Friday, June 8, 2012

第95回 看護師国家試験 過去問題(午後)


問題 1

 遺伝で正しいのはどれか。

1. 細胞は器官によって異なる遺伝情報を持つ。

②. 3つの塩基で1種類のアミノ酸をコードする。

3. 動物と植物のDNAは異なる塩基を持つ。

4. 遺伝情報に基づき核内で蛋白合成が行われる。

問題 2

 生体内で生じた血栓を溶解するのはどれか。

1. トロンボプラスチン

2. カルシウムイオン

③. プラスミン

4. トロンビン

問題 3

 貪食能を有するのはどれか。

1. 巨核球

②. 好中球

3. 形質細胞

4. T細胞

問題 4

 心臓の刺激伝導系で最も早く興奮するのはどれか。

1. ヒス束

2. 房室結節

③. 洞結節

4. プルキンエ線維

問題 5

 中枢神経系で正しいのはどれか。

1. 大脳の表面は白質と黒質とからなる。

2. 小脳の下端に下垂体が位置する。

3. 脳幹は延髄と脊髄とからなる。

④. 間脳は視床と視床下部とからなる。

問題 6

 近くを見るときに弛緩するのはどれか。


1. ア

2. イ

③. ウ

4. エ

問題 7

 最も順応しにくいのはどれか。

①. 痛覚

2. 嗅覚

3. 味覚

4. 視覚

問題 8

 低血糖によって分泌が刺激されるのはどれか。

1. アルドステロン

2. テストステロン

③. 副腎皮質刺激ホルモン

4. 甲状腺ホルモン

問題 9

 つま先を引きずって歩行しているとき、障害されているのはどれか。

①. 前脛骨筋

2. 大腿二頭筋

3. 腓腹筋

4. ヒラメ筋

問題 10

 肺拡散能に影響を与えるのはどれか。

①. 肺胞表面積

2. 気道抵抗

3. 死腔換気量

4. 残気量

問題 11

 嚥下で正しいのはどれか。

1. 嚥下運動は不随意運動である。

2. 食塊は口腔→喉頭→食道と移動する。

3. 軟口蓋は気管と食道との交通を遮断する。

④. 食塊は蠕動運動によって食道内を移送される。

問題 12

 腎臓でナトリウムイオンの再吸収を促進するのはどれか。

1. バソプレシン

②. アルドステロン

3. レニン

4. 心房性ナトリウム利尿ペプチド

問題 13

 腰髄レベルの脊髄損傷による排便障害で正しいのはどれか。

1. 横隔膜を収縮できない。

2. 腹筋を収縮できない。

3. 内肛門括約筋を弛緩できない。

④. 外肛門括約筋を収縮できない。

問題 14

 精子の形成を促すのはどれか。

1. 黄体形成ホルモン

②. 卵胞刺激ホルモン

3. プロラクチン

4. 成長ホルモン

問題 15

 末梢血管抵抗が低下するのはどれか。

1. 心筋梗塞に伴うショック

②. アナフィラキシーショック

3. 出血性ショック

4. 肺動脈塞栓症に伴うショック

問題 16

 正のフィードバック機構はどれか。

1. 血圧上昇時の心拍数減少

2. 体温上昇時の発汗

③. 分娩時の子宮収縮

4. 多飲時の尿量増加

問題 17

 消化管の腫瘍で正しいのはどれか。

1. 腺腫は非上皮性腫瘍である。

2. 大腸の腺腫は癌化しない。

③. 癌腫は上皮性腫瘍である

4. 平滑筋腫は上皮性腫瘍である。

問題 18

 ツベルクリン反応の機序はどれか。

1. Ⅰ型アレルギー

2. Ⅱ型アレルギー

3. Ⅲ型アレルギー

④. Ⅳ型アレルギー

問題 19

 輸血によって感染しないのはどれか。

1. C型肝炎

2. 成人T細胞白血病

3. 伝染性紅斑

④. クラミジア感染症

問題 20

 皮膚・髪・鼻腔が感染源になるのはどれか。

①. 黄色ブドウ球菌

2. レンサ球菌

3. B型肝炎ウイルス

4. ヒト免疫不全ウイルス

問題 21

 クロイツフェルト・ヤコブ病で正しいのはどれか。

①. 現時点では根治療法がない。

2. 性的接触によって感染する。

3. 病原体はウイルスである。

4. 項部強直がみられる。

問題 22

 少量投与によって血小板の機能を抑制し血栓形成を防ぐのはどれか。

①. アスピリン

2. クエン酸ナトリウム

3. ヘパリン

4. ウロキナーゼ

問題 23

 潰瘍性大腸炎で正しいのはどれか。

1. 回盲部に好発する。

2. 大量の水様性下痢をみる。

3. 家族性に発症する。

④. 大腸癌の危険因子である。

問題 24

 2型糖尿病で正しいのはどれか。

①. インスリンの作用不足に基づく。

2. 体重減少と血糖値改善は比例する。

3. 若年者ではインスリン注射が不可欠である。

4. ケトーシスを生じることはない。

問題 25

 抗癌薬による治療を受けていたAさんに、一昨日から発熱と乏尿とがみられる。血圧92/60mmHg、尿比重1.005。
 最も考えられるのはどれか。

1. 脱水

2. 心不全

3. 急性腎盂腎炎

④. 急性尿細管壊死

問題 26

 膝関節を含むギプス固定で起こりやすいのはどれか。


1. (1)

2. (2)

3. (3)

④. (4)

問題 27

 瘙痒が強いのはどれか。

1. 紫斑病

2. 爪白癬

③. 接触皮膚炎

4. 結節性紅班

問題 28

 良性乳腺腫瘍の視診・触診で正しいのはどれか。

1. えくぼ症状がある。

②. 境界は明瞭である。

3. 表面に凹凸がある。

4. 可動性が乏しい。

問題 29

 トータル・ヘルスプロモーション・プラン(THP)の指導で全ての労働者に対して行われるのはどれか。

1. 栄養指導

2. 心理相談

③. 運動指導

4. 治療相談

問題 30

 医療過誤で正しいのはどれか。

①. 医療機関・医療従事者の過失による。

2. 事故に至らなかったものも含む。

3. 非侵襲的行為によるものは含まない。

4. 被害者に医療従事者が含まれる。

問題 31

 5歳の男児。両親との3人家族。交通事故に遭い、遷延性意識障害で5か月間入院した。両親が在宅療養を希望し、介護方法の指導を受けて退院した。現在は経鼻経管栄養を1日3回実施し、排泄は失禁状態でおむつを使用している。口腔内に唾液が貯留するため、吸引を必要としている。父親は会社員で出張が多く、世話は母親が1人で行っている。

