健指導との組合せで適切なのはどれか。

1. 便秘 ―――――――― 浣腸

②. つわり ――――――― 補食

3. 下肢けいれん――――――― 葉酸摂取

4. 頻尿 ―――――――― 水分制限

問題 133

 母子健康手帳で正しいのはどれか。

1. 妊婦健康診査を受ける医療機関で交付される。

2. 妊婦健康診査の結果は妊婦が記載する。

3. 妊娠から3歳までの母と子の健康・成長記録である。

④. 子どもの予防接種記録が含まれる。

問題 134

 早期授乳の利点でないのはどれか。

1. 子宮収縮促進

②. 便秘予防

3. 乳管開通

4. 母児愛着形成

問題 135

 産褥体操で適切でないのはどれか。

1. 排尿を済ませてから実施する。

2. 産褥ガードルを外して実施する。

③. 腹筋運動から開始する。

4. 1日に2,3回実施する。

問題 136

 緊張性頸反射はどれか。


1. (1)

②. (2)

3. (3)

4. (4)

問題 137

 妊娠41週5日。点滴静脈内注射で陣痛誘発を開始した。
開始時の対応で適切なのはどれか。

①. 分娩監視装置を装着する。

2. 膀胱留置カテーテルを挿入する。

3. 抗菌薬を準備する。

4. 飲食を禁止する。

問題 138

 正期産の低出生体重児に起こりやすいのはどれか。

1. 溶血性貧血

2. 高血糖

3. 低カリウム血症

④. 高ビリルビン血症

問題 139

 産褥期に血栓性静脈炎を最も起こしやすいのはどれか。

1. 妊娠末期の鉄欠乏性貧血

2. 遷延分娩による排尿障害

3. 頸管裂傷による分娩時出血

④. 帝王切開術による離床遅延

問題 140

 昇華という防衛機制の説明で正しいのはどれか。

①. 破壊的衝動をスポーツや文化的な活動に向ける

2. 怒りの感情を直接相手にぶつけず物にあたる。

3. 嫌いな人に対して必要以上に丁寧に接する。

4. 他人の考えや良い面を模倣する。

問題 141

 希死念慮を訴えて入院したうつ病患者。1週が経過し、行動抑制は改善され始め、活動も活発化してきた。
最も注意すべきことはどれか。

1. 食事の量

2. 睡眠の質

③. 言動の変化

4. 服薬の状況

問題 142

 20代の女性。交通事故に遭って2か月が経過したが、事故の夢を見たり、事故の様子が突然よみがえり怖くて仕事が手につかないと訴えて受診した。
この障害はどれか。

1. 人格(パーソナリティ)障害

2. 感情障害

③. 心的外傷後ストレス障害

4. 全般性不安障害

問題 143

 統合失調症患者が、自宅を訪問した看護師に「あなたは先週来たとき私のお金をとったでしょう」と言葉を荒げて尋ねた。
解釈で正しいのはどれか。

1. 血統妄想がある。

2. 注察妄想がある。

3. 追跡妄想がある。

④. 被害妄想がある。

問題 144

 てんかんの患者が強直間代性のけいれん発作を起こし畳の上に仰向けに倒れた。
正しい対応はどれか。

①. 発作の接続時間を観察する。

2. 上肢を固定し発作を抑制する。

3. 舌圧子を口腔内に挿入する。

4. 頸部を固定し保護する。

問題 145

 躁状態の患者に見られる特徴的な訴えはどれか。

1. 考えが進まない。

2. 考えが外から吹き込まれる。

3. 考えが抜き取られる。

④. 考えが次々と浮かぶ。

問題 146

 陰性症状の強い統合失調症患者に対して社会復帰を促すのに適切な対応はどれか。

1. 患者の生活ペースに合わせる。

2. 患者の意思の発動を待つ。

3. 患者に今の状態を振り返らせる。

④. 患者に具体的な活動を提案する。

問題 147

 長期に抗精神病薬を服用している患者の副作用でないのはどれか。

①. 過呼吸

2. 巨大結腸症

3. 悪性症候群

4. 頻脈

問題 148

 うつ病患者がSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の服用を開始した。
観察が必要な症状はどれか。

1. 瘙痒感

②. 嘔気

3. 口唇の不随意運動

4. 徐脈

問題 149

 精神科病棟に入院中の患者に制限してはならない連絡先はどれか。

1. 同僚

2. 家族

③. 法務局

4. 警察署

問題 150

 過重労働による健康障害を防止するための総合対策で事業者が努めるのはどれか。

1. 週に24時間は休暇を取る。

②. 時間外労働を月45時間以下にする。

3. 平均睡眠時間を7時間維持する。

4. 通勤時間を片道2時間以内にする。

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