初回の訪問看護で優先度の高い情報はどれか。

1. 経済力

2. 男児の友人の人数

3. 家屋の構造

④. 母親の介護技術

問題 32

 5歳の男児。両親との3人家族。交通事故に遭い、遷延性意識障害で5か月間入院した。両親が在宅療養を希望し、介護方法の指導を受けて退院した。現在は経鼻経管栄養を1日3回実施し、排泄は失禁状態でおむつを使用している。口腔内に唾液が貯留するため、吸引を必要としている。父親は会社員で出張が多く、世話は母親が1人で行っている。

最近、唾液量が多く頻繁にむせるようになってきた。児はテレビの画面に反応して開眼することがあるため、母親は児をテレビと向き合う右側臥位にさせていることが多くなった。
最も起こりやすいのはどれか。

1. 口内炎

②. 肺炎

3. 膀胱炎

4. 関節炎

問題 33

 5歳の男児。両親との3人家族。交通事故に遭い、遷延性意識障害で5か月間入院した。両親が在宅療養を希望し、介護方法の指導を受けて退院した。現在は経鼻経管栄養を1日3回実施し、排泄は失禁状態でおむつを使用している。口腔内に唾液が貯留するため、吸引を必要としている。父親は会社員で出張が多く、世話は母親が1人で行っている。

母親は「介護に疲れてしまった」と、訪問看護師に繰り返し言った。
母親への提案で最も適切なのはどれか。

1. 男児の再入院

2. 男児の施設入所

③. ホームヘルパーの利用

4. 児童相談所の活用

問題 34

 Aさん、92歳の男性。高血圧症と両膝関節症。要介護3。室内を這いながら移動し、在宅で生活している。介護者である妻(85歳:要介護1)と2人暮らし。妻は「通帳を盗まれた」「財布がなくなった」などと言うことが多くなったが、身体的には腰痛があるだけで日常の家事は何とかこなしている。若いときから近所との交流は全くない。独身の長男は同敷地内別棟に住んでいるが、生計は別で介護への協力はない。訪問介護サービスを週1回利用することになった。

在宅生活を継続するために、訪問看護師が把握しなければならない情報で優先度が高いのはどれか。

1. 長男からの経済的支援

2. 介護保険の利用状況

3. 通帳と財布の保管場所

④. 妻の病状

問題 35

 Aさん、92歳の男性。高血圧症と両膝関節症。要介護3。室内を這いながら移動し、在宅で生活している。介護者である妻(85歳:要介護1)と2人暮らし。妻は「通帳を盗まれた」「財布がなくなった」などと言うことが多くなったが、身体的には腰痛があるだけで日常の家事は何とかこなしている。若いときから近所との交流は全くない。独身の長男は同敷地内別棟に住んでいるが、生計は別で介護への協力はない。訪問介護サービスを週1回利用することになった。

AさんのADL低下が著しくなったが、妻は「もう少し夫婦2人で自宅で暮らしたい」と希望している。
訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

1. Aさんの機能訓練を積極的に勧める。

2. Aさんの施設入所を勧める。

3. 妻に趣味を持つように勧める。

④. 緊急時の対応について確認する。

問題 36

 Aさん、92歳の男性。高血圧症と両膝関節症。要介護3。室内を這いながら移動し、在宅で生活している。介護者である妻(85歳:要介護1)と2人暮らし。妻は「通帳を盗まれた」「財布がなくなった」などと言うことが多くなったが、身体的には腰痛があるだけで日常の家事は何とかこなしている。若いときから近所との交流は全くない。独身の長男は同敷地内別棟に住んでいるが、生計は別で介護への協力はない。訪問介護サービスを週1回利用することになった。

妻の介護負担を軽減するために考えられる介護保険サービスで適切なのはどれか。

1. 介護タクシー

②. 訪問介護

3. 配食サービス

4. グループホーム

問題 37

 22歳の男性。20歳のとき、建築作業中の事故で第5頸髄を損傷し、現在両親と3人暮らし。自宅で母親が介護している。ここ2か月、大半の時間を車椅子に乗車し、朝方までパソコンを操作して過ごしている。食事は不規則でスナック菓子で済ませることが多い。身長170cm、体重75kg。膀胱瘻を造設している。

パソコン操作中は車椅子からずり落ちそうになっていることも多い。褥瘡が最もできやすいのはどれか。

1. 後頭部

②. 坐骨結節部

3. 大転子部

4. 大腿後面

問題 38

 22歳の男性。20歳のとき、建築作業中の事故で第5頸髄を損傷し、現在両親と3人暮らし。自宅で母親が介護している。ここ2か月、大半の時間を車椅子に乗車し、朝方までパソコンを操作して過ごしている。食事は不規則でスナック菓子で済ませることが多い。身長170cm、体重75kg。膀胱瘻を造設している。

1週前から食事摂取量が少ない状態が続いている。尿中に浮遊物が多くなり、膀胱瘻カテーテルの閉塞を起こし、往診医がカテーテルを交換した。感染徴候はない。
訪問看護師の指導で適切なのはどれか。

①. 水分を多く摂取する。

2. 腹部温罨法を行う。

3. 臥床時間を長くする。

4. 下腹部を用手圧迫する。

問題 39

 22歳の男性。20歳のとき、建築作業中の事故で第5頸髄を損傷し、現在両親と3人暮らし。自宅で母親が介護している。ここ2か月、大半の時間を車椅子に乗車し、朝方までパソコンを操作して過ごしている。食事は不規則でスナック菓子で済ませることが多い。身長170cm、体重75kg。膀胱瘻を造設している。

訪問看護師は、1日3回家族と一緒に食事をすることを提案した。
指導の目的で誤っているのはどれか。

1. 食事内容の改善

2. 生活リズムの改善

③. 体重の増加

4. 家族との交流促進

問題 40

 60歳の男性。右主気管支入口部の扁平上皮癌に対する放射線療法施行後、肺炎を起こした。入院時、体温37.2℃、呼吸数20/分、脈拍数86/分、整、血圧124/74mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)92%、右呼吸音が弱く、喘鳴がある。白色粘稠痰を少量ずつ喀出しているが、息を吐き出しにくいと呼吸困難を訴えている。抗菌薬が投与され、鼻腔カニューレでの酸素投与が3ℓ/分で開始された。

息を吐き出しにくい原因で考えられるのはどれか。

1. 胸水貯留

②. 気道狭窄

3. 気胸

4. 放射線肺炎

問題 41

 60歳の男性。右主気管支入口部の扁平上皮癌に対する放射線療法施行後、肺炎を起こした。入院時、体温37.2℃、呼吸数20/分、脈拍数86/分、整、血圧124/74mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)92%、右呼吸音が弱く、喘鳴がある。白色粘稠痰を少量ずつ喀出しているが、息を吐き出しにくいと呼吸困難を訴えている。抗菌薬が投与され、鼻腔カニューレでの酸素投与が3ℓ/分で開始された。

入院時の対応で適切なのはどれか。

1. 呼吸回数を増やすよう促す。

②. 痰を吸引する。

3. 器具による呼吸訓練を勧める。

4. 口すぼめ呼吸を指導する

問題 42

 60歳の男性。右主気管支入口部の扁平上皮癌に対する放射線療法施行後、肺炎を起こした。入院時、体温37.2℃、呼吸数20/分、脈拍数86/分、整、血圧124/74mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)92%、右呼吸音が弱く、喘鳴がある。白色粘稠痰を少量ずつ喀出しているが、息を吐き出しにくいと呼吸困難を訴えている。抗菌薬が投与され、鼻腔カニューレでの酸素投与が3ℓ/分で開始された。

3日後、病状は改善せず食事もほとんど摂取できないため、輸液が開始され、酸素投与はリザーバーマスク5ℓ/分に変更された。その夜、体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍数128/分、整、血圧88/68mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)90%となった。この日の輸液量は1,600ml、尿量は300ml。血液所見は、白血球16,800/μl、CRP18.6mg/dl。声をかけるとようやく返答するが、すぐうとうとしてしまう。
この状況のアセスメントで最も適切なのはどれか。

1. 呼吸筋の疲労

2. 心原性ショック

③. 敗血症性ショック

4. 脱水

問題 43

 55歳の男性。営業職、10年前に定期健康診断で高血圧症と高脂血症とを指摘され、薬物治療を続けていた。2年前から階段昇降時に胸部圧迫感を感じていた。
今朝、駅の階段を登ったところ、胸痛と息苦しさとが出現し、労作性狭心症の疑いで入院した。身長170cm、体重84kg、脈拍数84/分、整、血圧162/80mmHg。入院後の12誘導心電図は正常である。血清クレアチンキナーゼ(CK)、AST(GOT)の上昇はみられない。

入院直後に行われる処置で適切なのはどれか。

①. 心電図の持続モニタリング

2. 中心静脈圧の測定

3. 動脈ラインの確保

4.  IABP(大動脈内バルーン・パンピング)

問題 44

 55歳の男性。営業職、10年前に定期健康診断で高血圧症と高脂血症とを指摘され、薬物治療を続けていた。2年前から階段昇降時に胸部圧迫感を感じていた。
今朝、駅の階段を登ったところ、胸痛と息苦しさとが出現し、労作性狭心症の疑いで入院した。身長170cm、体重84kg、脈拍数84/分、整、血圧162/80mmHg。入院後の12誘導心電図は正常である。血清クレアチンキナーゼ(CK)、AST(GOT)の上昇はみられない。

翌日の午前中に冠状動脈造影を行うことになった。
事前の説明で適切なのはどれか。

1. 検査は全身麻酔で行われる。

2. 造影で息苦しさが改善される。

③. 検査後、穿刺部の圧迫止血が行われる。

4. 造影用カテーテルは24時間留置される。

問題 45

 55歳の男性。営業職、10年前に定期健康診断で高血圧症と高脂血症とを指摘され、薬物治療を続けていた。2年前から階段昇降時に胸部圧迫感を感じていた。
今朝、駅の階段を登ったところ、胸痛と息苦しさとが出現し、労作性狭心症の疑いで入院した。身長170cm、体重84kg、脈拍数84/分、整、血圧162/80mmHg。入院後の12誘導心電図は正常である。血清クレアチンキナーゼ(CK)、AST(GOT)の上昇はみられない。

容態は安定し退院が決まった。
退院後の生活指導で適切なのはどれか。

1. 「胸痛が出現したら救急車を呼んでください」

2. 「階段の昇降はしないでください」

③. 「塩分は1日7g以内を目指してください」

4. 「蛋白質は1日30g以内にしてください」

問題 46

 64歳の男性。最近仕事上のストレスが続き、疲労感を訴えていた。1~2か月前から食事のつかえ感があり、体重が2か月で10kg減少したため受診した。検査の結果、胸部食道癌と診断された。検査所見は、Hb9.5g/dl、血清総蛋白5.4g/dl、アルブミン2.5g/dl、AST(GOT)24単位/ℓ、尿素窒素18mg/dl、プロトロンビン時間10秒。手術目的で入院した。

手術前の身体的リスクが最も高いのはどれか。

①. 低栄養状態

2. 肝機能障害

3. 腎機能障害

4. 出血傾向

問題 47

 64歳の男性。最近仕事上のストレスが続き、疲労感を訴えていた。1~2か月前から食事のつかえ感があり、体重が2か月で10kg減少したため受診した。検査の結果、胸部食道癌と診断された。検査所見は、Hb9.5g/dl、血清総蛋白5.4g/dl、アルブミン2.5g/dl、AST(GOT)24単位/ℓ、尿素窒素18mg/dl、プロトロンビン時間10秒。手術目的で入院した。

右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術が行われた。術後、人工呼吸器が装着され、術後2日朝に気管チューブを抜管した。創部痛のため痰の喀出が少なかった。その日の夕方、患者は呼吸困難を訴え、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂)が93%に低下した。右下肺野で肺雑音を聴取したが、胸郭の動きに左右差はなかった。
患者に起こっていると考えられるのはどれか。

1. 右肺気胸

2. 食道気管支瘻

③. 無気肺

4. 縦隔炎

問題 48

 64歳の男性。最近仕事上のストレスが続き、疲労感を訴えていた。1~2か月前から食事のつかえ感があり、体重が2か月で10kg減少したため受診した。検査の結果、胸部食道癌と診断された。検査所見は、Hb9.5g/dl、血清総蛋白5.4g/dl、アルブミン2.5g/dl、AST(GOT)24単位/ℓ、尿素窒素18mg/dl、プロトロンビン時間10秒。手術目的で入院した。

 術後14日、五分粥食を摂取しているが、嗄声があり、時々食事中にむせている。
 食事指導で適切なのはどれか。

1. 水分で流し込みながら食べる。

2. 固形物摂取を一時控える。

3. 食後は仰臥位で過ごす。

④. 一口ずつゆっくり食べる。

問題 49

 Aさん、26歳の女性。夫、3歳と生後6か月の子どもとの4人家族で、現在授乳中である。頸部腫大に気付き近医を受診したところ、甲状腺機能亢進症と診断された。

出現している可能性が高いのはどれか。

1. 日中の眠気

2. 満月様顔貌

3. 末端肥大

④. 易疲労感

問題 50

 Aさん、26歳の女性。夫、3歳と生後6か月の子どもとの4人家族で、現在授乳中である。頸部腫大に気付き近医を受診したところ、甲状腺機能亢進症と診断された。

甲状腺アイソトープ(123I)摂取率検査を受けることになった。
検査前の説明で正しいのはどれか。

1. 検査前後3日間は子どもを抱っこできない。

2. 検査中は搾乳によって母乳を続けることができる。

③. 検査の1週前から海藻類の摂取を避ける。

4. 検査前にヨード剤で含嗽を行う。

問題 51

 Aさん、26歳の女性。夫、3歳と生後6か月の子どもとの4人家族で、現在授乳中である。頸部腫大に気付き近医を受診したところ、甲状腺機能亢進症と診断された。

3歳の子どもが風邪をひいたのをきっかけに、Aさんも40℃の発熱、頻脈、嘔気、嘔吐、下痢、呼吸困難を起こし、救急車で来院した。意識レベルの低下もみられる。
最も考えられるのはどれか。

1. テタニー

②. クリーゼ

3. 代謝性アルカローシス

4. CO₂ナルコーシス

問題 52

 28歳の女性。会社員(経理係)。最近手指の関節に痛みを感じるようになったが、腱鞘炎と思い湿布薬やマッサージで様子を見ていた。しかし、徐々に肘関節に痛みとこわばりが出現し、微熱と全身倦怠感もみられるようになった。医師から「関節が少し腫れているようですね。診断のため血液検査をいくつかしましょう」と言われ、外来通院することになった。

診断に役立つのはどれか。

①. C反応性蛋白(CRP)

2. αフェトプロテイン(AFP)

3. ヒト白血球抗原(HLA)

4. ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)

問題 53

 28歳の女性。会社員(経理係)。最近手指の関節に痛みを感じるようになったが、腱鞘炎と思い湿布薬やマッサージで様子を見ていた。しかし、徐々に肘関節に痛みとこわばりが出現し、微熱と全身倦怠感もみられるようになった。医師から「関節が少し腫れているようですね。診断のため血液検査をいくつかしましょう」と言われ、外来通院することになった。

薬物療法でしばらく様子をみることになった。
生活指導で適切なのはどれか。

①. 関節を保温する。

2. 部屋の湿度を高く保つ。

3. 低カルシウム食を心掛ける。

4. 寝具は柔らかいマットレスを使用する。

問題 54

 28歳の女性。会社員(経理係)。最近手指の関節に痛みを感じるようになったが、腱鞘炎と思い湿布薬やマッサージで様子を見ていた。しかし、徐々に肘関節に痛みとこわばりが出現し、微熱と全身倦怠感もみられるようになった。医師から「関節が少し腫れているようですね。診断のため血液検査をいくつかしましょう」と言われ、外来通院することになった。

手関節と肘関節の痛みが増強し、食材の買い物が負担になってきた。
荷物の持ち方で適切なのはどれか。


1. (1)

②. (2)

3. (3)

4. (4)

問題 55

 76歳の女性。夫と2人暮らし。毎朝散歩し、週2回趣味の会に外出していた。散歩中にしりもちをつき、殿部から腰背部にかけて痛みがあったが放置していた。2週前から痛みのため徐々に布団から1人で起き上がれなくなり、夫の介助でトイレに行くが、ふらつくようになった。5日前から、1日中臥床するようになった。市販の弁当と緑茶で食事を済ませていた。
夫の介助で受診し入院した。検査の結果、骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折と診断され、鎮痛薬とコルセットが処方された。

入院時のアセスメントで最も適切なのはどれか。

1. 嚥下困難がある。

②. 筋力の低下がある。

3. 関節の強直がある。

4. 痛みは我慢できる程度である。

問題 56

 76歳の女性。夫と2人暮らし。毎朝散歩し、週2回趣味の会に外出していた。散歩中にしりもちをつき、殿部から腰背部にかけて痛みがあったが放置していた。2週前から痛みのため徐々に布団から1人で起き上がれなくなり、夫の介助でトイレに行くが、ふらつくようになった。5日前から、1日中臥床するようになった。市販の弁当と緑茶で食事を済ませていた。
夫の介助で受診し入院した。検査の結果、骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折と診断され、鎮痛薬とコルセットが処方された。

コルセットをつけて病室内を歩くようになった。
適切なのはどれか。

①. ゆっくりとした歩行を勧める。

2. 痛みが強いときはきつく締め歩行する。

3. 腹部を圧迫するので食事の量を控えめにする。

4. 就寝中も装着するように勧める。

問題 57

 76歳の女性。夫と2人暮らし。毎朝散歩し、週2回趣味の会に外出していた。散歩中にしりもちをつき、殿部から腰背部にかけて痛みがあったが放置していた。2週前から痛みのため徐々に布団から1人で起き上がれなくなり、夫の介助でトイレに行くが、ふらつくようになった。5日前から、1日中臥床するようになった。市販の弁当と緑茶で食事を済ませていた。
夫の介助で受診し入院した。検査の結果、骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折と診断され、鎮痛薬とコルセットが処方された。

順調に経過し退院が決まった。
退院時の生活指導で適切なのはどれか。

1. 肉類中心の食事を勧める。

2. 布団は軟らかいものを使用する。

3. 痛みが消失してもコルセットの使用を継続する。

④. 散歩や趣味の会への外出を勧める。

問題 58

 78歳の男性。自宅で突然倒れ救急車で来院した。体温36.5℃、呼吸数14/分、脈拍数80/分、血圧180/100mmHg、ジャパン・コーマ・スケールⅢ-100であった。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存療法を行うことになった。

意識レベルを判断したときの患者の状態はどれか。

1. 声かけすると覚醒する。

2. 呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する。

③. 痛み刺激で払いのける動作がみられるが、開眼しない。

4. 痛み刺激に反応しない。

問題 59

 78歳の男性。自宅で突然倒れ救急車で来院した。体温36.5℃、呼吸数14/分、脈拍数80/分、血圧180/100mmHg、ジャパン・コーマ・スケールⅢ-100であった。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存療法を行うことになった。

入院後、意識状態は改善し、車椅子でトイレでの排泄が可能になったころから、左肩関節の熱感と痛みとを訴えはじめた。
対応で適切なのはどれか。

1. 関節可動域訓練を積極的に行う。

②. 三角巾で固定する。

3. 温罨法を行う。

4. ベッド上安静にする。

問題 60

 78歳の男性。自宅で突然倒れ救急車で来院した。体温36.5℃、呼吸数14/分、脈拍数80/分、血圧180/100mmHg、ジャパン・コーマ・スケールⅢ-100であった。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存療法を行うことになった。

1か月後歩行可能になったが、身体の片側を壁や扉にぶつけるようになった。廊下で看護師とすれ違っても気付かないことがある。
どのような異常が生じていると考えられるか。

①. 半側空間無視

2. 失行

3. 見当識障害

4. 記憶障害

問題 61

 94歳の男性。身長150cm、体重38kg。家族と暮らしている。白内障のため視力低下があるが、食事はこぼしながらも自力で摂取していた。高度難聴のため家族は手掌上の指筆談で意思疎通を図っていた。軽度前立腺肥大があるが、排尿障害はない。
自宅でトイレへ行こうとしたときに転倒し、動けなくなったため入院した。右大腿骨頸部骨折と診断され、鋼線牽引3kgを開始した。

家族から牽引中の食事はどのようにするのかと質問があった。
説明で適切なのはどれか。

1. 「上体は水平のまま、輸液で栄養を補給します」

2. 「上体を40度ぐらい起こして、鼻からチューブで栄養を補給します」

③. 「上体を40度ぐらい起こして、介助で食べていただきます」

4. 「寝たまま体を横に向けた姿勢で、ご自分で食べていただきます」

問題 62

 94歳の男性。身長150cm、体重38kg。家族と暮らしている。白内障のため視力低下があるが、食事はこぼしながらも自力で摂取していた。高度難聴のため家族は手掌上の指筆談で意思疎通を図っていた。軽度前立腺肥大があるが、排尿障害はない。
自宅でトイレへ行こうとしたときに転倒し、動けなくなったため入院した。右大腿骨頸部骨折と診断され、鋼線牽引3kgを開始した。

腰椎麻酔下で内固定法による骨接合術が行われた。術後ブラウン架台上で良肢位がとられた。手術当日の夜、点滴チューブを引っぱりながら「お侍さんが朝から俺の手足を縛って、大きな鐘を鳴らしている」と身体を動かしながら大声で言い続けている。
対応で最も適切なのはどれか。

1. 今は夜なので静かに眠るよう説明した。

②. 手足の紐を外したので安心するよう説明した。

3. 鐘の音は難聴のために聞こえないことを説明した。

4. 点滴静脈内注射の必要性を説明した。

問題 63

 94歳の男性。身長150cm、体重38kg。家族と暮らしている。白内障のため視力低下があるが、食事はこぼしながらも自力で摂取していた。高度難聴のため家族は手掌上の指筆談で意思疎通を図っていた。軽度前立腺肥大があるが、排尿障害はない。
自宅でトイレへ行こうとしたときに転倒し、動けなくなったため入院した。右大腿骨頸部骨折と診断され、鋼線牽引3kgを開始した。

退院時に大腿骨頸部骨折予防装具(hip protector)を使用することになった。
使用の理由で最も考えにくいのはどれか。

1. 低体重

2. 筋力低下

3. 白内障

④. 前立腺肥大症

問題 64

 在胎39週、3,200gで出生した男児。鎖肛のため小児専門病院に移送された。倒立エックス線撮影で高位鎖肛と診断されたが、他の合併奇形はみられなかった。父親に説明し同意を得て、生後1日に人工肛門造設術が行われた。

手術は無事終了した。父親は主治医から手術結果と今後の見通しとについて説明を受けたが、その後同席していた看護師に「この子は将来どうなってしまうのでしょう」と不安そうに話しかけた。
対応で適切なのはどれか。

1. 根治手術が終了したことを話す。

②. 心配の内容について話し合う。

3. 人工肛門のケアについて説明する。

4. 在宅ケアの情報を伝える。

問題 65

 在胎39週、3,200gで出生した男児。鎖肛のため小児専門病院に移送された。倒立エックス線撮影で高位鎖肛と診断されたが、他の合併奇形はみられなかった。父親に説明し同意を得て、生後1日に人工肛門造設術が行われた。

術後1日の看護で適切なのはどれか。

1. 排尿ごとにガーゼ交換する。

2. 泣かせないようにする。

③. 経鼻胃管から十分吸引する。

4. 全身を抑制する。

問題 66

 在胎39週、3,200gで出生した男児。鎖肛のため小児専門病院に移送された。倒立エックス線撮影で高位鎖肛と診断されたが、他の合併奇形はみられなかった。父親に説明し同意を得て、生後1日に人工肛門造設術が行われた。

術後の経過は良好であった。1週後、産科を退院した母親は父親とともに面会に訪れた。母親は「普通に触っても大丈夫かしら」と看護師に話しかけた。
母親への対応で最初に行うのはどれか。

1. 手術経過を説明する。

2. 窓越しに面会してもらう。

③. 抱っこを勧める。

4. 人工肛門を見るように促す。

問題 67

 1歳6か月の女児。父親と専業主婦の母親との3人家族である。6日前から発熱と左頸部リンパ節腫張があり、近医を受診していた。熱が下がらず、体幹に発疹が出現し眼球結膜の充血、いちご舌があり、紹介されて入院した。入院時、体温39.5℃、呼吸数32/分、心拍数145/分。川崎病と診断された。

入院当日、女児は機嫌が悪く泣いており、母親が帰宅しようとすると、さらに激しく泣き叫んだ。
このときの対応で最も適切なのはどれか。

①. 母親に面会を延長してもらう。

2. お気に入りの毛布を持ってきてもらう。

3. 身体を使った遊びや散歩に誘う。

4. 他児のおもちゃを借りる。

問題 68

 1歳6か月の女児。父親と専業主婦の母親との3人家族である。6日前から発熱と左頸部リンパ節腫張があり、近医を受診していた。熱が下がらず、体幹に発疹が出現し眼球結膜の充血、いちご舌があり、紹介されて入院した。入院時、体温39.5℃、呼吸数32/分、心拍数145/分。川崎病と診断された。

血液検査の結果、白血球15,000/μl、血小板45万/μl、CRP4.8mg/dlであり、γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。開始10分後に女児は腹部をかきはじめ、喘鳴と口唇のチアノーゼが出現した。
女児に起こっているのはどれか。

①. アレルギー反応

2. けいれん発作

3. 心筋梗塞

4. クループ

問題 69

 1歳6か月の女児。父親と専業主婦の母親との3人家族である。6日前から発熱と左頸部リンパ節腫張があり、近医を受診していた。熱が下がらず、体幹に発疹が出現し眼球結膜の充血、いちご舌があり、紹介されて入院した。入院時、体温39.5℃、呼吸数32/分、心拍数145/分。川崎病と診断された。

病日17日の心エコー検査で軽度の冠状動脈瘤の形成が認められた。主治医からの検査結果の説明後、母親は児の将来を悲観し泣きじゃくっている。
対応で最も優先されるのはどれか。

1. 川崎病のパンフレットを渡す。

2. 父親と連絡をとるように勧める。

③. 母親からじっくり話を聞く。

4. 川崎病の親の会を紹介する。

問題 70

 7歳の男児。10日前に急性扁桃炎に罹患し、近医で治療を受けていた。2日前から食欲が低下し、尿量の減少と眼瞼浮腫とが出現したため、外来を受診した。体温36.7℃、脈拍数72/分、血圧136/86mmHg。尿検査では肉眼的血尿がみられ、尿蛋白(2+)、尿沈渣で赤血球円柱が多数確認され、急性糸球体腎炎と診断された。血液検査の結果、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、ストレプトリジンO抗体(ASO)は上昇、補体価(CH50)は低下していた。男児は4人部屋に入院した。

入院当初の看護で正しいのはどれか。

1. 食事の制限をしない。

②. ベッド上安静とする。

3. 体重測定を週1回行う。

4. 毎日入浴させる。

問題 71

 7歳の男児。10日前に急性扁桃炎に罹患し、近医で治療を受けていた。2日前から食欲が低下し、尿量の減少と眼瞼浮腫とが出現したため、外来を受診した。体温36.7℃、脈拍数72/分、血圧136/86mmHg。尿検査では肉眼的血尿がみられ、尿蛋白(2+)、尿沈渣で赤血球円柱が多数確認され、急性糸球体腎炎と診断された。血液検査の結果、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、ストレプトリジンO抗体(ASO)は上昇、補体価(CH50)は低下していた。男児は4人部屋に入院した。

起こりにくい合併症はどれか。

1. 高血圧性脳症

2. 腎不全

3. 心不全

④. 肝不全

問題 72

 7歳の男児。10日前に急性扁桃炎に罹患し、近医で治療を受けていた。2日前から食欲が低下し、尿量の減少と眼瞼浮腫とが出現したため、外来を受診した。体温36.7℃、脈拍数72/分、血圧136/86mmHg。尿検査では肉眼的血尿がみられ、尿蛋白(2+)、尿沈渣で赤血球円柱が多数確認され、急性糸球体腎炎と診断された。血液検査の結果、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、ストレプトリジンO抗体(ASO)は上昇、補体価(CH50)は低下していた。男児は4人部屋に入院した。

 入院7日。男児の病状は改善し、ベッド上で飛び跳ねたり、ベッドから飛び降りたりしはじめ、繰り返し注意されている。
 対応で適切なのはどれか。

1. 母親から抑制の許可を得る。

2. 主治医に厳しく注意してもらう。

3. 大部屋から個室に移す。

④. 静かにできる遊びを一緒に考える。

問題 73

 36歳の1回経産婦。第1子は2歳3か月。妊娠38週6日、午前0時40分、15分間欠の規則的な子宮収縮で入院した。午前3時30分に、10分間欠の陣痛となった。その後順調に経過し、午前9時30分に子宮口全開大、9時35分2,898gの男児を出産した。午前9時40分に胎盤を娩出した。その後、分娩台で初回授乳を行い、午前11時40分、子宮底臍下3横指、硬度良好、車椅子で帰室した。

分娩所要時間はどれか。

1. 6時間5分

②. 6時間10分

3. 8時間55分

4. 9時間

問題 74

 36歳の1回経産婦。第1子は2歳3か月。妊娠38週6日、午前0時40分、15分間欠の規則的な子宮収縮で入院した。午前3時30分に、10分間欠の陣痛となった。その後順調に経過し、午前9時30分に子宮口全開大、9時35分2,898gの男児を出産した。午前9時40分に胎盤を娩出した。その後、分娩台で初回授乳を行い、午前11時40分、子宮底臍下3横指、硬度良好、車椅子で帰室した。

帰室1時間後、後陣痛の訴えがあった。子宮底臍下2横指、硬度良好、血性悪露が中等量あった。
対応で適切なのはどれか。

1. 子宮底をマッサージする。

2. 下腹部の冷罨法を行う。

③. シムス位を促す。

4. 再度授乳を行う。

問題 75

 36歳の1回経産婦。第1子は2歳3か月。妊娠38週6日、午前0時40分、15分間欠の規則的な子宮収縮で入院した。午前3時30分に、10分間欠の陣痛となった。その後順調に経過し、午前9時30分に子宮口全開大、9時35分2,898gの男児を出産した。午前9時40分に胎盤を娩出した。その後、分娩台で初回授乳を行い、午前11時40分、子宮底臍下3横指、硬度良好、車椅子で帰室した。

産褥2日。褥婦の乳房はⅢ型。乳頭はやわらかく突出し、乳管開通は左右とも3、4本、乳房の緊満が軽度みられる。昨日から母子同室になった。授乳時「この子は泣いてばかりで、その都度おっぱいを吸わせるが張ってきません。上の子はミルクで育てました。今回は母乳で育てたいのですができるか心配です」と看護師に訴えた。
対応で最も適切なのはどれか。

①. 順調な経過をたどっていることを説明する

2. 時間を決めて母乳を与えるように勧める。

3. ミルクを補充するように勧める。

4. 泣いたときにおしゃぶりを与えるように勧める。

問題 76

 22歳の初産婦。妊娠40週2日、午前1時30分に陣痛が発来し、会陰切開術後、午前2時15分、吸引分娩で3,400gの女児を出産した。分娩直後から縫合部の痛みを訴えている。出生6時間後、新生児の頭部に骨縫合線を越えない直径5cm大の緊張性のある腫瘤がみられた。

腫瘤の消失時期はどれか。

1. 12時間

2. 2~3日

3. 1週

④. 1~2か月

問題 77

 22歳の初産婦。妊娠40週2日、午前1時30分に陣痛が発来し、会陰切開術後、午前2時15分、吸引分娩で3,400gの女児を出産した。分娩直後から縫合部の痛みを訴えている。出生6時間後、新生児の頭部に骨縫合線を越えない直径5cm大の緊張性のある腫瘤がみられた。

産褥1日。体温37.2℃、脈拍数80/分、血圧104/70mmHg。母子同室が開始された。翌朝「とても疲れました。赤ちゃんが気になってあまり眠れませんでした。傷も痛いし、お小水もすっきりしません」と涙ぐんでいた。
対応で適切なのはどれか。

1. 「しばらくすれば傷の痛みはよくなります」

②. 「ひとまず赤ちゃんを預かりましょう」

3. 「尿を管で取ってすっきりしましょう」

4. 「慣れるまで頑張りましょう」

問題 78

 22歳の初産婦。妊娠40週2日、午前1時30分に陣痛が発来し、会陰切開術後、午前2時15分、吸引分娩で3,400gの女児を出産した。分娩直後から縫合部の痛みを訴えている。出生6時間後、新生児の頭部に骨縫合線を越えない直径5cm大の緊張性のある腫瘤がみられた。

生後5日。体重3,160g、体温37.3℃、呼吸数36/分、心拍数130/分。便は黄色泥状で粘液を含み甘酸っぱい臭気がある。皮膚は乾燥し、亀裂と落屑がある。股関節を開排するとクリックサインがある。
生理的な状態を逸脱しているのはどれか。

1. 体重減少

2. 便の性状

3. 皮膚の状態

④. 股関節の動き

問題 79

 30歳の1回経産婦。身長158cm、非妊時体重50kg。妊娠32週5日の健康診査の結果、子宮底長23cm、腹囲80cm、体重56.5kg、血圧154/98mmHg、下肢浮腫(+)。尿蛋白(±)、尿糖(-)、Hb11.2g/dl。胎児心拍数140/分、推定児体重1,100g。30分のNST(nonstress test)で3回の一過性頻脈がみられた。近くに住む実母に1歳6か月の長男を預けて入院した。

入院時のアセスメントで適切なのはどれか。

1. 肥満妊婦

2. 妊婦貧血

3. 胎児仮死徴候

④. 胎児発育遅延徴候

問題 80

 30歳の1回経産婦。身長158cm、非妊時体重50kg。妊娠32週5日の健康診査の結果、子宮底長23cm、腹囲80cm、体重56.5kg、血圧154/98mmHg、下肢浮腫(+)。尿蛋白(±)、尿糖(-)、Hb11.2g/dl。胎児心拍数140/分、推定児体重1,100g。30分のNST(nonstress test)で3回の一過性頻脈がみられた。近くに住む実母に1歳6か月の長男を預けて入院した。

降圧薬の内服が開始された。入院3日、血圧156/96mmHg、下肢浮腫(+)、尿蛋白(+)、尿糖(-)、尿量1,200mlであった。
この妊婦に必要なのはどれか。

①. 安静の保持

2. 水分制限

3. 低蛋白食

4. 乳房の手当て

問題 81

 30歳の1回経産婦。身長158cm、非妊時体重50kg。妊娠32週5日の健康診査の結果、子宮底長23cm、腹囲80cm、体重56.5kg、血圧154/98mmHg、下肢浮腫(+)。尿蛋白(±)、尿糖(-)、Hb11.2g/dl。胎児心拍数140/分、推定児体重1,100g。30分のNST(nonstress test)で3回の一過性頻脈がみられた。近くに住む実母に1歳6か月の長男を預けて入院した。

入院7日。血圧は142/90mmHgとなった。妊婦は「おなかの赤ちゃんのことも心配ですが、上の子が気がかりなので早く退院したい」と話す。
対応で最も適切なのはどれか。

1. 長男の話題を避ける。

2. 母児の生命危機について話す。

③. 長男の面会を調整する。

4. 退院を勧める。

問題 82

 32歳の男性。「4月に係長になったが、部下との関係がうまく行かない。やる気はあるのだが、会社に出ると仕事が手につかず、落ち着かなくなる。会社のことを考えると出勤できなくなる日もある。何とかしたい」と訴えて受診した。適応障害と診断され、1か月通院し、精神療法と薬物療法とを受けたが、状態は改善しなかった。主治医の入院治療の提案に応じ、精神科開放病棟に入院した。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律上の入院形態はどれか。

1. 措置入院

2. 医療保護入院

3. 応急入院

④. 任意入院

問題 83

 32歳の男性。「4月に係長になったが、部下との関係がうまく行かない。やる気はあるのだが、会社に出ると仕事が手につかず、落ち着かなくなる。会社のことを考えると出勤できなくなる日もある。何とかしたい」と訴えて受診した。適応障害と診断され、1か月通院し、精神療法と薬物療法とを受けたが、状態は改善しなかった。主治医の入院治療の提案に応じ、精神科開放病棟に入院した。

入院後、患者はナースステーションで落ち着いて荷物を整理していた。看護師が入院までの仕事に関する経緯を聞くと突然表情をこわばらせ「ドキドキする。何とかしてほしい」と訴えたので、話を中断して病室に誘導した。
この患者の状態はどれか。

1. 躁状態

②. 不安状態

3. うつ状態

4. 混迷状態

問題 84

 32歳の男性。「4月に係長になったが、部下との関係がうまく行かない。やる気はあるのだが、会社に出ると仕事が手につかず、落ち着かなくなる。会社のことを考えると出勤できなくなる日もある。何とかしたい」と訴えて受診した。適応障害と診断され、1か月通院し、精神療法と薬物療法とを受けたが、状態は改善しなかった。主治医の入院治療の提案に応じ、精神科開放病棟に入院した。

この日の対応で正しいのはどれか。
a. 落ち着いたら仕事の話を再開する。
b. 休息できるよう環境を調整する。
c. 一般的な日常会話を交わす。
d. 他の患者との交流を促す。

1. a, b

2. a, d

③. b, c

4. c, d

問題 85

 19歳の女性。身長160cm、体重35kg。交際していた相手から太っていると言われ、55kgだった体重を1年半で現在の体重まで減量した。月経は停止している。「まだまだ太っているのに、私は意志が弱くてやせられない」と言い、心配する母親に食事を盛り付けた食器を投げてけがをさせるなどの暴力行為があるため、精神科病棟に入院した。入院時の血液検査では血清総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2g/dl、Hb9.8g/dlである。

入院後も自らは食事をしようとせず、看護師が付き添って食事した後にもトイレで嘔吐していた。「太っていても平気な人の気が知れない。あなた、よく恥ずかしくないわね」と看護師を攻撃した。
アセスメントで正しいのはどれか。

1. 転換性障害がある。

2. 注意力が障害されている。

3. 解離性障害がある。

④. 身体像が障害されている。

問題 86

 19歳の女性。身長160cm、体重35kg。交際していた相手から太っていると言われ、55kgだった体重を1年半で現在の体重まで減量した。月経は停止している。「まだまだ太っているのに、私は意志が弱くてやせられない」と言い、心配する母親に食事を盛り付けた食器を投げてけがをさせるなどの暴力行為があるため、精神科病棟に入院した。入院時の血液検査では血清総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2g/dl、Hb9.8g/dlである。

入院3日。「生理が止まってお腹が膨らんできた。最近セックスはしていないけど妊娠しているかもしれない」と言う。尿の妊娠反応は陰性であり、下腹部は軽度膨満し、打診で濁音が確認された。入院以降、排便は確認されていない。
腹部が膨らんでいる理由で正しいのはどれか。

1. 妄想

2. 腹水

3. 過食

④. 便秘

問題 87

 19歳の女性。身長160cm、体重35kg。交際していた相手から太っていると言われ、55kgだった体重を1年半で現在の体重まで減量した。月経は停止している。「まだまだ太っているのに、私は意志が弱くてやせられない」と言い、心配する母親に食事を盛り付けた食器を投げてけがをさせるなどの暴力行為があるため、精神科病棟に入院した。入院時の血液検査では血清総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.2g/dl、Hb9.8g/dlである。

食事を少しずつ食べ始め体重が増加してきた。夜間ナースステーションに来て看護師に「お母さんみたいになりたくないから、子どもを産みたくない。お母さんを見ているとイライラする」などと話すようになった。
このときの対応で適切なのはどれか。

1. 「お母さんに言いたいことがあるなら伝えますよ」

②. 「自分の気持ちを表現できるようになりましたね」

3. 「夜は興奮するから話さないで早く寝ましょう」

4. 「将来のためにもっとご飯を食べましょう」

問題 88

 48歳の男性。20歳代で統合失調症を発症し、入退院を繰り返している。発症直後から抗精神病薬を服用している。小刻み歩行や手指振戦がみられるが、日常生活は看護師の介助なしでできる。患者の楽しみは食事やおやつであり、用意された食べ物をとられたくないために口に詰め込み、飲み込むように食べている。最近、食事中に激しくむせるようになってきた。

むせる主な原因はどれか。

①. 服薬による咽頭反射の低下

2. 加齢による生理的変化

3. 貧困妄想による過食

4. 固形食の咀嚼困難

問題 89

 48歳の男性。20歳代で統合失調症を発症し、入退院を繰り返している。発症直後から抗精神病薬を服用している。小刻み歩行や手指振戦がみられるが、日常生活は看護師の介助なしでできる。患者の楽しみは食事やおやつであり、用意された食べ物をとられたくないために口に詰め込み、飲み込むように食べている。最近、食事中に激しくむせるようになってきた。

誤嚥を繰り返し肺炎になったため、主治医が説明を行い、絶飲食になり、点滴静脈内注射が開始された。患者は「何で食べさせないんだ、こうなったのはAのせいだ。俺をだめにするのか。食べないと死んじゃうだろ。お願いだから食べさせて」と同室のA氏に対する攻撃的な言動が出現して落ち着かなくなった。
対応で適切なのはどれか。

1. 「Aさんはそんなことしませんよ」

②. 「食べられなくてつらいのですね」

3. 「肺炎だから食べられないのです」

4. 「食べなくても死ぬことはありませんよ」

問題 90

 48歳の男性。20歳代で統合失調症を発症し、入退院を繰り返している。発症直後から抗精神病薬を服用している。小刻み歩行や手指振戦がみられるが、日常生活は看護師の介助なしでできる。患者の楽しみは食事やおやつであり、用意された食べ物をとられたくないために口に詰め込み、飲み込むように食べている。最近、食事中に激しくむせるようになってきた。

患者の病状が改善し、経口摂取が開始された。食へのこだわりが強い状態は続いている。
看護計画で優先度が高いのはどれか。

1. 間食を禁止する。

②. 嚥下状態を観察する。

3. 食事は自室で1人でとる。

4. 食事を栄養補助食品にする。

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